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LIVE REPORT

SABLE HILLS

2022.09.18 @Spotify O-WEST

Writer 荒金 良介 Photo by Leo Kosaka、Megumi Iritani

東京発のメタルコア・バンド、SABLE HILLSがなんとドイツ最大級のメタル・フェス"Wacken Open Air"の"Metal Battle"にて日本人初の優勝を勝ち取った! そんな経緯もあり、彼らの2ndアルバム『DUALITY』レコ発ツアー最終日は、奇しくも"凱旋ライヴ"という色合いを帯び、見事ソールド・アウト。対バンも最終日に相応しく、ライヴ猛者2組が盛り上げてくれた。

トップバッターはスサシことSPARK!!SOUND!!SHOW!!だ。今やフェス番長として初見の観客の心を根こそぎ奪い去る彼ら。"台風が来てるんで、踊っときますか?"とタナカユーキ(Vo/Gt)が挨拶するとハードコア、パンク、エレクトロ、ダンス・ミュージックなどを束ねた極彩色のミクスチャーで波状攻撃した。瞬時に場内をダンス・フロアに変えると、「†黒天使†」では"ブーンブーンブーン"のフレーズと共に、バイクを吹かすポーズで観客と一体化していく。他の曲ではPaleduskのKaito(Vo)も飛び入りしたりと、お祭り騒ぎの熱狂を作り上げた。

次のPaleduskは、ド頭からヘドバン地獄に誘う剛腕ぶりを発揮。メタルコアにとどまらず、エレクトロ/クラブ・ミュージックを取り込み、ラウドだがオシャレという落差激しい音像を叩きつける。スサシにも言えることだが、緻密に計算されたうえで、フィジカルを訴えてくる衝撃力と躍動感が半端じゃない。ヘヴィ系の若手ではダントツの実力を誇り、類稀なるオリジナリティの高さに観客も狂喜乱舞。"来年はめっちゃ音源出す!"と嬉しいお知らせもあり、"SABLE HILLSありがとう! おかえり!"とKaitoは告げ、今日の主役にバトンを渡した。

TAKUYA(Vo)とRict(Gt)の兄弟に加えUEDA(Ba)、Keita(Dr)、サポート・ギターのGen Sunamiが揃うと、SABLE HILLSは「Recapture」でショーをスタート。いきなり鋼鉄のメタルコアを振りかざしフロアを沸かせると、すかさず「The Envy」へ。豪快なスクリームを決めるTAKUYAに対し、Rictはメロディアスなクリーン・ヴォイスで楽曲を色づけていた。「Crisis」に入るや、"ドイツに負けてんじゃねぇぞ!"と呼び掛け、観客はヘドバンやツー・ステップで轟音に食らいつく。また、ライヴ前半からTAKUYAは"サークル・ピット!"と高らかに叫び、観客を容赦なくアジテートし続けた。そう、今年の"Wacken Open Air"でドイツのメタル・ヘッズを煽り、砂埃舞う灼熱風景を作りあげたように、日本でも微塵も手を緩めることはない。

中盤、今日出演したスサシ、Paleduskに感謝の言葉を述べつつ"いろんなバンドが解散して悔しい。俺たちの先輩が切り拓いてきた道を世界中に広める!"とTAKUYAは力強く宣言。そして、日本初披露と前置きして「The Eternal」をプレイする。疾走感溢れる曲調に合唱パートを仕込み、壮大なスケールを描いた曲調は一段と映えていた。そして、アンコール3曲目の「The Chosen One」ではex-HER NAME IN BLOODのDAIKI(Gt)を迎え、Rictと鮮やかなツイン・リードを奏でる。そこにKaitoも加わり、会場は最高潮の盛り上がりを記録して終了。

ライヴ中のMCでも触れていたが、来年3月25日にSABLE HILLS主催のフェス"FRONTLINE FESTIVAL"を開催。日本のヘヴィ・シーンを盛り上げるためにも、彼らにはもっと大暴れしてもらわなければいけない。心から期待している。

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