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LIVE REPORT

Fear, and Loathing in Las Vegas

2018.04.14 @幕張メッセ国際展示場9-11ホール

Writer 荒金 良介

個人的にこれまで観てきたFear, and Loathing in Las Vegas(以下:ラスベガス)のライヴの中でもダントツの素晴らしさだった。ラウドとエレクトロを二本柱に、ポップスもゲーム音楽も貪欲に胃袋に入れ、誰も聴いたことがないハイパー・ミュージックとしてアウトプットしてきた彼ら。その集大成にして最頂点を刻むステージングに耳目を奪われ、喉はカラカラになり、気づけば時間を忘れてラスト曲を迎えていたほどだった。大げさではなく、それだけ1曲1曲に、我を忘れるぐらい過剰且つ濃密なエネルギーが充溢していたのだ。
 

ラスベガスのニュー・アルバム『New Sunrise』レコ発ツアーは47都道府県を回るものとなり、各地で対バンを繰り広げ、バンドはさぞかし鍛え抜かれたに違いない。そして、ついに"「New Sunrise」 Release Tour 2017-18 GRAND FINAL SPECIAL ONE MAN SHOW"がやってきた。So(Clean Vo/Prog)、Minami(Vo/Key)、Sxun(Gt)、Taiki(Gt)、Kei(Ba)、Tomonori(Dr)のメンバー6人が姿を見せると、大歓声が沸き上がる。それから「Return to Zero」で幕を開けると、華やかなレーザー光線が飛び交い、ステージ背面には巨大三面スクリーンがそびえ、視覚と聴覚の両面から観客の意識を一気に覚醒。冒頭曲に引き続き、「Before I Fail」、「Power of Life and Death」と最新作の楽曲を畳み掛け、SoとMinamiが両手を横に振れば観客も一様に追随し、早くも熱気漲る一体感が生まれていた。
 

「Acceleration」を経て、「Rave-up Tonight」に突入するやいなや幕張メッセは完全にダンスホール状態となり、タガが外れたようなお祭り騒ぎに会場の温度はさらに上昇するばかり。スクリーンに曲名が浮かび上がった「LLLD」を挟んで、「Accept Each Other's Sense of Values」に入ると、Taikiの男臭いコーラスとMinamiのスクリームの掛け合い、またKeiのキャッチーな歌メロも効果的で、楽曲の魅力をひときわ輝かせていた。
 
ライヴ中盤手前にSoが2009年4月に加入したので、2019年に10周年を迎えることを告知。"長かったですねぇ"とSoが感慨深げに発すると、"来年神戸で2デイズ、「MEGA VEGAS」をやる!"とSxunは宣言。バンド主導のフェスの名前が挙がり会場は興奮度を高めるなか、So加入後に初めて作ったという「Burn the Disco Floor with Your "2-step"!!」をここで披露する。これまた衝動炸裂の暴れて踊れるアッパーな曲でぶち上げ、幕張メッセを大いに揺らしていた。
 

そして、最新作には1曲1曲こう盛り上がってほしいという思いがあるとSxunが力説したあと、「SHINE」をプレイ。煌々とミラーボールが回るなか、観客は一斉にジャンプし、さらに"ウォーウォー"の大合唱が場内に響きわたり、楽曲を通してバンドと受け手がひとつに溶け合う感動的な景色が広がった。それから「Chase the Light!」をやり終えると、"10月からもう1回ツアーをやる。全公演セットリストを変える"とSxunが今年の展望を語る。続けて"目標がある人とか、そういう人の背中を押せたらいい、そんな曲"と前置きしたあとに「Set Your Goal」が炸裂。疾走感抜群のTomonoriのビートが心地よく、この曲もライヴで抜群に映えていた。
 
後半、5月に出るニュー・シングル『Greedy』から「Keep the Heat and Fire Yourself Up」をこの日初披露。SoとMinamiが拳を前に突き出す振り付けも相まり、凄まじいリアクションを獲得した。最後は「Party Boys」から「The Sun Also Rises」で幕を閉じ、バンド史上最長の2時間24曲におよぶワンマンは無事に終了。かと思ったら、スクリーンに『Greedy』から最新MVとなる「Treasure in Your Hands」が流れ、ラスト1秒まで観客を楽しませるエンターテイメント性にも頭が下がった。

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