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LIVE REPORT

No Fear Festival 2016

2016.10.27 @台中市文心森林公園 圓滿戶外劇場

Writer 山本 真由

8月27、28日に、台湾で開催された"No Fear Festival 2016"。10万人規模を誇る台湾最大級のロック・フェスにして、終日入場無料という、なんともキッズに優しい音楽の祭典だ。昨年に引き続き、日本のアーティストも数多く出演した同イベントに、今年は激ロック DJ CREWも初参戦! 台湾のロック・シーンの盛り上がりと、日本のバンドの人気ぶりも窺えた、熱狂の2日間をレポート!


The Winking Owl
2日間、5つのステージで総勢70組近いアーティストが出演した今回、メイン・ステージである"NO FEAR STAGE"のトップバッターを務めたのは、日本のエモーショナル・ロック・バンド The Winking Owlだ。オーディエンスに語り掛けるように情熱的に歌うLuiza(Vo)に、台湾のロック・ファンも1曲目の「Open Up My Heart」から手を上げたり歓声を上げたりと、ノリノリで応える。あたたかい拍手を浴び、野外の広々としたステージで、しっとりした楽曲もアッパーな楽曲も、ラストの「Bloom」までのびのびと演奏するメンバーを見ていると、ここが海外なんてことを忘れてしまう。The Winking Owlの奏でる美しい世界観は、言葉の壁を越えて音楽でひとつになれる空間を作り上げた。


ALL OFF
そして、日が暮れて照明もいい雰囲気になってきたところで、"HOPE STAGE"に登場したのはALL OFF! いきなりオーディエンスを煽りに煽ったところで、アゲアゲのラウドロック・ナンバー「One More Chance!!」をブチ込む。さらに「Yeah!!」では、オーディエンスを一斉にジャンプさせ、「Party Anthem」のコール&レスポンスからの大合唱で、会場の一体感をリードした。台湾のみならず、アジア圏での海外ライヴが初めてという彼ら。もちろん彼らのライヴを観るのは初めてという観客が多いであろう中、問答無用に踊らせてしまうというか、彼らのライヴに参加させてしまう、このパワーはいったいなんなのか。楽曲のキャッチーさ、わかりやすさもさることながら、抜群のコミュニケーション能力のなせる業だろうか。終始、自分たちらしさを貫いて盛り上げたALL OFFはこの日、台湾で多くのファンを獲得したに違いない。


でんぱ組.inc
ALL OFFと少し被る時間帯に"NO FEAR STAGE"でパフォーマンスを披露したのは、日本のポップ・カルチャーを代表するアイドル・グループ、でんぱ組.inc。フロアにはサイリウムを持ったファンも多く、彼女たちの人気っぷりが窺えた。海外遠征でもオケではなくバック・バンドを従えて、ステージ後ろのスクリーンではアニメーションを駆使した映像で演出するなど、完璧なステージングで台湾のファンを魅了していた。


ROOKiEZ is PUNK'D
大盛り上がりのでんぱ組.incに続いて登場したのは、今年3月にNo Fear主催の台湾公演も成功させているROOKiEZ is PUNK'D! アニメのタイアップもあって、楽曲が定着している感のある彼らの人気はすごい。「IN MY WORLD」での、メイン・ステージのフロアを埋める大観衆とのコール&レスポンスも、会場一体となった「BUMP ON da STYLE」でのジャンプも壮観だ。台湾でのライヴは2回目ということで、中国語を駆使したMCの盛り上がりもさすが。しっとりと歌い上げる「DROP」から、ヘヴィなグルーヴで踊らせる「ブチアゲミクスチャア」といった、振り幅の大きいセットリストもまた彼らの持ち味だ。ラスト・ナンバー「コンプリケイション」では、"台湾のみんなへのプレゼントです"と言って、盟友 SPYAIRからIKE(Vo)とUZ(Gt/Prog)が迎えられ、抜群のハーモニーが披露された。日本のポップ・カルチャーから入った台湾のファンも、きっと彼らの実力派なライヴ・パフォーマンスに、ますます心を奪われたに違いない。


SPYAIR
そして、ROOKiEZ is PUNK'Dからのバトンを受け取り、1日目のメイン・ステージのトリを務めたのはSPYAIR! 登場前のSEからすでに歓声がすごい。1曲目は、野外ライヴにぴったりの壮大なナンバー「THIS IS HOW WE ROCK」! 続く「現状ディストラクション」では、熱心なファンがシンガロングしたり、「ROCKIN' OUT」では一気にノリノリのダンス・フロアになったりと、どんどん熱気を帯びていくオーディエンス。「アイム・ア・ビリーバー」では、IKEがイヤモニを外し、オーディエンスに向けて"みんなの声が聴きたい"というジャスチャーも。そして、イントロから"サムライハート・コール"が響いた、タオル回しが定番のナンバー「サムライハート(Some Like It Hot!!)」では、ROOKiEZ is PUNK'DからSHiNNOSUKE(Vo/Gt)がゲストで登場! 信頼関係で結ばれた2バンドに惜しみない拍手が送られた。さらに、アンコールを待ちきれないオーディエンスが「My Friend」の合唱を始めるという感動的な光景も。それにきっちり応えるようにIKEは、"音楽は言葉の壁を余裕で越えていくんだなっていうのを、自分らが足を踏み出してみて気づけました。気づかせてくれたのは、目の前にいるみんなです"と語り、待望の「My Friend」を歌いだした。そして、12月にはワンマン・ライヴで台湾に帰ってくることを発表し、ラストの「SINGING」でも、最後の最後まで満員の会場が踊り跳ねるピースフルな時間が続いた。