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LIVE REPORT

LOKA / JILUKA / MADALA

2019.06.26 @下北沢LIVEHOLIC

Reported by 杉江 由紀

異質な者たちが、異質なまま、決して混じり合うことなくただひたすらにぶつかり合い、互いの異質さをいっそう際立たせ合うことになった一夜。このたび下北沢LIVEHOLICの開業4周年を記念して行われた"LIVEHOLIC 4th Anniversary series Vol.18"は、言うなればそのような場であったのではないかと思う。

まず、今宵いきなり狼煙を上げたのは新世代のミクスチャー・パンク・バンドとして、昨年末に1st EP『SUPER NEW』がリリースとなった際には、本誌において初登場インタビュー記事(※2018年12月号)が展開されていたMADALAだ。モヒカン・ドレッドという威圧感たっぷりの見た目をしているわりに、極めてユーザー・フレンドリー且つ説得力のあるパフォーマンスを得意とするヴォーカリスト Gaku。ダメージ・デニムを通り越し、片脚はほぼショーパン状態にまでなっているファンキーなボトムに上裸というインパクトのある姿で、ことごとく熱いフレーズを響かせるギタリスト Shun。Gakuとは実の兄弟であるものの、バンド内では最も落ち着いた風情を見せながら、一方では激烈スラップを弾けさせてみせるベーシスト エンドリ。やたらと大きなアタック音で鳴らしまくりながら、バンドの音をとめどなく確実にアゲていくドラマー Ryuto。

彼ら4人が体現してみせる音像は、簡潔に記すなら超プリミティヴでアッパーな血湧き肉躍るものであると言っていい。音楽性の面でどうこうというよりも、スタンス的なところでレッチリ(RED HOT CHILI PEPPERS)やLIMP BIZKITとも相通ずるような勢いのある爆ぜ方を見せるところが印象的で、冒頭での文字通りな熱いカーニバル・チューン「MATSURI」から、これまた額面通りの燃え上がり方を見せた最後の「BURN」まで、初見の聴衆をも力技で引き込んで魅せていく姿勢からは飽くなき貪欲さを感じた次第である。また、"我らが日本のロック・バンド MADALAでした! ありがとう!!"と、のたまいながらGakuが去り際に見せた飛び切りのドヤ顔が絶妙にイカしていたことも、ここにきちんと付記しておこう(笑)。

では、2番手のJILUKAがこの夜いかなるステージングを見せたのかというと、これはもう、彼らがここまでにV系モダン・メタル・バンドとして着実に蓄積してきたスキルを最大限に活かしながら、この場で圧縮プチ・ワンマンかのような濃厚なる時間を鮮やかな手腕にて繰り広げてくれた、というほかない気がする。 5月末には最新音源としてカバーEP『Polyhedron』をリリースしており、その中ではあの大ヒット曲「U.S.A.」などJ-POPを独自の解釈で聴かせていた彼らだが、今回のライヴに関しては完全にオリジナル曲たちのみで勝負するという戦法をとってみせたあたりも、甚だ潔かった。

EDMの要素を大胆に取り込み、ドラマー Zyeanが肉感的なビートを叩き出す一方、ベーシスト、Boogieがグルーヴ感たっぷりのフレーズを呈したハイパー・チューン「Matrix」や、ヴォーカリスト Rickoが扇動し、場内が俗に言う横モッシュの嵐となったヘヴィ・チューン「Bloodshot」、ラストを飾った「Screamer」ではギタリスト Senaが流麗なギター・ソロでオーディエンスを魅了するという一幕も。

ショーマン・シップに溢れた立ち居振る舞いで華やかさを感じさせつつ、しっかりとテクニック的な面でも"聴かせてくれる"JILUKAは、ここからさらに飛躍していくことが期待できる有望なバンドだ。11月にはDEVILOOF、DEXCORE、NAZAREらとともに自身の主催する5大都市サーキットツアー"MAD PIT TOUR 2019"が控えているほか、2020年2月1日には渋谷TSUTAYA O-WESTでの5周年記念ワンマン・ライヴ"THE OUTIS"も決定しているだけに、JILUKAには次世代を担うべき先導者としての矜持をこれからも見せつけていってほしい。

かくして、この夜のトリを務めたのは、今年1月に新ドラマー Kenが加入し新体制での精力的な活動を続行中のLOKAだった。2018年には南米やアジアなどでの武者修業をいくつもこなし、今年に入ってからは、最新シングル『TRAP 'N ROCK』で新たなる境地を開拓してみせたほか、今夏にはアルバムの方の『TRAP 'N ROCK』をドロップすることになっているという彼らは、ライヴ・アクトの面でも、究めてアグレッシヴな攻めの姿勢を発揮してくれていたように感じる。特に、フロントマン Kihiroがこの場で見せた切れ味の鋭さは、意識の高い硬派なロック・ミュージシャンならではのものだったはずだ。

ちなみに、前述のアルバムに関してはSNOTのMikey Doling(Gt)、そしてSLIPKNOT、EVANESCENCE、GODSMACK、MUDVAYNEなどの作品を手掛けたDave Fortmanをブレーンとして迎えており、収録楽曲のうち3曲で完全コラボを果たしているのだとか。こちらの仕上がりについても、今から期待しておこうではないか。

では、最後に総評をば。かつて、詩人 金子みすゞは自身の作品の中で"みんなちがって、みんないい。"と詠った。慣れ合うことなく、おもねることもなく、ましてや媚びることなどもまるでなく。異質な者たちが、異質なまま、決して混じり合うことなくただひたすらにぶつかり合い、互いの異質さをいっそう際立たせ合うという一夜。時には、そんな乙な夜があってもいい。

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