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INTERVIEW

MADALA

2018.12.26UPDATE

2018年12月号掲載

MADALA

Member:Gaku(Vo) Shun(Gt/Cho) エンドリ(Ba/Cho) Ryuto(Dr)

Interviewer:高橋 美穂

1st EP『SUPER NEW』を完成させたMADALAに、本誌初の単独取材を敢行。ミクスチャー・ロック、ニューメタルが勃興した時代のエモーションをそのままに、ヴォーカルの声色の使い分けや、長いギター・ソロを筆頭とした華やかなプレイ・スタイルといった"アクセント"を効かせる手腕を発揮することができる、稀有なバンドだと思う。歌詞も過激に見えるが、そこにしっかりとした意志が伴っていることが伝わってくるのだ。今回は4人全員に、今作の話はもちろん、その多彩なルーツから、これから先の展望まで、たっぷりと訊いた。

-20~22歳と、お若いみなさんですが、MADALAを始めたのはいつですか?

Gaku:遊びで組んでいたときは、15歳くらい?

Shun:高1、2とか。

-そうなんですね! 私はレイジ(RAGE AGAINST THE MACHINE)に10代で出会った世代なんですが、そういった世代をも心躍らせるセンスをMADALAに感じたんです。だから、そこからだいぶ下の世代のみなさんが、どういういきさつでこういう音楽性になったのかな? って。

Gaku:みんな聴いてきた音楽はバラバラだよね。

Shun:ほんと、ミクスチャーって感じ。

Gaku:でも、共通して好きなのは歪んでるもの、っていう。

-じゃあ、まずGakuさんは、どういう入口で音楽を聴き始めたんでしょうか。

Gaku:(※エンドリを指しながら)兄弟なんですけど、ここの両親はめっちゃクラブ・ミュージックが好きで。延々とカーステでトランスが流れてるんですよ。だから、"なんでずっと四つ打ちなの?"っていうところから始まって。親が聴いている音楽に対する反発で、RIZEのCDを聴き始めて、バンドを好きになっていった感じです。クラブ・ミュージックも最近聴き始めているんですけどね。"こういう感じなんだ、イケてるなぁ"って。

-親の気持ちもわかり始めたっていう(笑)。Shunさんは全然違うんですか?

Shun:はい。僕は80年代、お父さん世代の音楽が好きです。家族が仲良くて、車で流れてる音楽がガンズ(GUNS N' ROSES)やAEROSMITHだったんです。それがきっかけで、もっと掘っていって、ブルースや古い音楽を聴くようになった感じですね。

-Shunさんは反発しなかったんですね(笑)。

Shun:はい(笑)。あと、パンク・ロックも聴きます。THE OFFSPRINGとか、GREEN DAYとか。そこがルーツって感じです。

-じゃあ、エンドリさんは?

エンドリ:ほとんどこいつ(Gaku)と一緒ですけど、あとは、親が連れて行ってくれたミュージカル......"ライオンキング"や"キャッツ"、"くるみ割り人形"とかを観て、すげぇなって思って。ミュージカルの音源も買ってずっと聴いていたんです。RIZEも、(Gakuと)同じタイミングで聴くようになって、かっけぇ! ってなって。そこから、中2のときにインフルエンザで寝込んでたら、スペースシャワーTVでマキシマム ザ ホルモンの「爪爪爪」が流れて、インフルエンザだったのに立ち上がって"ベースかっけぇ!"ってなって(笑)。そこからの流れで、レッチリ(RED HOT CHILI PEPPERS)を聴くようになった感じですね。

-上ちゃん(マキシマム ザ ホルモン/4弦)からのFlea(RED HOT CHILI PEPPERS/Ba)だったんですね。でも、クラブ・ミュージックが好きだったり、ミュージカルに連れて行ってくれたり、いいご両親ですね。

エンドリ:親はじいちゃんが厳しくて家出したような環境だったんです(笑)。もともとダンスをやってて、親父はDJで、その息子たちっていう。

-ふたりはずっとバンドを一緒にやってるんですか?

エンドリ:そうですね。ケンカはいっぱいしますけど、ルーツは一緒なんで、方向性もブレないし、一番楽っちゃ楽です。

-じゃあRyutoさんは?

Ryuto:僕は、3人とは違うんですよね。音楽をやっている人や音楽が好きな人が身内にいるわけではないんですよ。ただ、親は世代的にユーロビートを聴いていたんです。だからリズムが好きになっていって、そっから和太鼓に手を出して。今でもやぐらの上で叩いたりしているんですけど。で、中学生になったときに、和太鼓部に入るかサッカー部に入るか悩んだんですけど、和太鼓部に女の子しかいなくてサッカー部に入ったんです。でも、中2のときにクラスの奴がギターを買って、じゃあドラムやってみようかなって。聴いていたのはBUMP(BUMP OF CHICKEN)とかラッド(RADWIMPS)とかだったんですけど、TSUTAYAに行ったときに、ONE OK ROCKの『Nicheシンドローム』を借りようとしたら、隣にSiMの『SEEDS OF HOPE』があって、それを手に取ったところから"シャウトってかっけぇ!"って、ラウドロックに走ったんです。高校のときはメタルコアのバンドをやっていたんですけど、卒業と同時にここ(MADALA)に誘われた感じです。メタルコアに行ったのは、手数が多くて目立てるからだったんですけど(笑)。

-(笑)でも、今回の作品を聴かせてもらって、"全員が華やかなプレイをするバンドだなぁ"と思いました。それぞれが個性を出していくっていうところも、曲作りのポイントだったりするんですか?

Gaku:それはめっちゃあります。4つしか音がなくて、どれかひとつ欠けたらデカいと思うんです。俺らは同期も一切使っていないので。だから、ひとりも妥協させないっていう感じですね。

-同期を使わないというのは、ポリシーなんですか?

Gaku:面倒くさい......(笑)。

エンドリ:ミスが怖いしね。

Gaku:"この音があったら面白いだろうな"っていう曲があっても、4人で出した音を一番大事にしたいんですよね。それで、他のジャンルにないグルーヴが出ると思うので。

-それが、バンドのひとつのオリジナリティになりますよね。

Gaku:そうですね。音が足りなくても考え方でうまくできると思うので。

-根っこにはトランスやユーロビートがあるにもかかわらず、人力でやるっていう。

Gaku:でも、トランスとかも、打楽器のイマジネーションで繋がっていく音楽なので。その本能的なところを楽器でできるのがライヴだと思うし。いいイメージは受けますね。

-他のジャンルも昇華したうえで、MADALAのミクスチャー・ロックになっているんですね。

Ryuto:そうですね。そして、みんな共通して好きなのはレイジとかなんですよ。そこに行きつくまでの過程がみんなバラバラだったっていう。

-みなさんぐらいの世代から見たレイジの魅力って?

エンドリ:音っていうより思想じゃない?

Gaku:時代を変えようとしている目つきっていうかさ。

Ryuto:音楽もカッコいいけどね。

-あの時代を"うらやましい"とは思います?

エンドリ:"うらやましい"っていうのはないな。その時代に行ってみたいとは思いますけど。その時代にしかできないことをやっていたんだと思う。

-逆に言うと、自分たちも、この時代にしかできない音楽、思想がある音楽をやっていきたいっていう?

Gaku:それはめっちゃありますね。

Ryuto:良くも悪くも商業的な音楽が多い気がするんです。それはそれでいいと思うんですけど、"ザ・バンド!"っていうものをぶつけていける環境を自分たちで作っていきたいですね。

Gaku:観てくれたお客さんに、若くて何もできなくても、自分の思ってることを言葉にする意志は持っていていいんだぞって伝えたいです。