INTERVIEW
LOKA × Mikey Doling (SNOT) × Dave Fortman
2019.06.10UPDATE
2019年06月号掲載
LOKAが今夏にニュー・アルバム『TRAP 'N ROCK』を発売することが決定した。すでに先行ストリーミング配信曲「HIGHER x HIGHER」を耳にしている人も多いかもしれないが、今作には超豪華なゲストが緊急参戦! 90年代の伝説的バンドであるSNOTのMikey Doling、そして、SLIPKNOT、EVANESCENCE、GODSMACK、MUDVAYNEなどの作品を手掛けたDave Fortmanを迎え、アルバムに収録される楽曲のうち3曲で完全にコラボしている。今回はそのレコーディング現場にお邪魔して、LOKAのメンバー4人とMikey&Daveに話を訊くことができた。
LOKA:Kihiro(Vo) RIU(Gt) Miro(Ba) Ken(Dr)
SNOT:Mikey Doling(Gt)
プロデューサー:Dave Fortman
インタビュアー:荒金 良介 Photo by 大木 優美
-今日はレコーディング5日目ということで、作業はどこまで進んでいるんですか?
Kihiro:1曲ほとんど終わって、2曲目の歌録りが始まってます。今回はアルバムに入る3曲を録音する予定なんです。
-MikeyさんとDaveさんを迎えたものが3曲あると。
Kihiro:そうです。その3曲だけふたりの血が入ります。他の曲は録り終わってて、ほぼ完成してますからね。
-じゃあ、最後のピースを担う3曲を録音する流れですか?
Kihiro:まだ最後の作業になるかはわからないんですけどね。隠しネタもあるから、はっきりしたことは言えなくて。
-そうなんですね。現時点でのレコーディングの手応えは?
Ken:僕は良くなる気がしてならないですね。
RIU:ギターは悪ノリというか、"わっ、これかっこいいじゃん!"という感じでやっていてすごく楽しいですね。音作りに関しても、Mikeyは"えっ、こんな音でやるの!?"っていうときがあったりして。日本の現場と違うところがあって勉強になりますね。
-というのは?
RIU:とりあえず、めちゃくちゃ歪ませるんですよ。日本の現場だと、いかに歪みを抑えてレコーディングするかにテーマを置くんですけど、その2倍ぐらい歪ませるから。制御できない音色だけど、それがまためっちゃかっこ良くて、ビックリしました。
-それはアメリカ流というか、Mikey流ですか?
RIU:完全にMikey流ですね。
Kihiro:僕らの中では"Dolingスタイル"と呼んでます(笑)。今回の制作は曲をあえて詰めずに現場に持っていったんですよ。そしたら案の上めちゃくちゃ詰められて、ふたりはスパルタだからついていくので必死です。その場の対応力が求められるレコーディングですね。プリプロしてもあまり意味がないというか、今もっといいものを出そうよって。
-アーティストの地力が問われるレコーディングですね。
Kihiro:そうですね。"早!"って感じで進みますから。まぁ、6日間で終わらせなきゃいけないし。
-今回3曲のみMikeyさんとDaveさんのおふたりにお願いした理由は?
Kihiro:年明けにMikeyから連絡が来たんですよ。"一緒にやらない?"って。
Mikey:俺は日本を愛してるし、実は奥さんも日本人なんだ。"一緒にやらない?"と言ったのは、もちろんLOKAが大好きなバンドだから、というのが大きな理由だけどね。Daveは俺にとってプロデューサーの先生みたいな存在で、昔からの知り合いなんだ。彼はSLIPKNOTやEVANESCENCEなどを手掛けて、大成功を収めているしね。LOKAとの出会いは2~3年前に遡るのかな。もうなくなったんだけど、渋谷サイクロンの上にあった"The ROXY TOKYO"というハンバーガー屋さんを経営してて、そこでKihiroと出会ったんだ。
Kihiro:僕はSNOTの大ファンですからね。
Mikey:SNOTの『Get Some』のデモをプロデュースしてくれたのもDaveなんだ。
-あっ、そこからの繋がりなんですね!
Mikey:今から20年前の話だけどね。それから俺はSNOTの道に進み、Daveはプロデューサーの道に進んだという。『Get Some』では「Deadfall」という曲で彼がギターを弾いているんだよ。
-MikeyさんはKihiroさんに連絡しようと思ったのは?
Mikey:Kihiroのことが好きで、バンドのことが好きだからだよ。Daveとともに日本でプロデュースする仕事を増やしたいっていうのもあるしね。
Kihiro:いきなり"一緒にやろうよ"って連絡が来ましたからね。ぶっちゃけ、アルバムの曲は出揃っていたんだけど、一緒にやった曲を入れた方がいいんじゃないかと思い、こういう流れになりました。
-MikeyさんとDaveさんとは曲作りの段階から一緒に練り上げていったんですか?
Kihiro:そうですね。
RIU:レコーディングでもMikeyは思いついたら弾く! って感じですからね(笑)。Daveを含めてギターが4人いるから、その場で誰が弾くのかを決めるような感じでした。
Kihiro:Daveはギターはもちろん、ドラムも超上手いし、なんでもできますからね。
-DaveさんはUGLY KID JOEのギタリストでもありますが、今回LOKAのプロデュースに関わっていかがですか?
Dave:日本のバンド自体プロデュースした経験がなかったから、すごく楽しみにしていたんだ。というか、最後に日本に来たのは1992年だからね。日本は久々だけど、ご飯が美味くて、毎日暴飲暴食してるよ(笑)。
-LOKAの作品にMikeyさんとDaveさんのおふたりが関わるのは、90年代、00年代のラウド/ニューメタル好きはたまりませんね。
Kihiro:ほんとそうなんですよ! そのエリアが好きな人にはぶっ刺さるものしかないと思います。サビの歌メロもそうだし、サウンドもそうだけど、キュンキュンするんじゃないかと。
-LOKAとしてもそこは狙ってました?
Kihiro:逆に狙ってなかったよね?
RIU:アルバムのコンセプトとはまた毛色の違う曲ですからね。
Kihiro:今回僕らはアルバムの流れのままでいったけど、ふたりの血が入ると、やっぱり曲が濃くなるなと(笑)。まぁ、逆に今こういうサウンドを出しているバンドはいないと思うし、ヘヴィな音が好きな人は聴いてほしいですね。
-LOKAの新作の方向性としては、すでに公開されているMV曲「HIGHER x HIGHER」の路線ですか?
Kihiro:はい。ロックとトラップを混ぜた感じですね。それでこっちではヘヴィ・サイドをぶち込んでみたという。まぁ、全部できあがってみないとわからないところもあるんですけどね。
Dave:みんな演奏も上手いし、進行も早いからね。全体的に調子良く進んでいるよ。
Kihiro:俺らは必死なんですけどね。さっき2曲目のサビを作ったばかりですから。