DISC REVIEW
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新章突入。明らかに次フェーズへ突入したことが伝わってくる研ぎ澄まされた音像と、ある意味での原点回帰な風情も感じさせる空気感。その両要素を今この機に両立してみせたJILUKAは、今作をもって虎視眈々とアフター・コロナの"世界"を射程圏内に入れたのではなかろうか。彼らはワビサビの利いたクサメロ(もちろんこれは褒め言葉だ)を作ることも得意であるし、日本語詞を激音の中に取り込むことにも大変長けてはいるが、ここでは旋律の構成がドライな洋楽寄りのテイストになっているほか、歌詞も再び英語詞が主軸に。中でも、メタルとヒップホップを巧妙にコンフュージョンさせた「BaLa-DeDa」、メタメタしさ極まれりな「Ablaze」は特に秀逸。偶像と偏見のふたつの意味を持つ"IDOLA"とはこれいかに。 杉江 由紀