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INTERVIEW

JILUKA

2019.11.12UPDATE

2019年11月号掲載

JILUKA

メンバー:Ricko(Vo) Sena(Gt) Boogie(Ba) Zyean(Dr)

インタビュアー:杉江 由紀

まがまがしいほどにヘヴィなメタル・サウンドを、ハイテクニカルな演奏をもって威風堂々と放ちつつ、見目麗しいルックスや躍動感溢れるパフォーマンスでも受け手を魅了するJILUKA。彼らは新世代"V系モダン・メタル"の旗手として、シーンの最前線を邁進する気鋭のバンドである。そんな彼らがこのたび発表するのは、初のベスト・アルバムとなる『XANADU』だ。いわゆるジェントコアからR&B、果てはEDMの要素まで、多岐にわたる音楽要素を自在に組み込みながらJILUKAが聴かせていく全18曲は、どれも鮮烈であり凄絶でさえある。来たる2月1日に行われる5周年記念ワンマン・ライヴ"THE OUTIS"へ向けた1枚としても、今作は必聴だ!

-JILUKAにとって初のベスト・アルバムとなる『XANADU』が、来年2月の5周年を前にリリースされることとなりました。この作品をまとめていくのにあたり、まずバンド内ではどのようなディスカッションをされていかれたのでしょうか。

Boogie:どんな曲を入れるのか、っていうことはわりとサラッと決まりましたね。なぜなら、ベストを出すことになる以前からメンバー内で"ベストを出すなら......"っていう話は何回かしていたんですよ。単にこれまでの曲を入れるだけじゃなくて、"曲によってはリテイクもしたいよね"っていう話なんかもしてました。

-ちなみに、収録されている18曲すべてに対してリミックスとリマスターを施したそうですね。音の仕上げについて、みなさんが特にこだわられたのはどのような点でしたか。

Sena:やっぱり、それぞれの曲を作った時期や環境が違ったりするので、それを改めて1枚にまとめていくうえでは音のトータリティを考えながらバランスを調整していく必要がありましたね。逆に言うと気にしたのはそこくらいで、どの曲もその時点で自分たちなりに最高のものを作っていたわけですし、リミックスに関しては大幅にイメージを変えたようなところは特にありません。

-それと同時に、全18曲が並ぶこととなった今作においては、うち4曲にリテイクが施され"-Ver.XND-"というかたちで収録されております。なお、今作中で最も時系列的に古いのは9曲目に入っている「Monophobia -Ver.XND-」になるそうですね。

Boogie:これのオリジナルは、当時枚数限定で出した1stシングル『Screamer』(2015年リリース)のカップリングだったんですよ。JILUKAとしては初期の楽曲でもありますし、今回は5周年を前にしたベストということもあって、これまでのライヴで培ってきた成果も入れつつ「Monophobia -Ver.XND-」として新しく録り直しました。

-当然、録り直す前には過去のテイクも再確認されたのだと思います。その際に、何か感じられたことはありましたか。

Ricko:久しぶりに聴いて、"このときはこういう歌い方だったんだなぁ。今とはちょっと違うな"っていうのは純粋に感じましたね。そのぶん、今回のリテイクは間違いなく当時を超えるものになったと思います。

Sena:ただ、"やっていることの芯は当初からずっとブレてないんだな"とも僕は感じたんですよ。自分たちの原点を再確認できたのも、リテイクしてのいい収穫でしたね。

Zyean:今回はこの曲に限らず、今までの音源をすべて聴き直してみたんですよ。そうしたら、"この頃の自分がやりたかったのはこのテイストだったんだな"とか、"幅広く欲張りにいろんなことをやってきたんだな"っていうことが改めてわかりました。

Boogie:ここまでの5年くらいの中で、バンドとしても個人としても成長してきたのは事実なんですけどね。でも、だからといって過去の音源を聴き直したときに"今と比べて劣っているな"とは感じないんですよ。初期の音には初期ならではの良さとか感覚が詰まっているし、その一方で今回リテイクした曲に関しては当時の自分たちが大切にしていたものを引き継ぎつつ、各曲でより今のJILUKAとしてそこに磨きを掛けることができたんじゃないかと思います。

-せっかくなので、ここからは今作中に収録されているほかの"-Ver.XND-"についても各パートの見地から解説をいただくことにしましょう。今作の1曲目を飾っている「Twisted Pain -Ver.XND-」については、いかがでしょうか。

Zyean:これも音源化してから結構時間が経っているので、今現在ライヴで叩いているフレーズともとの音源を比較すると、やっぱり多少変わっているところがあるんですよ。だから、今回のテイクでは音を今のライヴのかたちに近づけることを意識しました。

Boogie:僕も、「Twisted Pain -Ver.XND-」では今のライヴ感をできるだけパッケージしていくように心掛けましたね。グリスの入れ方ひとつをとっても、わりと自己満足的なところまで細かくこだわってます。聴いた人に違いに気づいてもらえるかどうか? というレベルの話ではあるんですけど(笑)。深いところまで聴き込むと、そういうところでもきっと楽しめると思います。

Sena:ギターも、この曲で意図的に変えたのはソロのちょっとしたニュアンスくらいですかね。Boogieと同じく、本当に自己満足レベルな細かいところです(笑)。

Ricko:さっきの「Monophobia -Ver.XND-」が、今だから歌える歌をかたちにしたものだとすると、こっちは逆であえて当時の自分に近づけて歌うようにしました。レコーディング前はもとの音源を100回とかそのくらいの回数聴いて、勉強し直しましたね(笑)。無事その成果は出せたと思うので良かったです。

-それから、今作の12曲目に位置する「Lluvia -Ver.XND-」はハードでヘヴィなサウンドのみならず、じっくりと聴かせる部分についても得意とするJILUKAの特徴を生かしたものに仕上がっておりますが、この曲をリテイクするうえでみなさんが心掛けたのは?

Sena:この曲には、頭にSEを新たにプラスしました。もともとこの曲はドラマチックなものなんですけど、さらにそこをフォーカスしたかたちにしたかったんです。

Zyean:この曲で原曲と一番違うのは、ギター・ソロのところのフレーズですね。ライヴではそこでよく遊んでいたりするので、その感覚を今回のリテイク版にも入れてみました。

Boogie:なんか、全体的に音の中のストーリー性が原曲より増した感じがしますね。

Ricko:実を言うと、これに関してはリテイクしたのは演奏だけで、歌は一切録り直してないんですよ。でも、バックの音が変わったことで微妙に歌の聴こえ方も変わった感じになってるところが面白いんですよね。

-今作『XANADU』は序盤で激烈且つ威圧感の強いヘヴィ・チューンが連打されていく構成となっているぶん、この12曲目まできて「Lluvia -Ver.XND-」ではじっくり聴き込めるバラード展開になっていくあたりがなんとも絶妙だと感じます。さらには、13曲目で聴けるR&Bテイストの漂う「Citrus」の放つ響きも非常に乙ですしね。ワンマン・ライヴで言うところのオトシ、中盤戦を思わせるくだりがとても素敵です。

Sena:このベストを作っていくうえでは、JILUKAにとっての名刺代わりになる1枚にしたいというヴィジョンも持っていましたからね。それで、自然と普段のライヴで演奏している曲たちが多く入ってくることになったんですよ。

-場合によっては、このままの流れの18曲でワンマンのセトリとして通用しそうです。

Sena:そうですね(笑)。この曲順は、セトリを決めていくような感覚で並べていったところがたしかにありました。

-もちろん、本誌は"激ロック"と銘打っているわけですし、JILUKAというバンド自体の真骨頂も激しい曲をパフォーマンスしていく際のダイナミズムにこそあるわけですが、その反面ではRickoさんの表情豊かな歌を前面に押し出しながらメロディの良さとサウンドに滲むポップ・センスを存分に生かした楽曲たちを呈示していける点も、このバンドにとっては大きな魅力のひとつであると言えそうです。

Ricko:ありがとうございます! その言葉はすごく嬉しいです(笑)。

-では、いよいよ今回のベスト盤の佳境を迎えててくる15曲目の「Crossing Fate -Ver.XND-」についてもみなさんからの解説をお願いいたします。

Sena:これも古めの曲なので、今ならではのちょっと新しいエッセンスを入れたくて録り直しました。ほかのリテイク曲と同様で、当時の曲を愛してくれていた人たちの気持ちもしっかりと踏まえつつで大幅に何かを変えたわけではないですけど、今の自分が納得できるかたちで作っていきました。

Boogie:具体的に言うと、本来ギターがコードを動かしていたところを、このバージョンではベースを動かしてギターはステイさせるようにしたんですよ。

-すなわち、ベーシストとしては腕の見せどころでもあったのでは?

Boogie:そういうことになりますかね(笑)。コンポーザーである彼(Sena)と相談しながら、フレーズを作っていってレコーディングした結果がこれです。

Ricko:歌に関しては、これはほかの曲と比べてかなりきれいに歌いましたね。

Zyean:今回リレコーディングしたこの曲を聴いて、僕が原曲との違いを大きく感じたのは全体の音が前よりも揃っているということなんですよ。音粒にしても、強弱の加減にしても、バンド感が増した音になったなと実感したし、みんなと自分自身の成長も感じました。