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INTERVIEW

JILUKA

2020.10.21UPDATE

JILUKA

メンバー:Ricko(Vo) Sena(Gt) Boogie(Ba) Zyean(Dr)

インタビュアー:杉江 由紀

変わり果てた世界を前にしても、逞しくサヴァイヴしていこうとしているバンドの姿は実に頼もしい。今年2月には5周年を迎え、このコロナ禍にあって、7月末より"各種対策を徹底したうえで"ライヴ活動をいち早く再開したJILUKAは、ここに来て今般の社会情勢を色濃く映し出したミニ・アルバム『Xtopia』を呈示するに至った。音楽的な面でも新たなアプローチが多々見られる今作は、新世代V系モダン・メタルの旗手であるJILUKAの魅力を、よりブーストさせたものに仕上がっていると言っていい。11月29日のVeats Shibuya公演まで続く、初の全国ワンマン・ツアー"THE INTEGRATION"でも、何卒彼らの雄姿を確かめられたし!


絶対に他と替えがきかないバンドでありたい


-今年2月には5周年を迎えたJILUKAですが、今回の新譜『Xtopia』については今般の社会情勢を色濃く映し出した作品となっている印象があります。また、JILUKA はすでに7月末から、政府ガイドラインに沿ったうえで観客を動員してのライヴ活動も再開しておりました。つまるところ、ここに至るまでには様々な困難はあったにせよ、JILUKAの場合は音源制作の面でもライヴの面でも、前進し続けていくことに対しての姿勢が終始揺らがなかったことになりますか。

Sena:世の中自体もそうだと思うんですけど、やっぱり動き出さないと何も始まらないんじゃないかなという思いは当初からありました。おそらく、何かを待っているだけだと状況は変わらないだろうと僕は個人的に感じてたんですよ。そして、メンバーとはそういう話は別にしたことなかったですけど、たぶんみんなの中にもそういう感覚はあったんじゃないかと思います。

Boogie:まさにそうですね。リーダーであるSenaの意見は、バンドとしての総意でもありました。

-ちなみに、今作『Xtopia』の制作にはいつ頃から取りかかっていらしたのですか?

Sena:1年くらい前から決めていた先々のスケジュールというものがあったので、ミニ・アルバムも春先にはすでに制作に入ってました。時間軸的にはちょうどその途中で緊急事態宣言が出ちゃったという流れでしたね。だから、結果的に今回のミニ・アルバムには、コロナの問題が起こって以降に自分の感じたことを投影していくことになったんです。内容的な面では、そのことで作り直しまではいかないですけど、当初の自分が思い描いていた原形とは、必然的にずいぶんとカラーが変わっていくことになりました。

-その原形と、ここに仕上がった完成形では、主にどんなところに大きな違いがあるのでしょうか?

Sena:メッセージ性が色濃くなりました。"こういう状況の中でも、自分たちの想いを最もうまく伝えられるツールは音楽なんだ"という意識が、ここにきて改めて強くなったんですよ。もちろん、ここまでも表現者としての自覚は常に持ちながらやってきましたけど、音そのものだけを届けたいというのではなくて、気持ちの部分も込めた作品を聴いてくれる人たちに伝えたいという意識が、明確に芽生えてきたんです。

-そうした意識の変化に伴って、制作プロセス自体にも変化が及んだところは何かしらありましたか?

Sena:それはなかったです。曲作りにしても、レコーディングにしても、やり方自体は特に大きくは変わってません。

-なお、昨年11月にJILUKA にとって初のベスト・アルバム『XANADU』が出た際のインタビュー(2019年11月号掲載)では、録り下ろしの新曲を入れたことについて、"ベストの中に新曲を入れることで、次の第3期に向けたさらに新しいヴィジョンを呈示したい"という旨の発言があったと記憶しております。となると、今作『Xtopia』でも、その第3期に入ったことを感じさせる要素を意図して織り込んでいったことになりますか?

Ricko:もちろんあります。まずは、メッセージ性をより強める意味で、日本語の歌詞が増えたというのが大きな変化だと思うんですよ。聴いてくれる人たちからすると、おそらく前よりわかりやすくなってるんじゃないですかね。とはいえ、僕自身としては英詞でも日本語詞でも歌っていくうえでのスタンスは特に何も変わりません。

-頼もしい限りです。一方、Zyeanさんからすると、第3期JILUKAの特徴をドラマーとして打ち出していくために、重視されたのはどんなことでしたか?

Zyean:僕個人としては、今の状況とか、そういうのはあまり考えずレコーディングに取り組んでたところがあるんですよ。いつもやりたい放題にやってますし、正直なことを言うと今回も自分の欲望のままに叩いていっただけですね(笑)。

-それはそれで潔いです。たしかに、『Xtopia』におけるドラムの音は、Zyeanさんらしい大胆不敵な奔放さで彩られている印象ですものね。

Zyean:こういう言い方をあえてしようと思うんですけど、このシーンの中でも相当ハイレベルなことをしている自負はあります。しかも、音源にした以上は、それと同じことをライヴでできないのは一番恥ずかしいとも思っているので、必要以上に背伸びをして無理矢理作ってますというわけではないんですよ。自分としては、前作よりもレベルアップしたもの、そして、今とにかくできるかぎりのことを形にしました。

-では、Boogieさんが、ベーシストとして今作『Xtopia』の楽曲たちと向き合っていく際に大事にされたのは、どんなことでしたか?

Boogie:いわゆるメタルっていうものをやっているバンドにも、いろんなスタイルがあると思うんですけど、JILUKA としては、絶対に他と替えがきかないバンドでありたいという思いがとても強いんですよ。その意味で、自分たちならではの持ち味やカラーを、さらに引き立てていきたいなと思いながら制作に入りました。

-そのために行った具体的な方策とはどんなものだったのでしょう?

Boogie:例えば、今回はサビがキャッチーでメロディアスな曲も多いんですけど、そこ以外はメタル然とした速さや重さを持っている曲が多いので、そこの組み合わせの感じが、JILUKAらしさのひとつなんじゃないかなと僕は考えていったんですね。あとは、ベーシスト的にはギターとのユニゾンもかなり多いので、そこもしっかりとプレイしていくようにしました。そのぶん、ベースもサビでは普通のメタルだと、ルートそのままいくケースもわりとあると思うんですけど、曲によっては最近のJ-POPの曲なんかも参考にしながらサビであえて大きく動いたり、思い切った聴きやすいフレーズをつけたりということもやってみてるんです。そうしたことで、今回はJILUKAとしてのサウンドを、またさらにブラッシュアップできたんじゃないかと思います。

-Boogieさんは、普段からマーケティング的な視点を持ちつつ、J-POPの界隈にまで目端を利かせていらっしゃるのですか?

Boogie:はい、そういうところはあります。ランキングの1位から100位まですべて把握してますということではないですけど(笑)。流行りの音楽も聴くようにすることで、人気が高い音楽の中でベースがどう使われているのか? というのを調べるのは自分にとって勉強になることが多いです。

-ヘヴィ・メタルならではの鋭さや重厚さを前面に出しつつも、サビでは一転してポップな展開になるというギャップの大きさが最も激しいのは、今作中で言うと「Ignite」であると感じました。イントロとサビをそれぞれ10秒ずつ切り抜いたとしたら、まったく別の曲と感じる可能性があるのでは? と思うほど、この曲構成は斬新で面白いですね。

Zyean:たしかに、1曲の中の振り幅はかなりあります。

Boogie:あそこまでやれるのがJILUKAなんですよ。そこは意識してやってます。

Sena:第3期のJILUKA、ここからに向けてのJILUKAというものを考えたときに、最もこのアルバムの中で重視していたのは、そうしたヘヴィさとキャッチーさをいかに共存させていくかということなんですよね。JILUKAはもともと両方の要素を音の中に入れてきたバンドではあるんですけど、その配合のバランスを変えたことで、新しいJILUKAの音を作っていくことができるようになったんです。

-今思うと、ベスト盤『XANADU』に収録されていた新曲「Last Faith」は、"超カッコいいアニソン"のような存在感を持った、出色の仕上がりとなっておりましたよね。また、そのイメージはJILUKAとして狙ったものでもあったという発言が、以前のインタビューではありましたが、今作においてある種その続編のように感じられたのが「Flux」です。これまた、今すぐアニソンに起用されてもおかしくないほどの、インパクトとワビサビの効いたメロディが生きた楽曲に仕上がっているように感じます。

Sena:あぁ、ワビサビが(笑)。そう言ってもらえると嬉しいです!

-おまけに、「Flux」ではRickoさんのヴォーカリゼーションの映え方も素晴らしいです。デスボやスクリームなど、Rickoさんは歪んだ声を出されるのも大変お得意ですが、クリーン・トーンの歌の抜け方もこれまた絶品ですね。

Ricko:歌詞の世界をどこまで表現できるか、どこを特に盛り上げたいのか、ということをどの曲も意識しながら歌っていくようにはしているんですけど、実は大事なところほどクリーンな声に若干のしゃがれた部分を交ぜたりもしてるんですよ。