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INTERVIEW

ACME × MAKE MY DAY

2022.02.11UPDATE

2022年02月号掲載

ACME × MAKE MY DAY

ACME:CHISA(Vo) 将吾(Gt) RIKITO(Ba) HAL(Dr)
MAKE MY DAY:Isam(Vo) Julian(Gt/Vo)
インタビュアー:山口 哲生 Photo by うつみさな


それぞれのバンドが強くなったなって、最近いろんなバンドと対バンしていて感じる(Isam)


-RIKITOさんは、先ほどラウドをあまり知らなかったとのことでしたけど、このイベントでMAKE MY DAYから学びたいことというと、どんなものがありますか?

RIKITO:音楽性もそうなんですけど、ライヴ・パフォーマンスですかね。言っても僕もヴィジュアル系を始めたばかりで......。

Julian:えっ?

将吾:ここ(HAL)と同じタイミングでヴィジュアル系を始めたんですよ。

Julian:もともとはどんな感じだったんですか? それこそB'zみたいな?

RIKITO:僕はジャズとかそっち系をやってて。

Julian:全然違う! B'zですらない!

RIKITO:でも、LINKIN PARKが世界で一番好きで、そこだけなんですけど。なので、ヴィジュアル系という世界に来てから、ヴィジュアル系のライヴ・パフォーマンスとか煽り方を観て学んで。そこからラウドロックを取り入れたバンド・サウンドになっていくなかで、それをライヴで発信するときに、どういったパフォーマンスをすれば自分たちが出したい音、見せたいものをお客さんに伝えられるのかなと思っていて、そこを勉強したいですね。

-おふたりはライヴ・パフォーマンスを考えられたりするんですか?

Julian:ラウドとひと括りにするのもまた難しいんですよ。バンドによってライヴのやり方が全然違うので。でも、少なくともMAKE MY DAYは、ヴィジュアル系と近からず遠からずというか。一応動きを考えつつやっているっていう感じですかね。振付ではないけど、合わせて見せるっていうところはあると思います。だから、そこまで差異はないかな。強いて言えば、頭の振り方とか?

HAL:あぁー。

Julian:ヘドバンの進入角度とかスピード感とか(笑)。そういうのは明確に違うけど、やってることは主に一緒です。大きい音出して、頭振って、イエーイ! って言ってるっていう。

-Isamさんの場合はいかがです?

Isam:昔は煽ることを頑張ろうとしすぎて、歌うべきところを歌わずにしゃべっていたら、入るところに合わなくて、"お前なんとかせぇや"って言われたりとか。

Julian:そんな言い方はしてないよ(笑)?

ACME一同:ははははは(笑)

Julian:すげぇ遠回しに、"あの、あそこなんだけどさ......"って。

Isam:腫れものを触るかのように(笑)。で、まぁそういうのに気をつけるようになったんですけど、例えば手を挙げるところは手を挙げさせるとか。でも、ただ"手を挙げろ!"っていうのだとつまんないから、勝手に応用を効かせて、両手を挙げさせたりとか。そこは......例えば、コロナでキャパが半分になったと。もともとは100人のところが50人しかいなくて、みんなが片手だけ挙げたら景色としてはアレだけど、両手を挙げれば100人いるじゃんとか。でも、Julianも言ってたけど、そんなに隔たりはないと思いますよ。逆にそういうことを一切やらないラウドもいますけど、僕らとしてはそっちなんで、ACMEのお客さんに見せられるような気はするんですよね。ちゃんと受け入れてもらえるような気がする。

Julian:でも、ACMEのライヴのほうが治安悪そうだよ? 俺ら"飲め!"とか言われたことないし。

Isam:でも、俺、そういうのでちょっとうらやましいとこあるんだよ(笑)。ヴィジュアル系のお客さんって、バンドによるかもしれないけど、メンバーの名前を呼んだりするじゃないですか。ラウドはマジでそういうのないんですよ。だからね、わかんないけど、例えば"おい! Julianこっち向け!"とか。

Julian:それはもう罵倒だから(笑)。

Isam:ははは(笑)。今はね、声出しはダメって言われているけど、そういうのはうらやましい。

将吾:ヴィジュアル系のライヴで"声出せ!"ってよく言うパターンなんですよ。そういうのって言ったりしないんですか?

Isam:いや、"Make some noise!"って言ったら、ワー! っていうのはあるけど。

Julian:でも僕らの場合は、バンドのファンっていう感じで、個人を推すっていう感覚がそこまで強くないんですよ。だからメンバーの名前を呼ぶっていうのはなくて。そこはカルチャーの違いじゃないかなと。決して声が出ないわけじゃなくて。

将吾:逆にヴィジュアル系はワー! っていうのがないかも。声を出していいときだったら、例えば、ACMEのライヴにフィーチャリングで出てもらうとするじゃないですか。(名前を)"呼べ"って言ったら、みんなめちゃくちゃ名前呼ぶと思う。

CHISA:うん。

将吾:そこは絶対に。その人のことを観に行ってなかったとしても、みんな言ってくれる。

Isam:じゃあシャウトとかできる曲があったらね。

HAL:対バンするときに声が出せるようになってたらいいんだけどなぁ。

CHISA:そうだね。3月かぁ......っていう。

Isam:でも、フィーチャリング、やるのであれば。

ACME一同:ぜひ!

-今日も何度かお話が出ましたけれども、新型コロナウイルスの問題が依然続いていて。ヴィジュアル系シーンの現状としてはどういった感じになっているんですか?

CHISA:なんか、シーンのことがよくわからなくなっちゃいましたよね。コロナの最初の頃は、イベントにいろんなバンドが出た中でひとつのバンドがダメになったら、他のバンドも違うイベントに出られなくなったりしてたじゃないですか。人と接触できないというなかで活動してきたから、そういう意味では一度、全バンドがシーンから切り離された感じがあって。そこからまた少しずつ戻ってきているのかなって印象はあるけど、シーンがどうなっているのかというのは、僕は前よりもわからなくなっちゃったかなと。

将吾:今までライヴに来てくれていたけど、コロナのことで来なくなった人もいて。でも、コロナのことが収まっても、その人たちがまた戻ってきてくれるとは思えないんですよ。だから、今は新しいことをするチャンスなのかもしれないなとも思っていて。それこそ、こういうツーマンだったり、ヴィジュアル系だけじゃなくて、いろんなバンドとかと一緒にやったりとか。それで、みんながライヴに来やすくなったときに、そういうしっかりしたイベントができていればいいかなって。

-Julianさんとしてはいかがでしょうか。昨年、MAKE MY DAYは、サーキット・イベント"SCREAM OUT LOUD FEST 2021"を主催されましたけども、それぞれが個にならざるを得ない状況の中で、そういった場所を作るべきだという気持ちで動いたんですか?

Julian:すごいオチなんですけど、僕、コロナになっちゃってそのイベントに出られなかったんですよ(苦笑)。1年ぐらいかけて、気合入れて、熱いこと語っといて。

将吾:観ました、そのときのライヴの映像。

Julian:まぁ、それはさておき。さっき話に出てましたけど、コロナの問題が出てきてから、もともと好きだったけど、離れて行ってしまった人はいて。例えば飲食店も、営業を再開できたのはいいけど、普段飲みに行っていた人たちが、家の居心地が良くなって別に行かなくてもいいかってなっちゃって、さほど復活してないっていうじゃないですか。それに近しい現象が、界隈限らず、音楽業界には多いと思っていて。

-そうですよね。

Julian:好きだったけど、離れてみたら別になくてもよかった人たちが、今は来なくなってるんですよね。だから顔を見なくなった人もたくさんいますし、逆にこのコロナ禍で来てくれるようになった人もたくさんいて。とはいえ、どっちにしろ、シーンにダメージはあったと思うんです。そうなったときに......各々のバンドが"俺らが売れたい"って頑張るのはもちろん大事なんですよ。でもやっぱり、シーン全体が盛り上がってないと。そこに新しい人たちを呼ぶのか、昔の人たちを戻すのかわからないけど、うるさい音楽のムーヴメントが起きないと、新しい動きもできないんじゃないかなと思って、サーキットを組みました。それに、今回みたいなこういう繋がりというか、別のジャンルのバンドと一緒にやったりして、どんどん広がっていったらいいなと思いますね。そうしないと、復権が難しいというか。何様? って感じなんですけど、やっぱりそう思います、僕は。

-ダメージがより深刻化する前に、今だからこそ動かないと、という。

Julian:だからまぁ、コロナのことで良かった点を言うなら、そういうことを考えさせられたことですかね。今までは俺たちがかっこいい! 俺たちが頑張ればいい! って思っていたけど、シーンが低迷したら、自分たちの居場所もなくなっちゃうじゃないですか。だから、"自分が自分が"でやっているわけにはいかないんだなっていうのに気づかされた。そうやって見つめ直すいいタイミングにはなったかなと思います。

-Isamさんは、"SCREAM OUT LOUD FEST 2021"のステージに立ってみていかがでした?

Isam:酒は飲めないし、バンド数は少ないけども、そういうサーキット・イベントに来られてるっていうので、イベント全体をお客さんが楽しんでいる感じはしましたね。でもまぁ、この2年で去っていったお客さんもいるしやめていったバンドもいるけど、失ってしまったものはしょうがないから。そこを数える必要はないなと俺は思うんですけど。そういった経験をして、それぞれのバンドが強くなったなって、最近いろんなバンドと対バンしていて感じるんですよね。俺、すぐアニメに例えちゃうんですけど、"3D2Y"というか。

-あぁ、"ONE PIECE"の。

Isam:2年後に会おうぜじゃないけど。それぞれのバンドが、自分たちはどうするべきかを考えたような気がしてるんですよ。それで、今こうやって、ちょこちょこバンド数が増えた企画が増えてきたときに、こんなに強かったっけなって。そこはお客さんに対しても感じるんですけど。

HAL:たしかに。

Isam:お客さんも、やっていいこと、やっちゃいけないことを自分たちでわかってやっているから、共通認識が出てきてシーン全体が少し強くなってきたかなって。だから、いいキッカケになった2年だったのかなって思いますね。大事なものを、当たり前のものを当たり前じゃなく感じられたのは、いいことかなって。

-最後に、ACMEとしては今後もこういう形式のイベントを開催していきたいと考えているんですか?

HAL:そうですね。これ1回で終わらせてしまったら、なんだったの? って感じなので。ふたりの話を聞いてて嬉しかった。久しぶりにメンバー以外のミュージシャンと話した感じがして。

Julian:そんな状況なの......?

CHISA:メンバーと会うとき以外は山登りしてるからだよ(笑)。

Isam:そりゃ会わねぇわ(笑)。

HAL:なんか、ジャンルは違えど、みんな考えてるんだなって。音楽が好きで、自分らの作ってきた曲だったり、バンドに誇りを持って、それを観に来てくれたお客さんに自信を持って披露して。そういう人たちのライヴを観ることって、やっぱり自分にとってもプラスになるというか、燃えてくるものがあるし、今日話したことによってより楽しみになりましたね、イベントが。

CHISA:うん。今日お話を聞けて良かったです。外から見ている感じと、中って全然違うんだなって。話がちょっと戻っちゃうんですけど、モッシュの話とか、そう思ってたんだ? みたいな。そういう話って聞かないとわからないので。勉強になりました。

Isam:まぁ、そこは僕らだからかもしれないですけどね。

-自分たちとは違うからこそ、そこに面白さや良さを感じるところもあるし、そういったものを知ることも面白いですからね。

CHISA:そうですね。でも、基本はみんな変わらないと思うんですよ。"ライヴを楽しみたい"ってのは同じだと思うので。その楽しみ方はちょっと違うかもしれないけど、それがぶつかることによって、いい刺激をお互いに受け合えるっていうか。そういう仲間が欲しいなと思っているし、そういう活動もしていきたいです。

-MAKE MY DAYのおふたりは、イベント当日はどんな感じになりそうだと思います?

Julian:なんか、茶化す感じになっちゃうけど、僕が思っていたのとACMEのライヴはだいぶ違うのかなって。どんだけ話すんだろうって。

Isam:でも、変わっちゃったらしいじゃん。

Julian:いや、何が起きるかわからないから。それに、この様子を見てると、MC変わってなさそうな気がする(笑)。

ACME一同:はははははは(笑)!

Julian:だから、今日のこの前振りが効いたというか。もっと楽しみになりましたね、イベントが。

Isam:そうだね。全部人間がやっていて、人間が見ているものだから、まず人間同士が知り合わないと。HAL君は前から知っていたし、今日こっちは来ていないメンバーもいるけど、当日に"おはようございます、初めまして"からのライヴよりは絶対にいいものになると思うから。

CHISA:たしかに。

Isam:だからそこはもうマジで感謝ですよ、こういう場所を作ってくれて。

Julian:このヴァイブスならヘッド・スライディング見られそうだな。

HAL:ヤバい。やらないほうがおかしくなってきた。やらないとつまんない人間だと思われる(笑)。

LIVE INFORMATION
"ACME 主催イベント「ザ・ラストワンショー 2022・シーズン1supported by 激ロック」"

3月13日(日)SHIBUYA CYCLONE
OPEN 17:00 / START 17:30(時間は変更する場合があります)
出演:ACME / MAKE MY DAY
問い合わせ:DISK GARAGE:050-5533-0888(平日12:00-15:00)
一般発売中 チケットはこちら