ACME：CHISA（Vo） 将吾（Gt） RIKITO（Ba） HAL（Dr）
MAKE MY DAY：Isam（Vo） Julian（Gt/Vo）
インタビュアー：山口 哲生　Photo by うつみさな

－CHISAさんとしては、ヴィジュアル系の煽りはしっかりしてるなって、本人としても感じます？

CHISA：どうだろう......でも、ヴィジュアル系で括ると、ACMEはちゃんとしてないかも（笑）。そのへんはちょっと緩いかもしれない。

RIKITO：CHISA君はちゃんとしたMCをしようとするんですけど、僕とHAL君が全部潰しちゃうんですよ。

Julian：ははははは！ 潰しそう（笑）！

将吾：1回クレーム入ったからね（笑）。

Julian：誰から入ったの？

HAL：お客さんから。"MCが長いせいで、1曲減らされた"って。

RIKITO："だったら曲やれ"って（笑）。

Isam：さっき俺が言ったこと、全部撤回してもらっていいっすか（笑）？

RIKITO：でも、ちゃんとしようってことになったんですよ。俺らに足りないものはなんだ？っていう話をしたときに、"MCを我慢することだ"って。

HAL：ちょっと反省したよね。福岡でライヴをやったあとに、イベンターさんがその日の映像をDVDに焼いてくれたんですけど。それを帰りに観てたら、こんなに長いこと話してるのか......って。たぶん、そのイベンターさんも"お前達のライヴはこうだぞ？"っていうのを言いたくて、その映像を渡したのかなって。

将吾："これ観とけよ？"っていう。

Julian：そんなに言われたらむしろ楽しみですけどね。どれぐらいしゃべるんだ？ って。

Isam：それが観たいよね？

RIKITO：でも、これじゃダメだっていうことで、去年の年末のツアー・ファイナル（"ACME Live 2021「Unbreakable Tour 2021 (IN JAPAN)」"）からちゃんとしようって。

Julian：あぁ、新生ACMEになって。

RIKITO：結局その日のMCも長かったですけど（苦笑）。

Julian：じゃあダメっぽいな（笑）。

Isam：（CHISAを）しゃべらせてあげてよ（笑）。今もそうなってるからね？

HAL：そうそう、今も人の話の途中からしゃべってるから（苦笑）。

CHISA：マジで一生着地できないんですよ（笑）。ライヴのときも、いつもどのタイミングで次の曲に行こうかなと思うんですけど、どんどん新しい話題が出てきて。

RIKITO：ひとつのテーマが出たら、それについて全員が、自分の持ってる引き出しから自分の話せることをどんどん出していくんですよ。

CHISA：そうそう、大喜利みたいになるから。

HAL：で、"これヤバい、長くなってる"と思ったらなぜか俺が次のタイトル・コールするときもあって。"じゃあまぁね、そんな曲を聴いてもらおうと思うんですけど"みたいな。

CHISA：だから、ヴィジュアル系のテンプレートからは、ちょっと外れ気味なバンドかもしれないです。そこはHALさんのせいだと思うんですけど（笑）。

－まぁ、MCはコンパクトのほうがいいですけど（笑）、テンプレートから外れているということに関しては、すごく大事なことでもあるのかなという気もします。

CHISA：そういうのもあって、あんまりジャンルとか関係なく、いろんな人たちと対バンしたくて。ウチらとしても、"このジャンルのイベントなので、他のバンドは出られません"っていうのは、あんまり関係ないんじゃないかなと思っていて。それこそHALさんのバースデー・イベントのときに、アイドルとも対バンしたりしましたし。ウチのライヴが他のジャンルの人のファンに届いているのかはわからないけど、ウチのお客さんはいろんなバンドを観られて喜んでいる感じはありますけどね。

－お客さんも喜んでるんですね、そういうイベントを。

CHISA：ウチのお客さんはたぶん温かいと思います。だからこういうイベントもやれるというか。嫌がっていたらちょっと難しいじゃないですか。"本当はヴィジュアル系ばかり観たいんだけどな......"っていう感じでもないから。雑食だよね、ウチのお客さんは。

HAL：うん。どこでも楽しめるスキルを持っているというか。僕のバースデーのときは、アイドルもいたし、ROACHとかもいて。その日はアメリカからわざわざ観に来てくれた子もいたんですよ。でも、モッシュに巻き込まれて、あまり楽しめなかったっていう（苦笑）。

Isam：それはかわいそうだなぁ......。でも、今は（感染拡大対策で）モッシュとかがないから、逆にヴィジュアル系のお客さんもラウド（のライヴ）にいやすいんじゃない？ 今はライヴを集中して観られる環境になってるから。

－あぁ、なるほど。たしかに。実際にそういうところを感じたりします？

Isam：ライヴをしてても、モッシュが起きると、必然的にそこが一番目立つところになっちゃうんですよね。それは別に悪いことじゃないんだけど、やっている側としては、全員そっちを見てるから、ちょっと寂しくなるときもあって。あと、前のほうとか周りのお客さんとか、目に見えてわかるところもあるし。

Julian：まぁ、嫌な人は嫌だからね。

Isam：うん。それが今はライヴを集中して観られる環境になっているし、楽しんでくれているなっていう表情も見えますね。マスクはしているけど、だんだんこっちも慣れてきて、目だけでわかるというか。でも、モッシュだったり、そういったものがあるカルチャーでもあるから、前にノクブラ（NOCTURNAL BLOODLUST）がやっていた、柵で囲んでその中はOKだよ、みたいな。そういうことをしていけば、分け隔てればありなのかなって。全部一緒くたにするとかわいそうな人も出てくるだろうし。

－Julianさんとしてはいかがです？ モッシュができない状況でのお客さんの雰囲気というと。

Julian：なんか、モッシュができない状況に変に慣れてきちゃって、気にならなくなってきているところはあるんですけど。でもやっぱり、あるとそれはそれでテンション上がりますよね。しっかりリアクションを貰えてるっていうことだから。さすがに1から10まで全員モッシュしてたら引いちゃいますけど。

－そういう感覚もあるんですね。

Julian：だって全員ずっと暴れてるんですよ？ それもう聴いてないやん！ って（笑）。だから、いろんなリアクションがあると嬉しいですね、僕は。

将吾：ウチのお客さんはね、大丈夫だったときはみんなお酒飲んできたりしてたけど。

CHISA：あとは"飲め！"って煽ってきたりとか。

Isam：ライヴのMCのときとかに？

Julian：飲めって？

CHISA：そういうときもありましたね。"飲め！"とか"曲やれ！"とか。

Julian：なんか、治安悪い......？

CHISA：いや（笑）、でもゲストには優しいですよ。僕らには厳しいですけど。

将吾：前にクラブ・イベントをやったときも、次々とお酒が来て。

CHISA：あれってファン旅行をやったらそうなっちゃったんだっけ？

将吾：あぁ。ファン旅行の移動中に道の駅に寄ったんですけど、ここにハイボール売っとるやん、トイレから戻ってきたら買おうって言って、戻ってきたらもう全部なくなってたんですよ。

CHISA：道の駅に売っていたお酒が全部なくなるっていう。

将吾：そのお酒を1本ずつ貰いましたけど。

CHISA：そういうのがあるのはメンバーが飲むからっていうのもあるんですけどね。

Isam：酒に関しては真逆だな。（MAKE MY DAYは）ライヴはノンアルで絶対やるし、終わったあとの打ち上げも、こういうご時世じゃなくてもほとんど飲まない。Julianは運転もあるし、僕もビール1、2杯ぐらい飲んで帰って飲む感じなんで。だから真逆。

HAL：そういえば昔、打ち上げのときにJulianが締めたことがあって。

Julian：あぁ、ARTEMAの頃ね（笑）。HAL君ってめちゃくちゃ酒癖悪いでしょ？

CHISA：よくはないですね。ウチは全員酒癖悪いんでアレですけど（苦笑）。

Julian：なるほど（笑）。打ち上げのときに、みんなで座敷で飲んでたんですけど、長いテーブルがあったんですよ。で、悪い意味じゃなくて、そんなに盛り上がってなかったんですよね。そしたらHAL君がパンチを見せようと思ったのか、いっぱいグラスが並んでいるところにヘッド・スライディングして。

一同：はははははははは（爆笑）！

Julian：ガシャガシャガシャガシャ！ って。で、一瞬、時が止まって。なんで......？ みたいな感じで。めちゃくちゃ（グラス）割れてるし、なんかもうぐっちゃぐちゃだし、そこから逃げるように帰ったっていう事件があって。

HAL：そうなる前のことは覚えてないんだけど──

Julian：覚えてないんかい！

HAL：でも、ヘッド・スライディングをして、周りがシーンってなった瞬間から覚えていて。そしたらJulianが"ということで、じゃあ今日はお開きにしましょう！"って（笑）。

Isam：最悪（笑）。

Julian：とっさに、もう終わりだな......って。いろんな意味で（笑）。

HAL：俺はこれからじゃないの？ って思ったけどね。やっと始まったなって。

RIKITO：それを聞くと大人になったな、HALさん。

将吾：1回、口には出してたけどね。"ここにヘッド・スライディングしたほうがいい？"って。

Julian：その性癖はまだ残ってるんだ？

RIKITO：でも、最近はもうおとなしく台車で運ばれるだけやからな。

HAL：最近はね。もう寝ちゃうから。

Isam：ジジイやん（笑）。