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COLUMN

G-FREAK FACTORY 打たれる出た釘・打たれない出すぎた釘 第二十回

G-FREAK FACTORY 打たれる出た釘・打たれない出すぎた釘 第二十回

新型コロナウイルスの影響でバンドが活動の多くの時間を過ごすライブハウスが最初に槍玉にあげられてから早いもので3ヶ月。事実、解禁は恐らく最後になることから、ライブハウスやバンドマンはいかに風評の中で生きていることも痛感しました。

動かないことが最強のメッセージ。なんとなく感じる全体的なリセット。2019年には全く馴染みのなかった言葉「自粛」「クラスター」「オーバーシュート」「ソーシャルディスタンス」「三密」「濃厚接触」「陽性反応」「緊急事態」などがメディアの中を飛び交ってそろそろ聞き飽きた頃、守りながらできる事を探し始めました。まずは前からやってみたかった一人デイキャンプ。誰にも会わずに"堂々と自粛"する時間です。とはいえ、全くノウハウも道具も無し。ここからきちんと始めてみようと。

Bluetoothスピーカーが彩る一人の現場。田舎でもオンラインで手に入るグッズ。料理なんて無縁でした。でも活きている事を伝えたくてレシピを見ることもなく、ひたすら挑戦しました。その模様の一部をSNSで発信すると意外な言葉が帰ってきました。その多くは『うらやましい』でした。この田舎に住むことの価値。そうだ。これだった。空気も綺麗で自然が豊富。何よりも庭があるうえに家賃が安い。もっと言えば、首都へのアクセスも悪くない。俺自身、週に3回ほど東京に行ってる経験もあります。職種にもよるけど会社の多くの事業がテレワーク、在宅勤務でまわせる事に気付いてしまったこの瞬間に、みんな俺の町に移り住めばいい。八方塞がりで手詰まりの感がある自分のルーツを見直して、次第に地元を心から好きになる時間なんだと考えるようになりました。

止まることなく新しいローカリズムにチャレンジするラストチャンスなのではないかと思い立って、誇るべき資源である川の清掃を開始しました。昨年の台風19号で運ばれてきた大量の流木と川底に数年にわたって沈殿してしまった落ち葉や廃棄物をひたすら運び出す作業。あれほどに嫌悪していたオンラインがくれた利便性と交差するオフラインが川岸に混在してました。オンラインという情報提供が管理、監視社会への第一歩ならば、その裏側にある本当の表側のアナログには、限りなく贅沢でリッチな空間としておくべきだと。何度も何度もミーティングをしました。もちろんオンラインです。しっかり見据えて使い分ける事こそがこれからを上手く生きるコツなんだなと。

この時世にアルバムをリリースすることにしました。状況が改善されてからのリリースも考えましたが、俺たちは損得ではなく、今を記す曲達の鮮度を選びました。届いてくれたら嬉しいです。そして非日常とされてしまったオフラインのライブで、また日常を綴っていけたらと思ってます。神様がくれた上等なハードルを、少しだけ強くなって、また......。PEACE & YAH-MAN

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