COLUMN
G-FREAK FACTORY 打たれる出た釘・打たれない出すぎた釘 第四十八回
今年もよろしく。例年のバチバチな新年感とは違って2025年がフワっと明けた。強烈な幕開けのイメージはない。しかし近年の忙しさや出来事に重ねてみると逆に何もないことがこれほどまでに価値あることなのかと痛感する。年が明けてから時間が経ったが、今年もいつもの山に日の出を見に行くことができた。
仲間の三味線の演奏に呼ばれたかのように朝日が昇り、アメイロの世界を演出すると暗闇からヘッドライトを着けて登山を終えた仲間は少しだけテンションを上げる。右手にコーヒーとチョコレートとソーセージ、パンを持った仲間は会食をしながら顔がはっきりと見えていくことに躊躇いながらも、灯りや山の木々、空気など辺りが吸い込まれるように命を表現していくと、登り切った幸福と昇る朝日に一気にフルテンまで到達する。それも、開放感でもなく感動でもなく、不自然なものは一つもない場所から沸き立つ言葉にできない多くの何かを得ることができる。まさにアメイロという曲ができたのもこの山を走っていた時で、ちょうどコロナ禍中で閉じ切った心を放ってくれた感覚を思い出した。難しい錯覚をシンプルに、シンプルをより濃く深くとね。これは恒例にしたいと思ってる。
安中市内の小中学生全員に防災ヘルメットを寄贈して防災意識を上げてもらいたいと動き出した安中ヘルメットプロジェクトも2024年度のデリバリーを完了した。毎年市内の中学3年生全員に配るという3ヵ年計画の2年目。15歳という多感な時期を迎えた生徒さんたちにヘルメットを寄贈する事業なのだが、みんなすこぶる良い子たちという事実に終始驚いている。時代の風潮からか?はたまた教育からか?昭和時代の中学生からは想像できないくらい。一人くらい厄介なボスが居て睨まれることくらいは覚悟して臨む教室内の演習も、何だか拍子抜けしてしまいそうなほどきちんと耳を傾けてくれているのが分かる。昭和に学生時代を過ごした俺からすると拍子抜けするほど学生たちはとても大人びていて、安全に充実しているようにも見えて、ここからどのように変化していくのか楽しみである。
アルバムのリリースツアーはすこぶるいい感じ。各地方を廻りながらバンド結成28年の経過年が始まった。結成から今まで全く活動ができなかった空白の時間や、無理矢理にライブを入れるような時期もあり、28年という月日をずっとしっかりやってきたとは決して言えないけれども、激動の世界を追いかけるように、年を重ねる度に活動頻度が上がっていくという過去に聞いたことのないマレな地方バンドマンになった。ここからいつまで。ここからどこまで。周りの方々に恵まれていることに感謝しながら身体と心を可能な限り仕上げて挑みたい。この先のライブで会えるのを楽しみにしているよ。認識できる全てのみんなが少しずつでも進める1年になったらいいな。 PEACE & YAH-MAN
- 1