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LIVE REPORT

"DEVI BATTLE~デビバト~Vol.8 Unlucky Morpheus × DEVILOOF"

2023.07.08 @目黒鹿鳴館

Writer : 杉江 由紀 Photographer:Litchi

メタルの聖地と言えば目黒鹿鳴館。近年ではアイドルなども出演するライヴハウスとして認知されているのかもしれないが、特に1980年代から1990年代初頭にかけてはそうそうたる日本のメタル・バンドが名演を繰り広げてきた、もはや伝説的なハコだ。 そんな鹿鳴館にてこのたび開催されたのは、題して"DEVI BATTLE~デビバト~Vol.8 Unlucky Morpheus × DEVILOOF"。これまでにはJILUKAやPaleduskなどとも対戦してきたDEVILOOFだが、今回の相手になったのはこれまたなかなかに手強い"あんきも"ことUnlucky Morpheusで、両者が熾烈にメタメタしくぶつかり合う様は見応えに満ちたものとなったと言っていい。

今宵の初手を打ったUnlucky Morpheusは、1曲目の「Angreifer」から得意のメロディック・メタルを力強く響かせることになり、Fukiの凛とした美しい歌声と紫煉の発するデスボが絡む甘辛ミックスなパフォーマンスは相変わらずの健在ぶり。

"「デビバト」へようこそ! このふたつのバンドが集まったら、暴れるしかないよねぇ!! あんきもを初めて観る人も、DEVILOOFを初めて観る人も、どっちも観たことない人も、どっちも観たことある人も、ここにいる全員で暴れていくぞ!!!"(Fuki)

この煽りを受けての「"M" Anthem」では場内にヘッドバンギングの嵐が吹き荒れることになったほか、お馴染みの小道具としてFukiが手にした"日清焼そばU.F.O."を掲げながら歌い上げた「U.F.O. - U Feel Overjoyed! -」では客席側から盛大な"U.F.O.コール"が発生。この日がちょうど誕生日であったという仁耶によるテクニカル且つドラマチックなギター・ソロをプロローグにして始まった「Carry on singing to the sky」も含めて、我々はあんきものあんきもたるところが凝縮されたステージングを存分に堪能できたのである。

では、このあとオーガナイザーであるDEVILOOFはどのように応戦したのかと言えば、4月にリリースされたメジャー・デビューEP『DAMNED』のリード・チューンにしてゴリゴリにヘヴィな爆音が轟く「Damn」で、いきなり冒頭からモッシュピットが目黒鹿鳴館の中に生成されることに。そればかりか、Rayと愛朔によるツイン・ギターのソロが炸裂した「ESCAPE」や、メタルコア/デスコアの概念とロックンロールのグルーヴを融合させた「The Blackened Sun」ではサークル・モッシュまでが勃発し、DEVILOOFはこの空間の支配権を完全掌握することとなったのだ。

"今日は「デビバト~Vol.8」ということで、あんきもとのツーマンにお越しいただきありがとうございます。(中略)メタルっていうジャンルは結構幅広くて、あんきもみたいなメロディックなメタルもあれば、俺らみたいなデスコアみたいなバンドもいるわけなんだけど、原点辿ればロックですから。ロック嫌いなヤツいるんか、ここに。いないでしょ? ロックは世界共通だよな。今日はメロディックもデスもハードコアもなんも関係ねぇ。ロックが好きなヤツら全員でひとつになろうぜ!!"(桂佑/Vo)

ちなみに、ラストを飾った激烈ラウド・チューン「拷訊惨獄」に至っては恒例のウォール・オブ・デスを執行する際、桂佑がフロアに降りて"俺に向かってかかって来い!"とオーディエンスを煽り、文字通りの惨獄絵図がそこに描き出されるという痛快なひと幕もあった。 メタルの聖地で開催されたこの記念すべき苛烈なバトルは、きっと目黒鹿鳴館というハコの紡いできた歴史の1ページに深く刻み込まれたに違いない。

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