INTERVIEW
Unlucky Morpheus
2018.03.22UPDATE
2018年03月号掲載
Member:荒金 良介
Interviewer:天外 冬黄(Vo) 紫煉(Gt) 仁耶(Gt) 小川 洋行(Ba) FUMIYA(Dr) Jill(Vn)
今年活動10周年を迎えるUnlucky Morpheus(通称:あんきも)がニューEP『CADAVER / REVADAC』をリリース! タイトル名を見て気づいた人もいるかもしれないが、今作は「CADAVER」の楽譜を逆からひっくり返すと、「REVADAC」になるという、音楽バージョンの回文とも言えるとんでも楽曲を作り上げた。リーダーである紫煉自ら"偉業"と述べた楽曲や、今年精力的に動くバンドの現在のモードについて、じっくりと話を訊いた。
-今年は結成10周年イヤーに突入ですね。結成当時を振り返ると、いかがですか?
紫煉:最初は紫煉とFuki(冬黄)のふたりで始まって、どんどん大所帯になって、曲の作り方も変わっていきましたね。最初は録音の方法も手探りで。それから実践の中で成長して、レコーディングの"いろは"を少しずつ身につけ、それぞれのプレイヤーの持ち味を引き出そうと思って、曲を作るようになりました。
天外冬黄(以下:Fuki):最初はギター、ベース、キーボードも紫煉さんが演奏していたけど、今では心強いメンバーが支えてくれるようになりましたからね。
紫煉:今は俺が9割ぐらい作って、みんなでリハして録る形ですね。特にドラムのふーみん(FUMIYA)とはリハで詰めて、レコーディングしてます。
-活動の仕方に関してはどうですか?
Fuki:最初はバンドというより、プロジェクトでしたけど、結成数年後にライヴをするようになって、そのときにファンに求められているんだなと気づいて。
紫煉:(結成して)1年後にはライヴをやってるんだよね。ライヴをやり始めて、2010~2011年に3発イベント(Unlucky Morpheus主催3ヶ月連続東方ライブイベント"冬の味覚食べ歩き2010→2011")をやって、ファイナルを渋谷O-EAST(2011年1月7日に開催された"冬の味覚食べ歩きファイナル~Lunatic East~")でやったんですけど、そこでよりバンド志向になりました。
-現6人体制に固まってから変化はありましたか?
紫煉:ヴァイオリンがいる自体で普通のバンドと違いますからね。自分はヴァイオリンの対旋律を入れるのが好きで、Jillさんが参加してから、その完成形に近づいているかなと。俺は(学生時代)吹奏楽部に入っていたので、自分のルーツを生かした曲にしたくて。X JAPANも盛り上がるところにストリングスを入れてますからね。
仁耶:RHAPSODY(RHAPSODY OF FIRE)とかね。
FUMIYA:ネオクラシカル系しかり、メタルは弦楽器と直結しやすいし、ヴァイオリンが入ったことで、バンドのやりたいことがやっと具現化できたのかもしれません。
-メンバーみなさんはUnlucky Morpheus以外のほかの活動でも忙しい方ばかりですよね?
Fuki:私はDOLL$BOXX、ソロのFuki Communeで活動しています。
仁耶:僕はUNDEAD CORPORATIONと、絵恋ちゃんというアイドルと一緒に活動してます。
Fuki:彼(仁耶)自身のソロでも私は歌ってますからね。
Jill:私はあんきものほかに、Rose Noireや、Hollow Mellowもやってて。それと他のアーティストのサポートもやってます。
FUMIYA:僕はGALNERYUS、THOUSAND EYESでも活動しています。
小川:バンドはあんきもぐらいで、あとはサポートですね。THE CHARM PARKというポップスや絵恋ちゃんのサポート、TRICK BOX、それからMI(※音楽学校"MI JAPAN")の卒業生なので、今はMIで講師をやってます。あと、V6のレコーディング、Kinki KidsのTV番組でバック・バンドもやってます。ほかにもいろいろやってますね。
紫煉:俺は妖精帝國を脱退して、今はあんきも、電気式華憐音楽集団のふたつですね。
-みなさん、紫煉さんが作る音楽に惹かれて集まったわけですよね。
Fuki:当時はLIGHT BRINGERを始めてましたけど、あんきもでも歌わせてもらえるんだ! って感じで。X JAPAN、陰陽座とかメロディアスな日本のメタル・バンドが好きだし、紫煉さんの曲は構築された美しい音楽だなと思って。今となっては紫煉さんが作る曲を歌わずには、自分の人生が成り立たないと思ってます。
小川:僕は初ライヴから皆勤賞で、紫煉とはMIの同級生で、僕だけ友達枠なんですよ。音楽的にはメタラーではなく、LUNA SEA派です(笑)。MR.BIGとかハード・ロックは好きですけど、メタルはあんきもしか知らないですね。
FUMIYA:僕はもともとあんきもに近い音楽を聴いていたし、2011年に加入して、そのころは同人的な界隈でやってたから異色に映ってたけど、それでも渋谷O-EASTでライヴをやれるんだって思いましたね。他のバンドからは色眼鏡で見られるところもあるかもしれないけど、いい音楽をやってることに変わりはないですからね。
Fuki:あんきもはコミケでCDを売ったりして、活動の仕方がいわゆるメタル・バンドの人たちと違うので、音楽を聴く前に拒絶する人は多かったかもしれない。
仁耶:僕が入ったのは高校生のときだったけど、加入当初からあんきもはやりたいことをやらせてくれるし、僕が意見しても一度は考えてくれるから居心地がいいですね。
Jill:私はもともとクラシックを勉強していたんですけど、メタルという音楽も聴いてたし、X JAPANも好きでしたからね。他のバンドで、たまにヴァイオリンという楽器をあまり知らずに曲を書いているなと思うことがあって。でも、紫煉さんはクラシックの素養があるので、ヴァイオリンも演奏しやすいし、楽しいですね。
紫煉:それは良かった(笑)。楽譜は極めてますからね。
-まさに今作はその真骨頂みたいな曲調ですからね。
紫煉:はい(笑)。