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INTERVIEW

Unlucky Morpheus

2023.03.03UPDATE

2023年03月号掲載

Unlucky Morpheus

Member:Fuki(Vo) 紫煉(Gt/Scream) 仁耶(Gt) Jill(Vn) Hiroyuki Ogawa(Ba) FUMIYA(Dr)

Interviewer:杉江 由紀

今年いよいよ15周年を迎えるという"あんきも"ことUnlucky Morpheusが、このたび発表するのは、昨夏にZepp DiverCity(TOKYO)で開催されたライヴの模様を収めた『EVOLUTION & DIVERSITY LIVE 2022 at Zepp DiverCity』のBlu-rayとCDで、同作品は盤のリリースだけでなく配信もされるという。日清焼そばU.F.O.とホロライブ所属VTuber 常闇トワによるコラボ企画のために新曲「U.F.O. - U Feel Overjoyed! -」も制作している彼らは、単なるメタル・バンドの枠には到底収まらない、いい意味で規格外の貪欲なバンドだと言えよう。


こんなに動いてるのにこれだけ上手いんだっていうところはぜひ伝えたい(笑)


-昨夏にZepp DiverCity(TOKYO)で開催されたライヴの模様を収めた『EVOLUTION & DIVERSITY LIVE 2022 at Zepp DiverCity』が、このたびBlu-rayとCDで作品化されることになりましたが、まずは映像作品のみならずライヴ音源も同時に発表されることになった理由、というのをお聞かせ願えますでしょうか。

紫煉:映像と音を両方楽しんでもらいたいというか、もちろん映像で観てもらうのが僕らとしては嬉しいですけど、音だけで聴いてもらっても楽しめると思うので、今回はその両方のかたちで出すことにしました。

Fuki:それだけじゃなく、音に関しては配信もするんですよ。

紫煉:今はストリーミングで音楽を聴く人も多いですしね。

-"あんきも"ことUnlucky Morpheusのファンは"あんきまー"と呼ばれていますけれど、そうした方々の中では、ダイナミックなライヴ演奏をディープに堪能したいというニーズもあるでしょうし、今作のように、それぞれのかたちで好きなように楽しんでいただけるという状況は実に素晴らしいですね。

紫煉:まぁ、いろんなかたちで少しでも多くの人たちにアクセスしてもらわないことには、始まんねーよなっていうことなんです。

-なるほど。Blu-ray版『EVOLUTION & DIVERSITY LIVE 2022 at Zepp DiverCity』のほうについては、みなさんも編集段階から映像チェックなどをされていたかと思いますが、当日ステージに立っていたときの感覚と、客観的に画面上で自分の姿や音を認識したときとでは、何かしらの違いを感じる点などはあったのでしょうか。

Fuki:カメラが入って、のちに映像がBlu-rayとして出ることはわかった状態でステージに立っていたので、やっぱり14年もやっていると自分がだいたいどんなふうに撮られているのか、というのは把握できるんですよね。どの曲のどのタイミングで誰がアップで抜かれるかもわかっていましたから、私の場合だと、実際に撮った映像を観たときにギャップや違いを感じることは特になかったですね。個人的には、単にライヴのステージを生々しく切り取ったものという以上に、今回のBlu-rayは、1本のライヴを壮大なミュージック・ビデオのように撮ったという感覚のほうが強いです。ステージ・セットとかもカメラ映えを意識していましたし、事前にこのタイミングではお立ち台に上がってこう動くとか、いろいろ映像として作り込んでいくところが多い作品になったと思います。その甲斐あって、めちゃめちゃカッコいい映像を作品化することができました。

Jill:私もFukiさんのお話と重なる部分が多くなるんですけど、ライヴではいつも"こう動いたら、こう見えるだろうな"と計算しながらステージングをしている部分があるので、映像チェックのときに意外だったことはあまりなかったです。ただ、ライヴの終盤になってくるとすごく楽しくなってきてしまうせいか、いろんなことを気にせず自由に動いちゃってるときも多少あります。特に、このライヴのときは、アンコールの「Top of the "M"」で、当日の協賛に入っていただいていた日清食品の焼そばU.F.O.を、お客さんたちが一斉に振り上げるようなシーンもありましたし、楽しすぎてそのときは見え方とかのことは忘れちゃってましたね。そして、映像で観た自分の表情もすごく楽しそうでした(笑)。

紫煉:そのアンコールのときの「Top of the "M"」は、(「Top of the "麺"」として)今YouTubeの公式チャンネルにあがってます。

Fuki:今回のBlu-rayに収録されているのは本編で演奏した「Top of the "M"」のほうなので、よかったらぜひ両方とも観てみてください。

-同じ曲のはずなのに、空気感はまったく違うのが面白いところですよね。一方、ベーシストのOgawaさんからしてみると、今回の映像作品はどのような点が特に見どころである、とお考えでしょうか。

Ogawa:上手なところでしょうね、演奏が。もちろん、上手いバンドはたくさんいますけど、ここまで動き回ってのパフォーマンスをしていて、音もこれだけしっかりしているというのは、なかなかないパターンだと思うんですよ。だから、僕としてはもっとそこを評価してほしいですね。自分で言うのもなんですけど(笑)。

-たしかに、Unlucky Morpheusはエンタメ性を強く打ち出してファンを楽しませつつ、それでいてテクニカルな面でも観衆を圧倒するバンドだと思います。

Ogawa:ほんとに手前味噌で申し訳ないんですが(笑)、こんなに動いてるのにこれだけ上手いんだっていうところはぜひ伝えたいところです(笑)。

紫煉:今年の1月あたりは結構いろいろ他のバンドのライヴを観る機会があったんですけど、そのあとに改めてリハーサルに入ったとき"あんきも、うめーな!"って感じたことは僕もありましたね。

Fuki:婉曲表現(笑)。

紫煉:いや、他がダメってことではなくて。純粋に"あんきもって上手いんだな"って再認識したという話。そのわりにはよく動いてるしね。

-あんきものライヴにおいては、紫煉さんと仁耶さんの織り成すツイン・ギターも重要なファクターとなりますし、あのアンサンブルも職人技の生きた部分だと感じておりますよ。

紫煉:レコーディングの段階でまずツインのフレーズをどう合わせるかに関しては詰めていってるので、ライヴのときはそのイメージを前提にしながら事前に個人で練習してきて、リハーサルで合わせたときに解釈の不揃いがあれば微調整していくって感じです。

仁耶:バンドもののマンガとかでありそうな、同じ釜の飯を食った間柄だからこそできるアンサンブル! みたいなのは関係なくて(笑)。それぞれがしっかり練習して、そのうえでリハーサルのとき、誰がどんな音を出しているか聴けば、自然と自分がどうしたらいいかっていうのはわかるんですよ。

Fuki:よく、バンドは仲の良さが音に表れるみたいなことを言われたり、逆に仲が悪いくらいのバンドのほうが上手いみたいな話もあったりしますけど(笑)、そういうオカルト要素はあんきもにはないっていうことなんだよね?

仁耶:そうそう(笑)。友情があるから音が固まるんですとかではなく、普通にそれぞれ頑張って演奏してるから上手くやれてますっていうことなんです。

紫煉:練習と研究がすべて!

-ライヴや今回の映像で拝見していますと、さらりと軽くすごいプレイをされているように見えるのですが、当然その裏には地道な努力があるということなのですね。

Jill:フレーズを揃えるという意味では、私のヴァイオリンもギター両方とよくハモったりするんですけど、それぞれに歌い方が違うというか、フレージングのカラーが違うのでそこはライヴで演奏していて面白いところですね。特に、紫煉さんはだいたいこう来るかなとまだわかるんですが、仁耶さんはすごく自由なんですよ(笑)。

FUMIYA:自由というか、協調性が~って話になってくる(笑)!?

仁耶:いや、でもさ。毎回どうなるか"わからない"ことが"わかってる"っていうことでしょ? 長いことやってきてるんだし、そこは問題ないと思いますよ。もともと紫煉さんと僕とではプレイ・スタイルとかも違うし、違うんだけど噛み合ってるみたいなところを、あんきもでは生かせてるんじゃないかと考えてますね。

-いい意味でスリリングにしてダイナミックな音の交わりを、今回の『EVOLUTION & DIVERSITY LIVE 2022 at Zepp DiverCity』でも、みなさんに堪能していただきたいところです。

Fuki:わかる人は映像がなくても、CDを聴いてるだけでふたりの音の違いがわかると思いますよ。そしてあんきもでは紫煉、仁耶、Jillが曲によっていろんな組み合わせでソロをとるので、そこもライヴ作品を楽しんでもらううえでのポイントになるかもしれないですね。誰がどういう組み合わせで弾くかの振り分けはどうやって決めてるのか、ファンは知りたいところかも。

紫煉:ひと言で説明するのは難しいけど、基本的に昔の曲はどれも俺がソロを弾いてたんですよね。でも、そのあとは俺の手の負担を減らすという意味でソロをとるバランスも変わってきたし、今現在はテクニカルなのは仁耶が多く弾いてて、メロディックなのは自分が弾くことが多い感じになってると思います。でも、完全な体系化をしてるわけではないですし、ライヴの場合は流れとかスイッチングの面もありつつやっていくので、必ずしも決まったかたちになっているわけではないですね。まぁ、なんにしても一番得意なことを一番得意な人がやるっていうのはやっぱりありますよ。あとは、この曲にはちょっとヴァイオリンの登場場面が少なめだからソロを入れようとかね。いろんな兼ね合いを考えながら決めてるわけです。