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INTERVIEW

QUADRATUM From Unlucky Morpheus

2021.01.27UPDATE

2021年02月号掲載

QUADRATUM From Unlucky Morpheus

Member:仁耶(Gt) 小川 洋行(Ba) FUMIYA(Dr) Jill(Vn)

Interviewer:荒金 良介

"あんきも"ことUnlucky Morpheusの楽器隊4人によるプロジェクト、QUADRATUM From Unlucky Morpheusが初のインスト・カバー作『Loud Playing Workshop』をリリース! 仁耶、小川洋行、FUMIYA、Jillというテクニカル集団が往年のメタル・インストに真正面から取り組んだ今作は、聴くだけで手に汗を握るものから、情景が脳裏に浮かぶものまで多彩なアプローチで聴かせてくれる。とりわけギターとヴァイオリンのツイン・リードで攻めまくる音像は凄まじい限り。Yngwie Malmsteen、DREAM THEATER、MICHAEL SCHENKER GROUP、Tony MacAlpine、RACER X、VAN HALEN、Steve Vai、IMPELLITTERIらの名演奏に新たな息吹を吹き込んだ内容は必聴だ。

-そもそもカバー作を出すアイディアはいつ頃から?

小川:2019年頃ですかね。インストにするかどうかを決めたのは去年です。

仁耶:歌モノとインストの両方をやりたい気持ちがあり、実は歌モノを1曲レコーディングしたんですけど、先に実現したのが今回のインスト作だったんですよ。

小川:ただ、カバーって権利関係が大変なことを思い知らされて......。次があるかどうかはわからないんですよね(笑)。曲によって、いろんな制約もあるので。

仁耶:そのへんの話はあまり使えないので、あまり掘り下げないほうがいいかも(笑)。

小川:シンコーミュージック・エンタテイメントの方にも助けてもらいました。僕らは事務所に所属してないし、主にフッキー(Unlucky MorpheusのFuki/Vo)がやってたんですけど......。

FUMIYA:もうやりたくないと言ってましたからね(笑)。

-今作の話に戻しますが、インスト・カバーはどういう話し合いの中で生まれてきたんですか?

仁耶:自然発生的にカバーをやりたいなと。

小川:あと、紫煉(Unlucky Morpheus/Gt/Scream)の腕のこともあって。まだ完治してませんから、この4人の楽器隊だけで何かを出すのは面白いかもねという。

-実際に動き始めるきっかけとなったのは?

小川:コロナの影響で、計画は2~3ヶ月前倒しになったんですよ。

仁耶:ライヴができないから、作品をいっぱい作ろうとなったんです。今回はこのメンバー4人で制作に入り、別で紫煉さんが次のオリジナル・アルバムに向けて曲を作る。二手に分かれて、効率的に進めていこうと。

小川:カバーは絶対的な答えがあるわけで、特に紫煉のディレクションも必要ないので。

-今作の選曲はわりと誰もが知るメタルの有名インスト曲ばかりです。もうメタルおじさんホイホイみたいな内容になりましたね。

一同:ははははは(笑)。

-みなさんの世代からすると、当然リアルタイムの楽曲は少ないわけで。

小川:そうですね、リアルタイムは1曲もないですね。

-RACER Xの「Technical Difficulties」とDREAM THEATERの「The Dance of Eternity」は99年発表なので、今作の中では一番新しい曲になります。

小川:その頃も小学生ですからね。

FUMIYA:俺は中学生だ。

仁耶:小学生になってないかも(笑)。リアルタイムではないけど、僕がギターを始めた頃はこういうギタリストを聴いて育ちましたからね。だから、リアルタイムかどうかはさほど問題ではないんですよ。自分たちの中にあったものですからね。

小川:特にギタリストにとっては教科書的な曲ばかりだから。でも、俺は半分ぐらいわからなかった。Jillさん知ってた?

Jill:DREAM THEATERの「The Dance of Eternity」、Yngwie Malmsteenの「Far Beyond The Sun」の2曲は知っていたけど、他の曲は知りませんでしたね。

FUMIYA:僕は一番ラッキーで、青春時代にほぼカバーしてたんですよ。Tony MacAlpine、Joey Tafolla(GRAHAM BONNET BAND etc.)、CACOPHONYとか、"Shrapnel Records"系のギタリストは大好きで買い漁ってましたからね。

-マジですか!

FUMIYA:ガチガチのメタル・キッズだったから、日常的にコピーしていた曲なので、今回は楽でした。青春時代の思い出を回収できたなと。北海道のど田舎に住んでいたから、掘り下げる熱量が高かったんですよ。今作はあんきものファンが通ってない曲が多いだろうから、僕らがやることで広まってくれたらいいなと思います。

小川:選曲は大変でしたけど、いろんな人たちから有名な曲を選ぼうとはしました。

-有名曲が大半ですけど、そうじゃない曲も含まれてますよね。

FUMIYA:Tony MacAlpine(「Hundreds Of Thousands」)ですかね? 意外とメンバーが通ってないことにビックリしたんですよ。

小川:IMPELLITTERIは、存在は知っているけど、曲は知らなかったですね。RACER Xの「Scarified」はMI(MI TOKYO)で教えているんですけど、生徒たちが未だに練習で弾いてますから。Paul Gilbert(Gt)は時代を超えるなって。

仁耶:紫煉さんが半分以上やる曲を確定して、"他の曲はどうしよう?"と相談されて。

-紫煉さんの選曲の意図は聞きました?

小川:おそらく有名なものを基準にして、なるべくアーティストが被らないようにしようとしたのかと。

-Jillさんは主に原曲を聴く作業から始めて?

Jill:はい。「Eruption」は紫煉さんに"ヴァイオリン1本でやれる?"と聞かれて、マジか、これヴァイオリンでやれるかなって。でも、かっこいい曲だなと思いました。どの曲も良かったので、ヴァイオリンで弾けたら楽しいだろうなという。「Scarified」や「Technical Difficulties」はすぐにヴァイオリンでできそうだなって。IMPELLITTERI(「17th Century Chicken Pickin'」)はひたすら速いので、どれだけ指が動くかなという。

小川:今回はヴァイオリンのための作品になりましたね(笑)。

-ええ、予想以上にヴァイオリンをフィーチャーした内容で驚きました。

小川:紫煉さんが普通にギターでやっても面白くないし、ほぼヴァイオリンでやってみました的なノリのほうが、みんなが興味を示してくれるだろうと。結果、良かったと思います。Jillさんのための作品になりました。

Jill:違うよ!

FUMIYA:いや、そうでしょ。

一同:ははははは(笑)。

仁耶:うん、8~9割はヴァイオリンだから。

FUMIYA:うちらしくギターとヴァイオリンのツインでやろうと。