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INTERVIEW

DEVILOOF

2024.01.24UPDATE

DEVILOOF

Member:桂佑(Vo) Ray(7strings/Vo) 愛朔(7strings) 太輝(Ba) 幹太(Dr)

Interviewer:杉江 由紀

弱肉強食が自然の摂理であるとしても、人間社会には弱者に寄り添おうとする美徳を持った人たちがいる。社会の分断が進みゆくなかだからこそ、弱者の声を無視することができない現実もあるだろう。DEVILOOFにとってメジャー進出第2弾音源となるEP『Song For The Weak.』は、弱者の存在を踏まえたうえで発信される反骨精神とロック・スピリッツの詰まった、最高にラウドでいてキャッチーな作品。2月11日のワンマン"SONG FOR THE WEAK"を経て、5月からは南米ツアー("Latin America Tour 2024")にも臨もうとしているDEVILOOFが、熱い音をもって描こうとする赤裸々な"弱者のための歌"は、今を生きる人々の心を大いに鼓舞してくれるものになっているはずだ。

-DEVILOOFにとってメジャー進出第2弾音源となるEP『Song For The Weak.』がこのたび完成したわけですけれど、今作は前作(2023年リリースのメジャー・デビューEP『DAMNED』)ともまた趣の異なる内容に仕上がっている印象です。そもそも、DEVILOOFとしてはこのタイミングで打つ新たな一手をどのようなものにしたい、と考えていらしたのでしょう。

桂佑:純粋に、今のDEVILOOFがやりたいことを形にしたいと思ってましたね。

-ちなみに、プレス向けの資料には"ロックンロール本来の意味"を軸に置きながら作られたものである、という記述があります。つまり、何かそこに思い至るようなきっかけが今作の制作にあたっては存在した、ということになるのでしょうか。

桂佑:これはあくまでも個人の感想なんですけど、最近の日本のロックと呼ばれとる音楽ってどれも芸術性がすごく高いなと思うんですよ。素晴らしい音楽がたくさん世の中に溢れてるなとは感じるんですけど、精神的な部分ではロックしてるバンドって意外といないんじゃないか? って、あるときちょっと思っちゃったんです。

太輝:(※無言で何度も深く頷く)

桂佑:いやでも、別にこれはディスとかではないんですよ。本来ロックってもっと反骨精神むき出しの音楽なんじゃねぇか? と個人的に思ってます、っていうだけの話なんで。そういう、熱くてロック本来の原点に立ち返ったような音楽をDEVILOOFでやりたい! という気持ちが、今回のEPの中で言うと「Song For The Weak.」では特に強く反映されたものになったってことですね。

-なるほど、そういうことだったのですね。今回の表題曲となっている「Song For The Weak.」はメタルコアの領域を超越するかのような音像が特徴的で、より大きな枠組みであるラウドロックに類するものとして聴くことができたところがあります。もちろん、DEVILOOFはV系ヘヴィ・ミュージック・バンドとしての強い個性を確立してきた存在ですが、今作では守備範囲をさらに広げたことになりそうですね。

桂佑:解釈としてはそれで合ってると思います。

-なお、先ほど桂佑さんは"これはディスとかではない"と発言されていましたが......この英詞で書かれた「Song For The Weak.」の内容を日本語訳すると、実はかなりストレートにディスっていらっしゃいますよね??

桂佑:すいません、さっきはつい角が立たないように嘘ついちゃいました(笑)。ほんとはディスってます!

-英語をネイティヴに扱えない日本人が大多数である事実を踏まえて、桂佑さんはそこを逆手に取って"書きたいことを書きたいように"英詞にされたのですね。これが日本語そのままであったなら、おそらくメジャーからは出せていなかったかもしれません。

桂佑:だと思います。英語って便利ですね(笑)。

-各楽器隊メンバーは、この「Song For The Weak.」で反骨精神やロック感を打ち出したいという桂佑さんの意向をどのように受け止められたのでしょうか。先ほど、何度も深く頷いていらした太輝さんとしてはいかがでした?

太輝:桂佑君の言ってるロックに対する精神、みたいなものについては僕も同意でした。それと同時に今回のEPでは、ライヴのときにもっとフロアのお客さんたちがノリやすかったり盛り上がれる曲をDEVILOOFとして提示したい、っていう欲求も高まってたところがありますね。その点は、去年「Everything is all lies」をデジタル・シングルとして発表した時点から意識してたことでもありました。

Ray:僕もそのへんの感覚は(太輝と)一緒ですね。

幹太:僕はドラムをつけただけなんで、詳しいテーマについては今初めて話を聞いたんですけど、桂佑君の言葉からは"熱いものを持ってるなぁ"と感じました。まぁ、たしかにドラマーとしての観点から言っても今回の「Song For The Weak.」は曲がすごくキャッチーだし、展開とかもうちの他の曲たちと比べたらずいぶんとシンプルなので、演奏しやすいというか自分自身もライヴで楽しみながらやれるだろうな、という感覚は作りながら持っていたところがあります。実際この間、"DEVIFEST 2024"のときに初めてライヴでやってみたら、この曲は異常なくらい楽しかったです(笑)。

-いわゆるキャッチーな曲とは違う気もしつつ、DEVILOOF基準で行けば「Song For The Weak.」は当社比でのキャッチー度200パーセント・アップといったところでしょうか(笑)。

桂佑:まさにそうなんですよ。

幹太:メタルコア好きの人たちだけじゃなく、ラウドなロックが好きな人たち全体を視野に入れながら作れた曲であるのは確かですね。

愛朔:いろんな意味で、DEVILOOFとしての新しい一面を見せることができたのが今回の「Song For The Weak.」だと思います。

-では、レコーディングの段階でみなさんが「Song For The Weak.」を仕上げていく際にこだわられたのはどのようなことだったのかも教えてください。

幹太:ドラムはMIDI入力で作ってて、自分でフレーズをつけてった感じなんですけど、過去作がどれも自分節を炸裂させたものが多かったのに対して、この曲に関しては桂佑さんが送ってきてくれたもとのリズム・データをほぼそのまんま採用してます。桂佑さんが目指してる"ノリやすくキャッチーにしたい"っていう方向性を生かしたかったんで、自分の我を出すことはあえてせず、シンプルな造りになるように徹しました。

太輝:前作のEP『DAMNED』は、曲ごとに見たら結構ジャンル的には統一されてなくて、わりといろんなタイプの曲が揃ってたと思うんですよ。今回も曲ごとにそれぞれのカラーはありつつ、全体的に見ると聴き手側、もしくは作曲者がどう捉えるかは別として、僕はニューメタルの要素が強くなってるかなという印象があったんですね。だから、レコーディングの前にはROB ZOMBIEとかMARILYN MANSONとかの、今まであまり通ってきてなかったああいう系統のものを研究のために聴いてみました。"こういう人たちはどういうベースラインを弾いてるんだろう?"っていうのが気になったんです。

-聴いてみて、どのようなことを感じられました?

太輝:新鮮でしたね。良くも悪くもほんまにシンプルで、だいたいルートに徹してるみたいな。その点、これまでのDEVILOOFは激しく動くようなベースラインの曲ばっかりでしたから、思い切って今回の「Song For The Weak.」では教科書通りといいますか、ルートで弾くか、もしくはギターのリフに追従していく、っていうベースラインを弾いてくことに決めました。