INTERVIEW
DEVILOOF
2017.11.13UPDATE
2017年11月号掲載
Member:KEISUKE(Vo) Ray(7Strings Gt/Vo) Daiki(Ba) Hiroto(Dr)
Interviewer:KAORU
関西のヴィジュアル系バンド DEVILOOF。前作『PURGE』をリリースした直後にメンバーの脱退などがあり、活動休止状態だったという。そして、新メンバーにRayを迎え、最新作『Devil's Proof』を引っ提げて"再始動"を大々的に宣言。今回のインタビューでは、作品にまつわることはもちろん、音楽的な背景、V系シーンで活動しているからこそメンバーが感じていることなど、興味深いエピソードを存分に語ってくれた。
-前回のインタビューが去年の8月でしたので、約1年ぶりのインタビューとなりますが、"再始動"にあたって、まずはこの1年の活動を振り返ってみて、どんな年でしたか? いろいろあったようですが......。
KEISUKE:いろいろありましたねぇ......いろいろありすぎて、いろいろでしたねぇ......。
-前作の『PURGE』(2016年リリースの1stミニ・アルバム)がリリースされてから、SNSでDaikiさんは"ここまでデスコア、ブルデスを徹底したCDが売れたのは初めてだったんじゃないかな?"とつぶやいていましたし、確実な手応えがあったようですね。ライヴで実感することもあったのでしょうか?
Daiki:『PURGE』がリリースされてからは、竜弥の脱退ライヴ(※2016年10月にアメリカ村DROPで開催した"1st ONE MAN SHOW[The faethest]")があって、そこからほぼ1年はギターがひとりいない状態だったので、ほとんど活動休止と言っても過言ではない状況だったんですね。5月3日にDIAURAさんの主催ライヴ(※目黒鹿鳴館で開催された"Ains PRESENTS DIAURA2017 First Incident「狂騒」")に出させてもらって、そこからは完全に活動が止まっちゃったので、ライヴをやったっていう感触があまりなかったんですよ。
-本数は少なかったにしても、DEVILOOFのライヴはかなりハーコーノリがあると聞きましたし、SNSを見ていても、男性ファンが多いイメージですね。
Daiki:そうですね。去年のワンマン・ライヴも、7割くらいは男性のファンでしたね。
-Rayさんは、いつごろからサポート・ギタリストとして参加していたのでしょうか?
Ray:去年の11月ですね。竜弥君の脱退ワンマンの次のライヴから参加してました。
-9月3日にVictim of Deception主催の"SUMMER OF DECEPTION FEST 2017"に出演されたそうですが、LOYAL TO THE GRAVEや錚々たるハードコア・バンドがメインのイベントでライヴをやってみて、いかがでしたか?
KEISUKE:僕らの音楽性的には、"SUMMER OF DECEPTION"的な客層は合ってるなと思いましたね。
Daiki:シークレットで出させてもらったんですけど、僕らは男のお客さんが多いので、いわゆる他ジャンルのお客さんのいるイベントの方がノってくれるというか、ノリやすいのかな。僕らって、最近の作品まではメロディのない曲が多かったので、いわゆるバンギャと呼ばれる人たちよりも、"SUMMER OF DECEPTION"に来ているお客さんたちの方が、DEVILOOFのような音楽性に(もともと)理解はあったのかなというか。だから、アウェー感とかはなかったです。
-V系で出演したのはDIMLIMとDEVILOOFのみでしたよね? DIMLIMのライヴも盛り上がっていましたか?
Daiki:はい、盛り上がってましたね。
-最近はお客さんが男性でも"V系だから"っていう偏見があまりないというか、どんどん薄くなってきているような印象がありますね。
Daiki:そうそう、そうなんですよね。
-女の子のお客さんも過激なハーコーノリやウォール・オブ・デスをしたりするんですか?
Ray:大阪の方のお客さんはありますね。東京、名古屋、大阪で比べると、大阪のヴィジュアル系のお客さんは特にそういうノリがあるんですよ。
-それでは、DEVILOOFの再始動について詳しくお訊きしていく前に、みなさんそれぞれどんな音楽を聴いてきたのかをおさらいしておきたいのですが、前回のインタビューでは、DaikiさんがGAMMA RAY、HELLOWEEN、BUCK-TICK、X JAPAN、摩天楼オペラ、GALNERYUS。Hirotoさんが、SLIPKNOTとX JAPAN。今日この場にはいらっしゃいませんが、Seiyaさんが、V系だとthe GazettE、ナイトメア。メタル系はASKING ALEXANDRIA、WHITECHAPEL、CHELSEA GRIN、BETRAYING THE MARTYRSなど、メタルコアやデスコア系とお答えいただきました。Rayさんはどんな音楽を聴いてきたのでしょうか?
Ray:バンドだと、X JAPANとかDIR EN GREYですかね。ギタリストだと、Ledaさん(Far East Dizain)とか、藤岡幹大さんとか。海外だと、Chris Impellitteri(IMPELLITTERI/ANIMETAL USA)、George Lynch(DOKKEN/T&Nなど)、Steve Vaiとかが好きです。
-かなりメタラーですね。しかも、かなり渋いところを突いてますけど、まだお若いですよね?
Ray:いま21歳です。年齢公表してるんで(笑)。
Daiki:出身地まで書いてあるからな(笑)。
-その若さで、なぜChris Impellitteriなどを聴くようになったんですか?
Ray:親族にメタル好きな人が多かったんですよ。それで、Chris ImpellitteriとかLOUDNESSとかを聴かされてっていう感じですね。
-なるほど。KEISUKEさんは"初めて聴いたデスコアがDESPISED ICONの「Furtive Monologue」"とのことでしたが、もう少し遡るとどんな音楽を聴いてきたんですか?
KEISUKE:もともとは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONとか。
-意外ですね(笑)。
KEISUKE:初めて行ったライヴはELLEGARDENです。結構ミーハーなんで、流行っているものは聴いてて。BLANKEY JET CITYとかTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTとかも聴いてたんですけど、平行して、the GazettEとかも流行ってたのでV系にも足を踏み入れてました。そのころに着うた系のサイトに登録してたんですけど、そこでSLIPKNOTの「Wait And Bleed」がピックアップされてて、そこから重い音楽を聴き始めたんです。しばらくSLIPKNOTで止まってたんですけど、僕は出身が香川県で、そこから大阪に来たんですね。そこで友達がたくさんできて、ニューメタル系の音楽を紹介してもらったんです。DOPEとかSTATIC-Xとか。
-最高ですね。
KEISUKE:そうですか(笑)? ASKING ALEXANDRIAとか、AS I LAY DYINGとか。そのへんをさらっと聴いとって、そこからメタルコアに入りだしました。そのときはメロディがないと聴けなかったんですけど、途中からメロなしの激しいのが聴きたいなと思って調べ始めて、デスコアとかデスメタルとかをYouTubeで観たり、友達に教えてもらったりっていう感じでしたね。
-とてもいいキッズ感覚があるんですね。前回のインタビューでは回答がなかったので、あんまり言いたくないのかな? と思ってたんですよ。
KEISUKE:あぁ、そうでしたっけ?
-V系バンドの音楽的なバックグラウンドというのは、メディアもあまり深く訊いているものは見掛けないですし、ちょっと謎な印象なんですよね。もしかしたら、音楽のバックグラウンドを言ってしまうと、"○○からパクった"とか言われてしまいがちなのかな?("リファレンス=パクり"と捉えてしまうオリジナリティ信仰みたいなものが強いのか?)とも思ったのですが、実際どうなんでしょうか?
Daiki:あぁ、たしかにあるな(笑)。
KEISUKE:あぁ~、そうかもしんないっすね。それなら、どれからパクったのかわかんないくらい、いっぱいバンド名を書いておけばいいっていう(笑)。
-DaikiさんとHirotoさんは、最近どんな音楽を聴いていますか?
Daiki:最近はスウェーデンのSABATONとか。あとは、自分がV系バンドをやり始めたので、V系を聴くようになりましたね。ライヴを観てかっこいいと思ったのはRAZORさんです。最近先輩方のライヴを観させていただくことが多いんですが、すごくかっこいいなと思いました。
Hiroto:最近ですか? あんまり音楽聴いてないっすね(笑)。
-ドラムの練習ばっかりですか?
Hiroto:そうですね。リズムがある音楽とか聴くんすけど。ラップとかEDM系のものとか。デスコアも聴いてはいるんですけど、みんなそんなにオタクみたいに聴いてるわけではないですよ(笑)。
-でも、EDMのドロップとメタルコアのブレイクダウンとか、構成としては似ているところもありませんか?
Hiroto:あぁ、たしかにそうっすね。
-例えばヒップホップやEDMだと、どんなものを聴くんですか?
Hiroto:日本語ラップですね。うーん、有名どころだと、呂布カルマとか、WISEとか、T-PablowのいるBAD HOPとか。
-『Mobb Life』は聴きました? 最高じゃなかったです?
Hiroto:そうっすね。T-Pablowは同い年なんですよね。
-若い......。ラップ・バトルも観たりしてるんですか?
Hiroto:最初のあたりは観てたんですけど、あんまり興味ないですね。EDMとかはずっと流して聴いてる感じです。
-ヒップホップやEDMのリズム的なところが、ドラマーとして面白いなと感じる部分があるんでしょうか。
Hiroto:そうですね。ここでこれ入れてくるか! とか、この人は遅いテンポのビートなのにずっと16分(音符)で歌ってるなーとか。
-KEISUKEさんとRayさんは最近どういう音楽を聴いてますか?
KEISUKE:最近はニューヨーク・ブルデスみたいなものですかね。ブルデスのサブ・ジャンル的な感じで、ハードコアの要素が混じってるんですけど、DEHUMANIZEとか。そんなに新しくないんですけど、スラミング・デスのおおもとになったようなものを聴いてます。
Ray:僕は今でもギタリストばっかりですね。バンドでいうと、THY ART IS MURDERとか、WHITECHAPELとか。もともとV系でバンドをやってたんで、こういうジャンルは最近聴くようになりました。
-DEVILOOFのような音楽性のバンドは初めてだったんですね。ギタリストとして今までにない難しさを感じたりもしましたか?
Ray:そうですね。今まで自分ができてなかったことがわかる瞬間が、めちゃ多くなりましたね。
-DEVILOOFの再始動にあたって、まずはバンド・ロゴが一新されたじゃないですか。江川敏弘さんといえば、"デスメタルのバンド・ロゴにこの人あり"というほど有名なデザイナーさんですし、かなり憧れがあったのでは?
Daiki:そうですね。DEVILOOFの前身になるバンドで僕とHirotoが初めて会った日に、"いつか江川敏弘さんにバンド・ロゴを作ってもらいたいな"っていう話をしてて。でも、めちゃくちゃ人気な方なので、1回目のオファーは断られたんです。そして2回目にオファーをしても返事が来ず。それで、アルバムをリリースした昨年末ごろに、試しに(Twitterを)フォローしてみたんですけど、たまたまフォローを返していただいたので、そこからやり取りをしてみて、"やりますよ"と言ってくれて。
-とてもかっこいいロゴですね、Hirotoさんも嬉しかったのでは?
Hiroto:そうですね。江川敏弘さんは若いころから好きで、江川さんの絵を見に行ったりもしていたので、嬉しかったです。