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INTERVIEW

DEVILOOF

2017.11.13UPDATE

2017年11月号掲載

DEVILOOF

Member:KEISUKE(Vo) Ray(7Strings Gt/Vo) Daiki(Ba) Hiroto(Dr)

Interviewer:KAORU

-それでは、11月15日にリリースされる1stフル・アルバム『Devil's Proof』についてお訊きしていきますね。アルバム・タイトルは、バンド名のもとでもある"悪魔の証明"を冠したセルフ・タイトルと言えますよね? まずは、"悪魔の証明"というテーマに惹かれた理由、そして"DEVILOOF"というバンド名の由来を教えていただけますか?

Daiki:もとを辿ると、デスコアとかこういうジャンルって、メインストリームとは離れた音楽じゃないですか。だから、"わかる人にだけ届けたいな"という想いがありまして。ちょっとツッパってはいるんですけど(笑)。"Devil's Proof"っていうのは、翻訳すると、新約聖書でサタンがキリストに"絶対に証明できないもの"を投げ掛けていて、これって結局、常人には理解できないもので。僕らがやっていくのも、そういうものをルーツにしたいなと思ったんです。でも、"Devil's Proof"のままだと長すぎるので、"Devil's"と"Proof"をガッチャンと合体させてDEVILOOFっていう名前にしました。

-"悪魔の証明=無知に訴える論証"ということですよね。合体させたというセンスもいいですし、初めて知ったときからかっこいい名前だなと思いました。

Daiki:ありがとうございます(笑)。

-10月1日に「ESCAPE」のMVが公開されましたが、音楽性も映像も前作とはかなり趣が違っていて、エクストリームでありながら、いい意味でアンダーグラウンドからオーバーグラウンドになったような。

KEISUKE:あぁ、そうですね。

-スケール感が大きくなったというか。先ほどおっしゃっていたような"わかる人にだけわかればいい"というマインドではなく、今回はさらに多くの人に聴かれることを意識した、ということもありましたか?

Daiki:今回に関してはそうでしたね。『PURGE』でかなりやり尽くした感はあったので(笑)。

-『PURGE』はデスコアに特化していましたが、『Devil's Proof』はデスコアか? というと、あまりピンとこなくて、どちらかというとエクストリーム・メタルに近いような気がするのですが。

KEISUKE:あぁ、たしかにそうですね。

-KEISUKEさんはジャンルの線引きにはうるさい方だと、前回のインタビューでおっしゃってましたよね(笑)。

KEISUKE:はい(笑)。僕個人的にも「ESCAPE」を聴いて"デスコアじゃねぇな"っていうのは思います。まぁ、デスコアっぽい曲もアルバムにあるんですけどね。次回発表するMVの曲も全然違う感じですし。

-「M.F.JAP」ですね。この曲については後ほど掘り下げさせていただきます。今はデスコアってどうしてもマニアックなジャンルで、例えばBRING ME THE HORIZONもスタジアム・ロックの方向性に行ったじゃないですか。

KEISUKE:あぁ、そうですね。

-それもまたいい作品でしたし、それに似た理想的な進化だなと思いました。音質も聴きやすくなっていて、海外勢と遜色のないハイファイでクリアな音像で。『PURGE』のような、ドロっとした濁りのようなものがなくなっていますよね。

KEISUKE:そこは、音質が良くなったというより、『PURGE』はあえて音質を悪く仕上げたものだったんですよ。おどろおどろしくして。

-あれは意図的な音像だったんですね。『Devil's Proof』の音質は、ミックス・エンジニアを手掛けた元ギルガメッシュのЯyo(Dr)さんが大きく寄与していることと思いますが、なぜЯyoさんにオファーをしたのか、その理由や経緯を教えてください。

Daiki:そもそものきっかけが、DEZERTさんの「変態」という曲をたまたまYouTubeで見たんですけど、"めちゃめちゃ音いいな! 誰がミックスしたんやろ?"って調べたらЯyoさんで。それでオファーをして、こういうふうに仕上げてくださいとお願いしたんです。DEZERTさんとは音楽性も全然違うんですけどね。

-ドラムの音色もЯyoさんが決めたそうですが、Hirotoさんとしては満足してますか?

Hiroto:この作品の音には合ってると思います。ライヴでどんどんアレンジしていくので、楽しみにしててほしいですね。

-今回のチューニングは?

KEISUKE:『PURGE』と同じくドロップAですね。今はDjent系だと、もっと低いバンドもあったりするんですけど。

-ドロップAチューニングといえば、例えばどういうバンドがいるんですか?

KEISUKE:SUICIDE SILENCEとか。デスコア系はドロップAが多いですかね。

-今日はメイン・コンポーザーのSeiyaさんが欠席されてますが、前回のインタビューでDEVILOOFの曲作りの基本工程は、Seiyaさんがヴォーカル以外のパートをすべて作ってKEISUKEさんに送り、必要があれば編曲して、必要なければそのままヴォーカル・ラインを入れて送り返す、そしてそれをメンバーとスタジオで合わせながら微調整していくといった流れとのことでしたが、『Devil's Proof』の制作において、この工程に変化はありましたか?

KEISUKE:基本的な工程はそんな感じで変わってないですね。

-最初にできたのはどの曲ですか?

KEISUKE:「ESCAPE」かな。ただ、『PURGE』よりも前に作っていた曲があって、「Lover」と「EGOIST」と「HERO=MURDER」はもともとあったんです。

Daiki:この3曲は始動前にできていたので、始動ライヴ(2015年12月にアメリカ村DROPで開催した"The Birthday Eve:3Man Live~Departure~Deviloof×D.I.D.×By:ARLANT")でも演奏したんですよ。『PURGE』はデスコアに特化してやろうとしてたので、そのときは入れなかったんですけど、もっと聴きやすいこういう曲も、もともとあったんですよね。

-そうだったんですか。『PURGE』も凄まじく衝撃的でしたが、『Devil's Proof』はもっとバラエティに富んでいて、全体的なクオリティも高くて。聴かせていただいて感じたことは、まず、最近のV系バンドの多くは、音楽的なリファレンスがV系の中にしかないのかな? と思うことが多かったんですね。若いバンドは特になんですけど。

KEISUKE:あぁ~、なるほどなるほど。

-こういう音楽ジャンルというのは、ある程度体系的に聴いていかないと、核となる部分や醍醐味を理解できなかったりするじゃないですか。V系は折衷性で成り立っているジャンルですが、それにしてもラウドロックとしては弱いというか、肝心な部分が抜け落ちているように感じることも多いんです。そういう最近のV系ラウドにありがちなことを踏まえながら、この『Devil's Proof』を聴くと、ラウドロック、エクストリームなメタルの核を理解しているからこその魅力と醍醐味がちゃんとあって。そこにさらにV系的な要素が加わっていることで、より新鮮で完成度の高いエクストリーム・メタルを提示した作品だなと感じたんです。

KEISUKE:あぁ、それはとても嬉しいです。