－「ESCAPE」のMVを観ると、Hirotoさんのドラムは「Ruin」（『PURGE』収録曲）のころとセットから変わってますよね。

Hiroto：そうですね、あれは普通にメタル！ っていう感じのセットで。あんま好きな感じでもないんですけど（笑）。なんとなく見栄えというか。

KEISUKE&Ray&Daiki：（爆笑）

－ご自分で決めたんじゃないんですか（笑）？

KEISUKE：めんどくさい奴やな（笑）。

Hiroto：自分で決めましたよ（笑）。そのときはこのセットがいいなって思ったんです。本当はラック2段積みの複雑なセットとかにもできるんですけど、そういう感じの曲じゃなかったので。

－シンバルが水平ですよね。

Hiroto：それは昔からそうですね。叩いたときに一番音が鳴りやすいので。斜めだとスティックが入る角度と同じになるので、バイーン！！ って鳴らないんですよ。

KEISUKE：アタック？

Hiroto：そうそう。端っこのエッジのところでバシン！ て叩かないと鳴らへんから。

－そういうところからもブレイクダウンの殺傷能力が出てくるんですかね。

Hiroto：そうっすね。海外の人だと、シンバルが逆に向こう側（※手前ではなく外側）に向いてる人とかもいるんですよ。CRYPTOPSYとか。アタックを強くするために。

－ドラム歴は何年くらいになるんですか？

Hiroto：10年くらいですね。中学に入るか入らんかくらいのときに。ずっとひとりでやってました。

－ひとりで？ 座布団叩いてとかそういう感じですか？

Hiroto：あ、そんな感じっすね（笑）。

－バンドで叩き始めたのは？

Hiroto：14歳くらいのときで、学校で友達を集めて、"お前はこれ、お前はこの楽器な"って自分で決めてやりましたね。

KEISUKE：ガキ大将じゃないっすか（笑）。

Daiki：そんで全員クビにしてな（笑）。

Hiroto：ベースは持ってたんでメンバーに貸して、お前はギター買えって（笑）。そんなことをやってましたね。

－どんな曲をやってたんですか？

Hiroto：X JAPANとか。

－すごいですね。あの16分のツーバスとかも叩けたんですか？

Hiroto：いや、それはもうレベルの低い（笑）。当時の自分たちではやれてるつもりみたいな。でもドラムは最初からツイン・ペダルだったんで、それなりにやれてました。それしか興味なかったんで。

V系に限らず、僕が見てきたバンドマンは怠惰じゃない奴の方が少ねぇなって

－曲のテーマの話に戻りますが、「怠惰の罪」はV系ならではのことが書かれているようにも思えたのですが、いかがでしょうか？

KEISUKE：そうですね。日本語のタイトルになってるっていうところもありますし。

－今のV系で活動していて、怠惰だなと感じることというと、例えば？

KEISUKE：まぁ、V系に限らず、僕が見てきたバンドマンは怠惰じゃない奴の方が少ねぇなっていう。みんなクソですからね（笑）。

Ray&Daiki&Hiroto：（笑）

－みなさんはストイックなんですか？

KEISUKE：自分でストイックにやってるつもりはないんですけど、周りのバンドマンに比べたらストイックな方に入るんかな。バンドマンが怠惰すぎて、ちょっと練習しただけでストイックに見えちゃうというか。

－怠惰な部分というのは他にもあるのでは？

Hiroto：貢ぎ文化とか（笑）？

－そういうのは90年代のころからあったようですけどね。ただそれがネットの発達によって可視化され、目的化されるようになった側面もあるのかもしれませんが......ただ、不文律がやたらと多くなってますよね。単純にチケットの値段の相場が高くなってるとか、その値段と実力が伴ってないバンドもいるとか、戦略的な囲い込みというんでしょうか、ちょっとバンギャルちゃんがかわいそうに思えてしまうこともあるんですよ。バンギャルちゃんって、とても熱心にインタビューを読んでくれて、メンバーのひと言ひと言を真摯に受け止めている印象がありますし、音楽リスナーとしてのポテンシャルは一番と言っていいほど高い気がしていまして。

KEISUKE：そうですね。たしかに、リスナーとしては一流だと思います。

－V系を聴くということは、ラウド、メタル、EDM、ポップなど、いろんな音楽を聴いていることになりますしね。みなさんは今のV系シーンを見て、どう思われますか？

Hiroto：まぁ、考え方とかが狭いし、もっと視野を広げて面白い発想をすればいいのにな、とは思います。だから、新しいマーケティングとかをを考えるとかしてみたらいいん じゃないかな？ とか。

－Rayさんはどう思いますか？

Ray：......誰を信じていいのかわからない......。

KEISUKE：ここにきて人間不信になっとる（笑）。

－もちろん話せる範囲だけで結構ですが、例えばどういうことがあったんですか？

Daiki：言ってしまえ（笑）。

Ray：前やってたバンドのメンバーに、いろいろ相談してたりしたことが、知らんところに漏れてたりとか、いろいろと......。

－それってV系特有のことなんでしょうか？

KEISUKE：いや、バンドマン全体じゃないですか？

Ray：まぁでも、それでもなおさらっていう感じで。V系はそういう傾向が強いんだと思います。

KEISUKE：陰湿なんですよね。