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INTERVIEW

DEVILOOF

2017.11.13UPDATE

2017年11月号掲載

DEVILOOF

Member:KEISUKE(Vo) Ray(7Strings Gt/Vo) Daiki(Ba) Hiroto(Dr)

Interviewer:KAORU

-先ほど、どんな音楽を聴いているかをお訊きしましたが、やはりたくさん聴いていらっしゃるじゃないですか。いち音楽好きというリスナー心、キッズ心がないと、こういう作品にはならないんじゃないかな? とも思いました。

KEISUKE:そうですね。まぁ、今もアーティストではありますけど、ずっとリスナーであり続けるのかなぁとは思います。

-それでは歌詞についてお訊きしていきますね。全体を通して、『PURGE』のときよりも、より批評性が高いというか、『Devil's Proof』は、もっと視野が外に向かっているような印象を受けました。例えば、最近の世界情勢だったり戦争であったり、そういう社会の事象が作品の歌詞の方向性に影響を与えたと言えると思いますか?

KEISUKE:いや、そこらへんの世界情勢とかは疎いんで、そこまでは(笑)。

-そのあたりはあまり意識していなかったんですね。ただ、ムードとして同時代性を落とし込む、ということは考えました?

KEISUKE:あぁ~、そういうのはちょっとあるかもしれないですね。

-歌詞を書くにあたって、何かコンセプトやテーマはあったんですか?

KEISUKE:うーん、基本的には"絶対にこうだ!"っていう歌詞はなくて。相対的......なんですかね。問い掛ける感じなのかな。聴いてる人たちに対して、"何をもって悪とするのか? 何をもって正義とするのか?"っていうことをダーっと書いているんですけど、結局は、自分の意見をまったく言ってないんですよ。

-それはとても強く感じました。KEISUKEさん自身、価値相対主義的な思想が強いんですか?

KEISUKE:あぁ、そうですね。僕の中でも、"それは「絶対的に」とは言えないんじゃないか?"みたいな気持ちがありました。

-全体を通して俯瞰的ではありつつ、KEISUKEさんの中でテーマ性を持たせた歌詞というのは?

KEISUKE:自分の中ですごくちっちゃなことを書いているのが、「M.F.JAP」ですね。

-先ほどおっしゃっていた、11月1日にMVが発表された曲ですね。"マザーファッキン・ジャパニーズ"という(笑)。

KEISUKE:そうですね(笑)。日本人クソや! みたいな。GREEN DAYで言うところの「American Idiot」みたいな感じです。マインド的には。

-あぁ、なるほど。

KEISUKE:日本人だから、日本人をディスっても許されるだろ、と(笑)。

-この曲はとてもびっくりしたんですけど、KEISUKEさんががっつりライミングしながらラップしてますよね。"Pop rock rap/sell out Business talk shit oh shit"というフレーズがありますが、セルアウトしたラッパーへのディスとも言えるのでしょうか?

KEISUKE:ラッパーへのディスっていうことではないんです。このラップっていうのは、ミーハー・ラップというか。もともと僕はヒップホップもかじる程度には聴くんですけど、ヒップホップって、売れ線にいったら"セルアウト"って言われて忌み嫌われるじゃないですか。僕もセルアウトしたヒップホップ・アーティスト、ラッパーがあんまり好きじゃなくて。

-なるほど。逆に好きなラッパーは誰ですか?

KEISUKE:結構コアなんですけど、鬼というラッパーが好きです。

-なんとまた意外というか、渋いですね。漢 a.k.a. GAMIさんはお好きですか?

KEISUKE:あぁ、ああいう人は好きです。面白いですよね。

-Hirotoさんもヒップホップがお好きだとおっしゃってましたがいかがですか?

Hiroto:うーん、9sari group系とかだと、Dutch Montanaが好きっすね。

-Dutch Montanaもかっこいいですよね。先ほど"セルアウト"とおっしゃっていましたけど、ハイプなのかセルアウトなのかわかりづらいことがありませんか? 例えば、KOHHはとても人気がありますけど、セルアウトしてるようには見えないというか。

Hiroto:KOHHはもともとあんな感じですよね。

KEISUKE:あー、なるほど。路線を変えたらセルアウトになっちゃうんかな。AK-69とかももとから変わってないし。

Hiroto:そうそう、AK(-69)ももとからあんな感じやから。般若とかもまだ一緒にやってるし。

-DEVILOOFとしては、あまり路線を変えすぎてセルアウトしたくない、という気持ちが強いんですね。

KEISUKE:僕は、個人的にはそうですね。

Daiki:まぁ、硬派なデスコアの人たちからしたら、俺たちはセルアウトしちゃってるように見えるのかもしれないけどね。

KEISUKE:賛否両論あるかもしれませんね。僕的に『Devil's Proof』は、プログレとかそっちの高次元な要素を入れて、意味のわからん感じにクリーンが入るようなものがやりたかったっていう気持ちがちょっとあったんですよ。でも、それをやっても、リスナーには理解されないんじゃないか? っていう話をDaikiとしたのかな。それで、もっとわかりやすくしようっていうことになって。

-よりアンダーグラウンドな方向にいくのか、オーバーグラウンドに届けるのかという選択を迫られて、オーバーグラウンドに、ということになったのですね。

KEISUKE:そうですね。

-HirotoさんとRayさんは、その方向性に対してすぐに賛同できましたか?

Daiki:微妙やったな(笑)。

Hiroto:うーん、ドラマーとして考えると、全然かなっていうのは思います。僕は曲に組み込まれたようなドラムってあんまり好きじゃなくて、メロディがあるようなドラムが好きやったんですよ。DESTRAGEとかそうじゃないですか。ドラムが歌ってる感じで。

-そうですね。

Hiroto:DREAM THEATERとかもそうだし。だから、僕個人としては思うところはあったけど(笑)。まぁ、バンドとしてやるんやったら、そこに乗っかりますっていう感じなんで、それは僕の中で留めておいて(笑)。

Daiki:最初の話に戻るんですけど、みんな考えてることがバラバラなんですよ(笑)。結成したときからそうでしたしね。

-まとめるのが大変そうですね(笑)。Rayさんは、レコーディングには全曲参加されているんですか?

Ray:「ESCAPE」は弾いてます。他はSeiya(7Strings Gt/Composer)くんのギターですね。歌録りには参加してて、それが「DESTINATION」と、「Return Of The Curse」です。

-「DESTINATION」は特にかっこいいなと思いましたよ。

KEISUKE:おぉ、男くさい曲ですね(笑)。

-男くさいアメリカンな感じで。Daikiさんは、前作ではベースが埋もれがちになるので苦労したとおっしゃっていましたが、今回はどのようなプレイを意識しましたか?

Daiki:今回はギターになぞって弾いてるだけなんですよ。完全なユニゾンで、音圧増幅機になれたらいいかなっていう感じですね。

-音圧を増幅させるのって、機材などの工夫もあるのでしょうか?

Daiki:レコーディングだけに関して言えば、こういうふうにミックスしてほしいっていう原案がもともとあったので、ギターやベースも音作りの部分からすべてをЯyoさんにお願いしたんです。最終的にきれいに仕上げてくださいました。

-Яyoさんはエクストリームな音像を作るのがとてもうまいですよね。先ほど完全なユニゾンとおっしゃっていましたが、演奏的には難しいのでは?

Daiki:めちゃめちゃ難しいですね(笑)。わりとメタルコアのバンドだとルート弾きでやってることが多いんですけど、例えばLAMB OF GODとかTHE BLACK DAHLIA MURDERとか、あのへんの人らはベースがユニゾンなんです。でも、WHITECHAPELとかSUICIDE SILENCEとかASKING ALEXANDRIAとかは、ずーっと"ぼんぼんぼんぼん"ってルートだけなんです(笑)。ベーシストとして聴くと、やっぱりユニゾンの方が耳に残るんですよ。まぁ、バンド演奏に興味がない人からしてみたら、何が変わってるかわからないとは思うんですけど。僕がそうしたいなって思っているだけで。

-Rayさんがプレイ面においてこだわっていることは?

Ray:最近はサウンド面がめっちゃ気になるようになってきたので、例えばミュートとかも完璧にしたくて。ギターの金属音さえも消したいので、それをどうしたらいいか? っていうので試行錯誤してます。ギターのヘッドとかブリッジの方から鳴ってる金属音すら気になるんで、それをどうしたら削れるかと。あとは長時間聴いて、DEVILOOFみたいな曲を聴いてもしんどくならへんようなサウンドを探してもいいんちゃうかな? って話してて。そこを探すのを頑張ってます。

-ミュートってブレイクダウンでも肝になりますよね? DEVILOOFは、ブレイクダウンのときは、みんな殺してやる! みたいな気持ちでやってるんですか? 殺気というか。

Daiki:もう殺しまくってますね(笑)。

Hiroto:ライヴ中はずっと"死ね!"って思ってやってます(笑)。