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LIVE REPORT

DEVILOOF

2024.02.11 @代官山UNIT

Writer : 杉江 由紀 Photographer:森 久

イカツイだけではないのだ。確かに、DEVILOOFは以前から"最凶最速"なるコンセプトを掲げながら活動してきているバンドではあるものの、彼らは単に爆音を放ってイキリ散らすようなタイプとは異なる。DEVILOOFの提示するヘヴィなサウンドとは、聴き手を威嚇するどころか心踊らせる楽しいものであり、聴衆たちの魂を激しく鼓舞するような熱さに満ちたものなのではなかろうか。

"ムカつくこととか、みんな日々いろいろあると思うんやけど、そんなんは今日ここにすべて置いて帰ってください。全部吐き出してっていいんで、互いに思いやりを持ったうえで暴れてけよ。よろしく!!"(桂佑/Vo)

DEVILOOFにとってメジャー進出第2弾音源となるEP『Song For The Weak.』のタイトルを冠したレコ発ワンマン"SONG FOR THE WEAK"を、このたび代官山UNITにて開催してみせた彼らは、なんと今宵のライヴで反骨精神やロック・スピリッツを背景にして描き出された"弱者のための歌"=「Song For The Weak.」を含む、計16曲という過去最多曲数をガッツリと演奏することに。

しかも、この公演における彼らは攻めるだけの戦法にとどまらず、新たに「Song For The Weak.」では独特のコレオグラフィを導入する新パフォーマンスを編み出し、フロントマン 桂佑が先導するかたちで場内がちょっとしたダンス・フロアへと化す場面もあったりしたのだった。昨年秋にデジタル・シングル「Everything is all lies」を発表した段階で、彼らの中では"もっとライヴのときにフロアのお客さんたちがノリやすかったり、盛り上がれる曲をDEVILOOFとして提示したいという欲求が高まっていた"と、先だっての本誌インタビューで太輝(Ba)が語っていた通り、このくだりに限らず今回のワンマンでは終始ステージとフロアが共にシンクロしながら躍動していた印象が強い。

なお、この夜は生演奏を初披露することになった「Execution」で幹太(Dr)と太輝によるタフでダイナミックなグルーヴがハジけたほか、本編中盤での「Dusky-Vision」ではRay(7strings/Vo)が壮麗なギター・ワークを聴かせながらも高らかなヴォーカリゼイションまでまっとうしてみせ、かと思うと「ESCAPE」ではRayと愛朔(7strings)の繰り広げたハモりソロがオーディエンスを大いに沸かせることになったのは言うまでもなかろう。無論、桂佑のヴォーカリゼイションはどの曲でもパワフルにしてトリッキーなうえ、昨今は詞にこもったメッセージを伝えるという意味での説得力までがより増してきているものだから、ライヴ・バンド DEVILOOFの存在感と可能性はひたすら右肩上がり状態になっていると言えるはず。

"今はメジャーでの2nd EPを出したばっかりやけど、これからも3rd EP、4th EPって......EPしか出さんのかい? いや、ちゃうわボケ! フル・アルバムも出すぞ!! 俺らはこれからもどんどんカッコいい曲を作っていくから、みんなよろしくな。まだまだデカくなるから、これからもついて来いよ!!!"(桂佑)

アンコールでのMCでは、こうして桂佑がしれっとアルバム予告までしてみせるひと幕もあったが、いずれにしてもDEVILOOFが今まさに伸び盛り期間に突入していることは間違いないだろう。5月から6月にかけての南米ツアーという名の武者修行を経て、よりたくましく強靭になって帰ってくるであろう彼らの姿にもさらに期待したいところである。

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