INTERVIEW
玲央 (lynch.) × PABLO (Pay money To my Pain)
2015.03.10UPDATE
Member:玲央 (lynch.) PABLO (Pay money To my Pain)
Interviewer:荒金 良介 Photo by 石原 慎
-ははははは。
玲央:ソロの新曲を聴いたときも、"あっ、こういうこともできる人なんだ!"って。
PABLO:ソロをやるときもアルペジオで勝負しようという気持ちはありましたね。
玲央:ハードなサウンドにうまく溶け込むアルペジオを乗せられる人は、なかなかいなくて。僕らもヴィジュアル系からスタートして、一時期はTシャツGパンでやっていたときもあるんですけど。改めて10年やってきて、自分たちの売りは何だろうと考えたときに、ヴィジュアル系の先人に憧れて始めたので、そこを隠すのはかっこ悪いからやめようと。それで最近また真っ黒い格好で活動するようになったんですよ。同時に音楽的にも自分から素直に出てくるものを出そうと。そうすると、マイナー・コード中心のアンダーグラウンドなテイストが出てきて、それならそこを突き詰めようと。
PABLO:バンドでキャリアを重ねていくと、あれをやろう、これをやろうと振り切ったあと、また原点に戻るんですよね。その繰り返しのような気がして、それが10年単位でやって来るのかなと。
玲央:ああー、まさに! ギタリスト仲間で話すんですけど、アンプは最終的にマーシャルに帰ってくるという。自分が最初に好きだったものが10年周期で再燃するんですよね。当時よりも知識や技術が身について、もっとクリアにアウトプットできるようになるし。僕らはちょうどそういう時期で、それも悩んだ時期があったからこそ、そうなれたのかなと。そのきっかけをくれたのはPTPであり、PABLOさんなんですよ。
-そんなに大きな存在なんですね。
PABLO:嬉しいですねえ。それと話しかけてくれたこともでかかったと思います。僕、基本的に人見知りするんで。
玲央:えっ、そうなんですか? 特に"V-ROCK FESTIVAL"はバンド数も多くて、ちょうどトイレから出てきたときに"チャンスだ"と思って声をかけたんですよ。
-普通にファンじゃないですか(笑)。
玲央:そうですよ! 僕は好きな人の前だったら、純粋に行動するべきだと思ってるから。もったいないじゃないですか。一期一会という言葉もあるくらいですからね。
PABLO:ヴィジュアル系の人って、ものすごく丁寧で低姿勢ですよね。
玲央:それはヤンキー文化だからですよ。もともとヴィジュアル系は、はっきり言うと悪目立ちの文化だと思うんですよ。成人式でハッピ着て、爆竹を鳴らす。あれに近いんですよ。ただ、人と違うことをやろうということで始まったはずなんですけど、そのままマネする人たちが増えて、僕の中では最近のヴィジュアル系はヴィジュアル系ではないんですよね。"もっと過激だったよな"って。
-おりこうさんが多くなった?
玲央:そうですね。コンプライアンスが叫ばれる今日このごろなので、やんちゃな話も聞かなくなったし。
PABLO:それわかる! だから、俺ね、Twitterでも平気でち○ことか言っちゃう。
玲央:ははははは。
PABLO:いや、俺は音楽とイケナイものって、表裏一体だと思うから。そこを守って、発信しないのは全然面白くないから。下世話なことも音楽と結び付いてると思うし、だから、こういう場でも言っちゃうんですよ(笑)。それはそういう話をすることが大事なわけじゃなくて、自分が言いたいときに言うことが大事だと思うから。あんまりちゃんとしなくてもいいやって。
玲央:ははははは。
PABLO:わざと言ってる部分もあるから、すげえバカな奴だなって、誤解されてるかもしれないけど。
玲央:でもポロッとTwitterでいいことを呟くんですよ。あれはズルいなって(笑)。
PABLO:いやいや、そのまんまですよ。
玲央:まあ、悪目立ち文化だったものが平均化しちゃって、頭ひとつ抜けるアーティストがいなくなって。バンド始めたころは自分が40歳になるまでバンドができるなんて思ってなかったですからね。もっとサイクルが速い世界だと思っていたし、それに負けないように自分も頑張ろうと。後輩から突きつけられるプレッシャーも感じていたいけど、音楽雑誌の表紙を飾るメンツがそれほど変わらないんですよね。それが悪目立ち文化からどんどん離れてる現実なのかなって。そのへんはどうですか?
PABLO:PTPをやってたころはすごく感じてましたけどね。coldrain、SiMの2バンドの勢いがすごくて、絶対負けない意識はあったけど、ヘンな焦りは感じてました。あと、Crossfaithも出てきた時期だし。
玲央:僕がさっき話していたのはヴィジュアル系の枠内の話で。悪目立ち文化はラウド系と言われるバンドの方が色濃く残ってるなあと思って、そちら側の人たちにオファーをかけてたんですよ。PTPとの対バンは3度だけだったんですけどね。