COLUMN
G-FREAK FACTORY 打たれる出た釘・打たれない出すぎた釘 第三十六回
2023年明けたね。とてもフワッとしてた気がする。というわけで今年一発目の激ロックコラムを始めようか。明けたと言えば、コロナも第五類まであと3ヶ月で長いトンネルを一旦抜けることになるという。壊れる寸前で振り回されてきた人間にここからまたどんなドラマが待っているのか、どんなドラマを作っていくのか。今年もよろしく頼みます。
G-FREAKはドラマーの脱退により、バンド結成25周年の最後に25歳のドラマーが手伝ってくれている。奇遇にもバンドを結成した年に産声を上げた逸材だ。ドラミングのプレイもさることながら、バンド全体の方針のアイデアなど怯むことなく助言してくれる。大袈裟に言えば、親子ほどの歳の差のある世代を超えたチームになっていることや新しいことに挑戦できそうな雰囲気が今は非常に頼もしい。壁にぶつかる都度、活動を止めてきてしまったバンドの負の教訓を経て、この局面は前任者のラストライブである山人音楽祭と(高崎)芸術劇場でのワンマンの次週にはライブを入れることを選択した。止まらない。進むモチベーションを維持するための周りの仲間が作る環境に本当に感謝している。
俺は圧倒的に夜が好きだ。暗がりがリラックスした状態とエネルギーを掻き立てるから昼間の何倍も好きだ。それなのに夜に向かう日没を嫌う。好きな時間に向かうはずなのになぜか苦しく、空に殺されそうになる。一日のうち日の出、日の入りと空が大きく変化する2つの刹那の中で、夜間勤務でもなければ多くの人が立ち会えるのは太陽が沈むこの瞬間がほとんどで、子供のころ感じていた『サザエさんのエンディング現象』のように、日曜日が終わってしまう切なさと、月曜日に向かう覚悟のようなものが要される場面でもある。日が徐々に短くなってゆく冬は何となく寂しさを帯びた季節と言わざるを得ない。だから深酒や徹夜を除けば日の出を目にしない時間軸の社会で生きている俺たちは、息詰まりそうになった時、ある程度睡眠を取った状態で、できるだけ高い場所に日の出を意図的に見に行くことを薦める。厳しい朝に向かうはずなのに、まるで映画を見ているかのように空がコントラストを変えて明けていく希望に満ちた素晴らしい最高な瞬間だからだ。コロナが明けるとするならば、一体どんな感じなんだろうか?どんな解放感があって希望に満たされているのだろうか?それとも、今年の元旦のように何となくフワッとしてしまっているのか......。
昨年は体を壊したり、コロナに感染して2度の謹慎生活を経て解放の瞬間に今まで感じたことのないほどの自由を味わった。締め付けて押し込んだあとの2023年のアフターコロナは若干の風評を背負いながらでも這い上がっていく風潮であることを望んでいる。少しだけ変わった価値観を連れて登る険しい山の上で見たあの日の出のようなね。PEACE & YAH-MAN
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