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COLUMN

G-FREAK FACTORY 打たれる出た釘・打たれない出すぎた釘 第三十一回

G-FREAK FACTORY 打たれる出た釘・打たれない出すぎた釘 第三十一回

非人道的な戦争の影に隠れて、日々の疫病感染者数がボヤけて映るコントロールを背景に今年の春はとうとうプロ野球がフルキャパで始まった。事実より人々のマインドが緩和されつつある風潮があるならば、是非とも風評の中で生きているライブ会場もいよいよ近くなったのかと期待したい。
今年はバンド結成25年が経過した年。ライブ現場界隈が直面した氷河期に迎える、時間の賞賛だ。とはいえ、長期の沈黙期間を含めダラっとした時間が長かったせいか、あっという間にこの年月が過ぎた気がする。充実した年も、そうでもない年も含めて、ただ長くやればいいというもんでもないし、長くやったからどうだ?というもんでもない。当たり前だけど、大事なのは常に「今がどうか」だった。
20代でも経験したことのないソロ4連のあと、3日リハしてまたソロ。そこからG-FREAKのメンバーと合流して2本。緊急事態やマンボウなどで延期公演が集中したとはいえ気づけば10日間で7本。毎朝、起きた時の自分の声に絶望し、はしゃぎ過ぎた前夜への後悔から1日が始まる。1時間くらいかけて喉や首をマッサージして夕方にやや復調というサイクルを繰り返した。何事にもTOO MUCHは良くないが、限界を勝手に定めていた過去に挑んだ結果、アコースティック併用ならば「やれなくはない......」という武器を手に入れた。MASKERを歌う旅。険しく、そして楽しい。
そして前半のソロ4連の最終日に上州弾語組合の俺の出番がスタートした。声はキツかったけど、そんなことを忘れる程ひたすら楽しかった。言い訳ばかりが先に来る時代で、アイディアが豊富な上に有言実行型の頼もしい40人以上の組合メンバーにただただ感化されている。ストリートのアスリート。よく考えたら俺も昔から道で生きてきたから燃えないわけがない。その活動や発信をみてみるとバンドマンより遥かに行動的だったりするからだ。積極的に建設的であり、形になるのがとにかく早い。チケット買って見にきてくれる人との絡み合いと違って、目的を持った歩行者の足を止める挑戦。異種の格闘技に近い現場はスリルを含んだ幸福なものになる。これは見ている人も絶対に楽しいはずだと確信。
時々迷ったりすると、駅に行って人間力の稽古をつけてもらうことも俺にはしばしばある。
そんな中、地元高崎のライブハウスが現在の場所での営業の幕を閉じることが決定した。色々あったにせよ、いきなりの決定に動揺が隠せない。ライブだけではなく、リハやミーティングを繰り返した大切な場所が無くなるのは何より寂しさが過ぎる。1日でも早く何とか再稼働していただきたいものだ。
戦争や疫病、それに伴う人間ドラマは多くの人の大切を狂わせた。立ち止まってしまったり、加速したりと、自他ともに大きな変動期。どこかずっと寂しさに覆われたこんな時代に、音楽が一瞬でも大切な人のエネルギーになっていくことができたら、俺たち、音楽を奏でる仲間はどこまでも飛べる生き物だってこと。25年目もそれなりに何だか楽しくなりそうだ。 PEACE & YAH-MAN

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