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COLUMN

G-FREAK FACTORY 打たれる出た釘・打たれない出すぎた釘 第二十九回

G-FREAK FACTORY 打たれる出た釘・打たれない出すぎた釘 第二十九回

2021年が終わろうとしている。目は慣れてきたといえど制限のある現場と暮らしは相変わらずで、逆にそれを燃料にギリギリのバランスで気持ちを整えながら全速力で走っているイメージだ。束の間か永遠か。確信なのか錯覚なのか。コロナがメディアから少しだけウェイトを落として緩くなってきた今でも、瞬間的な油断よりも一度変わった人々の気持ちは簡単には戻らないって痛感する日々だ。

このご時世、音楽をやってると多方面から心配されるけど、大丈夫だ。心配ない。なんとかして山人音楽祭の年内開催の約束を果たそうと(※執筆時)日々動くことがまず今の俺にはモチベーションになっている。誰がどうみてもやるべきではないと判断された頃から、ずっと重ねてきた。村社会で開催するローカルフェス。事件性のある奇跡が好きだ。思えばずっとそうだった。どれだけ時間があっても足りない感覚、とても久しぶり。ほぼほぼ突貫工事に近い今年の山人音楽祭に対して、出演バンドがみんなどう考えても無理なスケジュールを調整してくれたんだ。もはやコロナ禍でこのメンツで開催できること自体が既に成功で、物凄いストーリーを作り出してる。バンドに、人に、感謝しかない。

小学校にヘルメットを寄付して回ること約2年。いまだにマスクの習慣から離れることはない。口を隠した大人の表情は子供達にどう映っているのだろうか。目だけでどのように表現を交わすのかと心配である。しかし行事が順調に行われなくて可哀想な子供たちと決めつけた大人を笑い飛ばすかのように、溌溂とした子供達にたびたび励まされる。どうやら取り越し苦労なシーンに直面すること多々がゆえ、これもやはり......心配なかったりするんだな。慣れること、たまにそれは強さもくれるのだなと。

バンドマンとして2年もの間、長い休みでしたでは話にならない。配信でソロ楽曲をリリースすることにした。こんなこと考えたこともなかったけど、負けっぱなしのコロナ禍に中指を立てて、これによって得た恩恵をずっと模索してきた。いきなりまた一段ギアを上げて忙しくなるけど、バイクやキャンプ、トレイルランだけでなく新しいことにチャレンジできること、そしてそれを正解としていく作業と時間が今はただただ嬉しい。それであれば、走りすぎた現代から原点に立ち返り、楽曲演奏はmabanua、ジャケット製作はフラワーマンが『島生民』(2003年リリース)のジャケット上に描かれた当時の少女の成長を表現したりと、マスク社会の中で地元群馬の有志とのローカルスクラムを組んだとても大切な曲が完成した。命名MASKER。マスカーだ。俺もお前も。慣れすぎて出来上がった精神の仮面で作り上がった社会。その仮面も医療マスクも、全員で一気に外す時が来るのだろうか?その時、その光景に今度は目がついていくことができるのか?是非とも聴いてみて欲しい。
そろそろ、ゆっくり帰ろう。PEACE & YAH-MAN


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