COLUMN
G-FREAK FACTORY 打たれる出た釘・打たれない出すぎた釘 第二十三回
前回のシングルツアーファイナルのライブDVDを発売した。実は俺自身、ライブ映像はあまり見ない。というか、あえて極力見ないようにしている。誰もが解っている通り、ミュージシャンではなく、バンドマンである以上、カラオケのように上手に演る事がライブの一番の目的では無いからだ。もっとも、上手くやることが一番の醍醐味なら、スタジオミュージシャンの方がよっぽど素晴らしいからだ。しかし今回のリリースに関しては、コロナ以前の最後の奇跡の記録として何度も見ることにした。忘れずに覚えておくようにこの場所に必ず戻る。まずはその日まで立っている。そんな目標ができた。
こんな時代だからこそ、行動力と発信力に長けているとされるバンドマンは、蓋をしないようにしよう。定義として、邦、洋問わずどんなバンドマンも諦めなかった事実が、多くの人と知り合えるきっかけになる事実を知っているからだ。中にはフロントマンを差し置いてプレイヤーがフィーチャーされてるバンドもたくさん見てきた。そしてそれらの力を真中に集めてステージに立つ。背負ったメンバーを一人も欠くことができないそんな奇跡の集合体こそが美しいバンドなんだと思ってる。
実はずいぶん前からだけど、今回のコロナの影響で演奏ができないバンドは、より一層の発信力をキープできないとならなくなった。依存とその惰性に甘えてやり過ごしたり、サボったりしてると限界を超えて簡単に置いていかれて沈んでしまう。残念ながらこれが現実で、まさにこれまでの活動に加えて、メンバー個の人間力や人望のみがモノをいう。他業種との例外はなく、篩にかけられて試されている日々。上等だ。やるしかねえ。
数ある発信の中の一つにローカリズムがある。個人的ではあるが、この必要性は日を追うごとに色濃くなってきたと実感するようになった。ルーツや暮らしてる町には、非経済的なリッチこそが、その先の夢のような大きなものに直結したリアリティがあると思ってる。地球のリズムが大きく狂ってきて、これから大人になる子供たちは自然現象や経済など多くの負の遺産を背負って生きていかなければならない。それを肌感で解ってる大人が、これから先の暗い時代を簡単に口にしてしまったら、あまりにも酷な未来を押し付けることになる。だから町の子供たちの未来にメッセージを寄付している。教室の自分の椅子の下に毎日言葉では無いヘルメットを目にすることに違和感をなくして欲しい。ただ、お守りがあるから大丈夫。強くなれよ。と。もちろん実用性を重視したら防災頭巾のほうが嵩張らない。でも俺たちは、あえてそのフォルムからヘルメットを選んだのはそんな理由からだ。安中ヘルメットプロジェクト。届けてるのは物質的なもの。でもそれだけじゃ無い。ヘルメットに変える軍資金を捻出するのに多くの購入者や業者など、全ての人の想いを全ての未来の人に届けてるんだ。そして年内には市内の3年生、全体の約半分の生徒にメッセージが行き渡るんだ。バンドもローカルもな。こんな奇跡が、俺は本当に好きだ。
PEACE & YAH-MAN
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