LIVE REPORT
HAZUKI
2022.03.30 ＠渋谷Spotify O-EAST
Writer 杉江 由紀 Photo by 江隈 麗志(C-LOVe CREATORS)
遥かなる桃源郷を目指す旅への第一歩。つまりはそれが今宵この場で踏み出された、ということなのだろう。lynch.のヴォーカリスト、葉月として約18年のキャリアを積んできた彼が、今新たにHAZUKIというアーティスト名にて始動させた、ソロ・ワークスとしての初ライヴ[HAZUKI 1ST ONEMAN NITE "NEO XANADU" -XANADU MEMBERS ONLY-]は、このタイトルどおりにHAZUKIを支援するWEB MEMBER会員限定というかたちで開催されたのだが、その内容はまさに初陣らしい颯爽としたものだったと言える。
ちなみに、2016年から葉月として不定期開催してきたソロ公演"奏艶"は、主にバラード系のカバー曲を主体としたものであり、2020年9月にはそこから派生した葉月としてのソロ・アルバム『葬艶-FUNERAL-』も発表されてはいるが、ここからのHAZUKIとしてのソロ活動は、あくまでもオリジナル楽曲を軸としたものになっていくとのこと。故に、今回のライヴの1曲目を飾ったのは、第1弾シングル『XANADU / HEROIN(E)』に収録されている、力強いロック・チューン「XANADU」とあいなった。"HAZUKIです、よろしくお願いします。よくぞ初ライヴに来てくださいまして、ありがとうございます。（中略）とにかく新人なんでね（笑）。今日のライヴに向けても曲はいろいろ作ったし、すごく頑張って練習しましたけど、まだもっとこれからいい曲を増やしていったり、ライヴを重ねていって、歴史を作っていかなきゃいけないんです。そして、今lynch.は止まってますけどまた動き出すだろうし、動き出してもソロはソロでやっていくことになるので、同時進行で歴史を積み上げていこうと思ってます"。
そんなHAZUKIの歴史の冒頭部分をこのたび共に記してくれているのは、猛者揃いのミュージシャンたちで、そのメンツは以下の通り。バンマスにしてギタリストであるPABLO（Pay money To my Pain／The Ravens etc.）、HAZUKIとは地元の名古屋で親交を深めてきているというギタリスト TSUYOSHI（Unveil Raze）、自身のバンドが今年で15周年を迎える実力派ドラマー 響（摩天楼オペラ）、HYDEソロのサポートをはじめとして各方面で活躍中のキーボディスト hico、そしてなんとベーシストを務めるのはあの明徳（lynch.）だ。なんでも、HAZUKIとしてはX JAPANのHIDE（Gt）が最初にhideとして行ったソロ・ツアーや、hide with Spread Beaverのライヴにギタリスト、PATA（X JAPAN）が頼もしいサポートとして参加していたことを踏まえつつ、明徳をサポート・メンバーに起用したところがあったそうで、明徳本人も依頼されたときには"そんな感じをイメージした"そう。
また、PABLOとHAZUKIの関係性に関して言えば、2020年9月に激ロックで対談企画を行ったことがあるだけでなく、これまでもPTP（Pay money To my Pain）のアルバム『gene』に「Resurrection ＜P.T.P×Masato from coldrain & 葉月 from lynch.＞」が収録されたり、lynch.のアルバム『GALLOWS』や、前述の葉月としてのソロ・アルバム『葬艶-FUNERAL-』でも、PTPのカバーがなされていたわけで、このタイミングでふたりがタッグを組んだことは、むしろ待望の必然的出来事だとも感じられる。加えて、この日のライヴで初披露された新曲「奈落迦 -Naraka- Feat. PABLO」は、4月25日発売予定の2ndシングル『＋ULTRA / AM I A LØSER？』に収録となるそうなので期待されたし！
4月末から6月15日のLIQUIDROOM ebisuまで続く[TOUR'22 "AM I A LØSER？"]も含めた、遥かなる桃源郷を目指すHAZUKIの旅はここから始まってゆく――。
[Setlist]
1. XANADU
2. AM I A LØSER？
3. SAD SONG
4. CALIGULA
5. 七夕乃雷(shichiseki no rai)
6. 眩暈
7. 奈落迦 -Naraka- Feat. PABLO
8. 玉響の灯9. ＋ULTRA
10. A CRUCIFIED FATE
11. PHOENIX
12. HEROIN(E)
En1. LIGHT
En2. XANADU
En3. HEROIN(E)
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