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COLUMN

G-FREAK FACTORY 打たれる出た釘・打たれない出すぎた釘 第四十五回

G-FREAK FACTORY 打たれる出た釘・打たれない出すぎた釘 第四十五回

4年ぶりのフルアルバム「HAZE」を放つ。コロナ禍でリリースした「VINTAGE」以来の久々のフルだ。言わずもがな難産だった今回は例年のそれと少し違った難しさがあった。ここ数年で答えが出てしまったものが多くあると感じたからだ。今まで絶対に寄り切ることをしない書き方をしてきたから、流行りの病や昨今の目まぐるしい技術や時代の変化によって書き溜めた詩のカケラたちは古いものと感じたからだ。価値観が変わった人に向け、少なからず自分も変化した価値観で分かち合うには少し時間を要するはず。CDというフィジカルやアルバムという概念に意義を持ち、新曲7曲を同時に書き下ろすことに要するエネルギーだけではなく、進みすぎた時代の途中に挑む覚悟に似たものを得る時間までもが必要だった。確かにパンクロックもブルースもレゲエも、その途中を足掻いた表現ではあることは認識してるけれども、この惜しみない時代の走り方は忙しすぎる感が否めない。結果、今まで以上に悩みに悩むことができた。その分良いアルバムができたと思う。是非ともじっくりと噛み砕いて聴いてもらいたい。

高校野球。3年生の甥っ子の最後の夏の大会を観に行った。俺のスケジュールの中で唯一、ようやく球場に応援に行けそうな日はスタンドで観ているだけで火傷しそうな猛暑日。対戦相手は健大高崎。言わずもがな春の全国覇者だ。多方の下馬評は断然。その大舞台で6回1失点。めちゃくちゃカッコ良かった。もしかしたら勝てるのでは?いや待て......まさかのワンチャン甲子園まであり得る?と。

2点リードで送りバントをした打席でファーストに走る際に、足をやってしまったらしく担がれてベンチに戻るのを観た時、自然と涙が出てきてしまった。負傷で降板した後、俺は現場に向かうため球場を離れた。試合は大きく動き近年稀に見るシーソーゲームをデバイスを駆使して観戦しながら移動。タイブレークの延長の末、6−5でサヨナラ負けを喫してしまった。本人にプレッシャーになるのも嫌だし、気も使わせたくないので周りの野球好きの仲間以外のほとんどの人には甥っ子が名門の桐生第一で野球をやっていること、投手であることをずっと黙ってた。多感な時期に自分に厳しくよくやった。よく耐えた。やり直しの効かない片道、ましてプロのような恩恵や代償、利益のない舞台で、不屈の精神論が育んだ誇りと仲間意識をヒシヒシと感じた。嬉しかった。負けてしまったけど、仮に勝ち進んで甲子園に行けてたとしても、このチームでの試合は残り数試合。決勝まで行ってもあと8試合がいいところだろう。儚い......。実に儚い......。そんな中で王者を最もギリギリまで追い詰めた勇敢な姿は立派だった。ありがとう。

山人音楽祭が近づいてきた。今年もまた地元で鳴らす大きな山だ。登り詰めたら人はどんな景色が見れるのだろう。簡単ではないこの儚い2日間の山を一緒に登ろうな。
PEACE & YAH-MAN

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