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COLUMN

G-FREAK FACTORY 打たれる出た釘・打たれない出すぎた釘 第五十二回

G-FREAK FACTORY 打たれる出た釘・打たれない出すぎた釘 第五十二回

辺鄙な場所での挑戦。奇跡とも言える山人音楽祭が10歳を迎えた。実感もなくあっという間に経過した10年の歳月を経て成長させてもらった祭りに、昔から来てくれている仲間もスタッフも自分も今思えば10歳も年を取ったことを実感しながらの挑戦だった。

勝手にニューアコからの重いバトンを受け取ってつないでいく9月の終盤。
例年通りの開催前夜の金曜日。リハーサル日はステージや、全体の設営状況を確認。祭りとは段取り八分と言われているが、提出資料や設営が間に合ってない。これほど回を重ねてもやはりバタバタするもので、どれだけ時間があっても、今度は慣れが邪魔をするもの。結局眠りについたのは明け方。 初日は達磨の目入れや開場フォロー、更に会場内を一周することから始まる。睡眠不足に興奮が重なってナチュラルハイのバイアスがかかったこの日は、食欲も無くすほどの極限状態でステージに立った。この日の締めと明日につながる重要な橋渡し。ここまで完璧だったことを考えると重たすぎるバトン。落とさず乗り切るには高すぎるハードル。結果として過去一の初日が刻めたことをここに記す。二日目は少しだけ鋭気を得た朝だった。MOBSTYLESの山人ランから始まり、グリーンドームでできる最大限の熱量が同じことは二度とできない祭りを参加者が形容していく。初日の惰性でも無く、興奮なのか緊張なのか今までの自分の経験には無い何かがそこにあった。極限状態の身体にもう一度、喝を入れて挑む。これほどまでに幸せなことがあるものか?と。

今年の山人音楽祭の一番の印象はちょっと後悔したくらい出演者の強さを感じた。解ってはいたが、やはりタフなその人間が放つそれぞれの色で、引っ張られることなく場の空気を作れる魔法のようなものが、ステージの枠分だけの強者が異空間を創作し魅了していくサマを露骨に感じさせてくれた。悔しさに嬉しさが優って火の玉になった。そして俺は個人的に強いものが好きな性分なんだと実感した。ひたすらに強いものではなく、経て得た強さを持ったもの。

強さと言えばフロアも皆とてもかっこよくて強かったな。いや強くなったと言うべきか?一部の人間のナメた行動で全てのスタッフの気持ち、出演者の音楽や長いこと意地を張ってきたフェスを汚された昨年の諸問題を上手くしかも軽く越えてみせてくれた。そして山人号と名付けたJEEP社の自転車で人を追い抜くたびに演者の数倍歩いて移動してくれた逞しい姿本当に頭が下がる。10年もこんなにイカれてイカしたことをコツコツと丁寧にやってきたことで一つの祭りが完成した日だったんだな。秋の匂いが混ざった空気の中、山人音楽祭は大成功で10歳の誕生日を迎えることができたんだ。本当にありがとうね。出演者、来場者。スタッフをはじめ事情があって来れなかった人にも......。山人音楽祭に触れてくれた全ての人に心から感謝します。また遊ぼうね。PEACE & YAH-MAN

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