COLUMN
G-FREAK FACTORY 打たれる出た釘・打たれない出すぎた釘 第三十九回
蝉の声とエアコン。猛暑を賑やかす日本の夏を今年も感じられている。新聞、テレビやラジオ。PCまでもが連日、高校野球を取り上げるようになり、さらに悲鳴と歓喜が入り混じった待望の夏感を促す毎日を生きてますか?そして活きてますか?
スタンドでは軽音楽部が楽器を奏でて肉声の応援に対して金属バットがボールを叩く快音で応える。どのチームも次の試合に挑める保証は無く、負けたら終わるという崖っぷちの現場で日々の鍛錬をぶつけ合う高校野球。もう一度やれば結果や内容は必ず変わるだろうが、一瞬を重ねた片道の上で、とうていやり直しがきくものではない。それが故にこれほどまでに儚く清いものが毎年の日本の夏に存ることが本当に誇らしい。いつからか人は方法を手に入れて擦れてしまったから『夢』という恥ずかしさが残るほどの言葉に照れ臭さを覚えて敬遠する人も時々目にするが、正面からピュアに挑む姿に感銘を受けるの人が多いのは捨てたもんじゃないと思える。そして幸いなことにまだまだ自分もその感動できる1人であると今年もまた高校野球が教えてくれている。
バンド業界はというと完全に現状復帰とはいかないまでも、ビフォアコロナの現場の雰囲気を少しずつ取り戻してきた。そんなコロナ明け元年、山人音楽祭と一緒にグリーンドームに帰ることができそうだ。当たり前ではなく、これも来年グリーンドームで開催できる約束や、はたまた山人音楽祭そのものが開催できる保証は1ミリも無い。決して楽なことだけではないが、戻そうとするのではなく新しいフェーズに入っていく感覚。バンド業界にも連鎖する悲しいニュースが目立ってきたが俺たちはそれでも図太く振る舞い、音楽やバンドという手法で皆に会いに行く。今年の山人はコロナに負けたという錯覚や言い訳を笑い飛ばす日として挑むことになりそうだ。この3年という空白にも似た時間を共に戦ってきたバンド仲間を全て誘いたかったのが本音だが、限られた枠の中で最高な形で当日を迎えられそうだ。ライブという生き物もまた、野球と同じくもう一度やれば結果や内容は必ず変わるだろうし、きっと2度とやり直せない片道のものだと思うので是非とも遊びにきてほしい。
山人の次週からはRED EYE BLUESというニューシングルを引っ提げて全国の旅が始まる。Leoが叩く初音源も相変わらずの難産でね、仕上がった時は熱が出たくらいだ。今回はヤバいぞ。曲もまた一瞬のマインドを綴りそれを重ねていくもの。心の根底から吐き出したこの分身の子たちが、どう皆に伝わって、どう変換されていくのか非常に楽しみになってる。各地方のローカルのライブハウスで分かち合えたら最高だな。騒がしい猛暑を乗り越えたその先で、生き抜いた証をぶつけ合おうな。コロナ明け元年、こういう生き方をきっとずっとしていくんだろうなと思った。皆も達者で!PEACE & YAH-MAN!
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