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COLUMN

G-FREAK FACTORY 打たれる出た釘・打たれない出すぎた釘 第三十五回

G-FREAK FACTORY 打たれる出た釘・打たれない出すぎた釘 第三十五回

枯れ落ちる寸前に強烈な華やかさを放つ紅葉が冬の手前の山を燃やす。なんとも美しく、そしてなんとも儚い生命のサイクル。日の入りの早さに寂しさが加速し、今年もこの隙間が来たという認識と安堵を連れて、これから迎える冬の寒さへの覚悟のようなものが混在する変革の時期。個人的にはあまり得意ではない。だからこそ年末には凌ぐイベントがあるのだとも思う。

ライブはいきなりできるものではない。先の予定を企てて共有して成立するものである。今やっているライブたちはコロナが少しだけ緩んだ頃に組み上げたスケジュール。そのライブをやる時期の風潮や事情、バンドやメンバーの状態は想像できない中での約束なんだ。気づけばG-FREAKは問題が山積みになっていた。そんな中、ガムシャラすぎたか身体がバグってしまって入院により"Dandy Lion"TOURを自分の責任で飛ばしてしまった。身体的不安と責任を果たせなかった精神的ダメージを無音の病室が加速させて眠れない夜が続いた。ようやく退院を経て臨んだFOMARE大陸、25周年、執念の日比谷野音ワンマン。とても迷惑かけたのに温かく迎えてくれた。探りながら探しながら思い出しながら。労りの理性と身体。壊れてもこじ開けようとする気持ちが混在して、今までに味わったことのない感覚だった。

東京雪祭、ハマロック(HAMAROCK)と仲間のイベントに出演、その直前に元気なメンバーが濃厚接触者であることが発覚しツアーキャンセル。ここまでで7本飛ばしてしまった。さらにメンバー感染と、14本のツアーのうち実に9本もの自身のツアーを中止するという前代未聞の悪夢だった。それだけではなく、今年の初めから決まっていた年内でのメンバーの脱退。それが故、振替公演を打つことも難儀になっていた。楽しみにしていた人たちからも励ましの声や、予定を奪ってしまったことへのやり場のない怒りの声が届いた。苦しい。ライブができない苦しみではなく、どうにもできない非力さと矛先のないモヤモヤを抱えていることが本当に苦しかった。この記事がリリースされるのは山人音楽祭 2022、そしてその次の日にあるたった5本目にしてのツアーファイナルより後になるだろう。無事に終わってることと思う。メンバーの卒業式もきっとうまくいってる。はず。

変革の時期は順応するためのエネルギーを要し基本的には苦しく時間がかかるもの。培った精神論や根性論などで乗りきれるのか、常に篩にかけられた状況でサドンデスは続いていくのだが、心持ちと行動でこの難問をどこまで楽しめるか試された時期でもある。

これからの変革に、より良い自分で在れることをイメージしながらゆっくりと燃え尽きるギリギリ手前の火に燃料を入れて走るんだ。また懲りずに先の約束をしてね。ずっと奇跡のような日々を過ごしてきたんだ。止めないよ。感謝と立ち返りの年、2022年もお世話になりました。ありがとう。ほら、また一段と面白くなってきたじゃねーか?PEACE & YAH-MAN

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