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COLUMN

G-FREAK FACTORY 打たれる出た釘・打たれない出すぎた釘 第十九回

G-FREAK FACTORY 打たれる出た釘・打たれない出すぎた釘 第十九回

季節は春を指す。春だから、春までは、春なのに。

はじめは勝算の無いオリンピック延期もしくは中止への体のいいマヤカシかと思っていました。国、都、IOCの足並みは全く揃っているようには見えず、俺の知る限り大会史上最も盛り上がらない空気をなんとなく肌で感じていたからです。

日に日に感染被害と症状が浮き彫りになって来るコロナウイルス。完全にナメてましたが、

気がつけば主役はIOCからWHOに。じわじわと迫って一瞬にして平凡を奪っていきました。当たり前が無い状況。悪化の一途。もう何年も前から感じて踏まえて、唱えてきても、直面すると毎度ヤラれます。毎年のように空から、地面からと体も悲しみも、現代を生きる免疫が少しずつできてきているはずなのに、さらにそれを上回る抗体を求められるかのごとく暗く出口の見えないトンネルの中に突入しました。

オリンピックの恩恵が全く無い上、ライブハウス、イベント主催者や立場が弱いくせに声の大きいバンドマンは完全にヤリ込まれた感があります。イレギュラーなものに合わせた日程の調整から始まって、今年一年の我慢を覚悟した矢先に追い打ちをかけた現実。この騒動が明けて風評が滑らかになっても、傷は残ることになるでしょう。

ライブのキャンセルで俺自身もどれだけライブに依存して日々のバランスを取っていたか計ることができました。ライブで毎週のように会うことができた人たちに更なる感謝をしながら、人に会う事が基本的にタブーとされている中、在宅で個人的に発信できるツールとして、皮肉なことにSNSやバーチャルコンテンツの恩恵に嫌悪感を覚えていた事を少し反省する日々です。手詰まり感でいっぱいの中、ありがたいことにFM群馬がくれた無観客でのラジオ出演や、ニューアコ、TOSHI-LOWがくれたNHKでの無観客アコースティック演奏。これらのチャンスを除けば、今となってはオンラインこそが曲中やライブMCで伝えたいことを唯一運んでくれるツールとなってしまったからです。なるほど問われる人間力。ミュージシャンではありません。幾度となく直面した現実に上等、メンチ切ってここまで来たバンドマンです。人と会って、人を集めてなんぼ。ガキの頃からライブハウスで遊びながら、多い時で週に3、4回ほど田舎から東京に通うバンドマンです。これまでも。これからも。

みんなの先が見えないこんな時だからこそ、少しでも現実味と可能性のある未来の約束を1つでも多くするべきかと思ってます。俺からは2つ。アルバムのリリースと山人音楽祭。こんなに押し込まれた状況でも、いや、だからこそ見えない敵を追い越す音楽の可能性をもう一度信じます。必ず生きて、ライブハウスで、フェスで。分かち合う場面。

一日も早く、いつかの無意識な平凡と、諦めて縮めた幸せが世界中の全ての人に戻ってきますように。
PEACE & YAH-MAN

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