COLUMN
G-FREAK FACTORY 打たれる出た釘・打たれない出すぎた釘 第五回
寒暖の差が激しいこの頃、いかがお過ごしでしょうか?俺の町は群馬県民からも馬鹿にされるくらい寒い町です。さてさて今年も残りわずかとなりましたね。俺はというと風林花山ツアーの真っ只中で、ありがたいことにとても充実した形で全国各地の贅沢な旅を重ねています。各地の仲間とバンドに心から感謝します。
時間がかかりましたが、田舎の味がようやく解ってきた年頃になりました。束の間に魅せる自然の偶然が生み出す狂おしいほどの絶景が、時折やるせない日々を癒してくれます。小さく静かな町で産業も特徴も無く、町を出ていく若者の気持ちや理由が解らなくもなく......止められない過疎化と奮闘してます。つまりは期待して何かを待つ時間は過ぎたから背水の陣で期待できるのは筋金入りの田舎者にとってもはやマンパワーしかないと信じてるのです。
安中市という町で暮らしてます。そこで安中会というローカルの会合を半年に一度催してます。オーガナイザーはズバリ参加者全員。目的はネット社会で希薄になってしまった人と人をアナログでつなぐという事です。人間の営みでは基本中の基本に全てをかけたという、まあ誰も利益を得ない単なる飲み会です(笑)。被災地支援も兼ねて食材は東北や九州から。若者はもちろんご老人や子供、市会議員や外国人までもが集って多い時ではオールジャンルで100人規模の飲み会になるのです。参加者全員が名札を下げて酒の力添えを借りながらひたすらドンチャン騒ぎをするのです。高校生のダンスを見たり、アコースティックギターやキーボード、打楽器。時には三味線などが常設されていて誰もが自由な音楽のフリージャムが始まるのです。時には地元の高校生と一緒にギターを弾き語りしたり、キャンプファイヤーでジャマイカ人と輪になってボブ・マーリーを歌ったりと、それはそれは素敵な時間です。そして最後に初めて会った人と名札を交換して帰るという会合です。ヘベレケの翌朝、首から下げた名前も知らない人の名札を見ながら答え合わせをするのです。繰り返すことによって、街で遭遇した時でも声を掛け合う仲が形成されて、今までの点が線になっていく現象がはっきりと実感できるようになりました。何もなかった頃から数年かけて明らかに進んできたと思います。安中会がこの先も続いていくことができたら、受け継いでくれる若者が出てきたら嬉しいですね。
今まで紆余曲折ありましたが俺にとって2017年はバンドを始めて20年目の節目でした。今年は自然と今までのどの年よりも走ってみました。そしてとても内容の濃い一年と言える年にすることができました。限られた時間の中で関わってくれた全ての人に心から感謝します。そして来年もまた精進していきますのでよろしくお願いいたします。
HAVE A GREAT YEAR WITH PEACE YAH-MAN
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