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LIVE REPORT

lynch.

2025.12.28 @東京ガーデンシアター

Writer : 杉江 由紀 Photographer:江隈 麗志(C-LOVe CREATORS)

押しも押されもせぬ程に確かな存在感と、20年の歳月をかけて積み上げてきたロック・バンドとしての強靭さ。今宵のlynch.が晴れの舞台=東京ガーデンシアターで見せつけてくれたのは、まさにそれらが結実した誇り高きステージ・アクトだった。

"今日はこの1年続いてきた「lynch. 20th ANNIVERSARY PROJECT」の締めくくりとなる「FINAL ACT」です。あんなことやこんなことがあった、あんな曲もこんな曲もあるっていう感じで、この1年やここまでの20年を振り返るような内容になるかもしれませんが、僕はそれよりも今後の未来がもっと楽しみになるようなライヴをぶっ刺したいと思っていますので。よろしくお願いします!!"(葉月(Vo))

2025年は春にインディーズ時代の入手困難楽曲たちを再録し、新曲「GOD ONLY KNOWS」を加えたリテイク・アルバム『GREEDY DEAD SOULS / UNDERNEATH THE SKIN』、秋にも新曲「BRINGER」を含む2ndリテイク・アルバム『THE AVOIDED SUN / SHADOWS』を発表した上で、ワンマン・ツアーのみならず多くのライヴで激戦を繰り広げてきたlynch.だからこその圧倒的な説得力は、もちろんこのたびの"lynch. 20TH ANNIVERSARY XX FINAL ACT 「ALL THIS WE' LL GIVE YOU」"でも大いに発揮されることになった。ちなみに、この夜の1曲目として奏でられたのは今回のライヴ・タイトルとも密接な関係性を持つ名曲「ALL THIS I'LL GIVE YOU」。

ここからの緻密な波状攻撃を実現したセトリは見事な構成で、明徳の厳ついスラップ・ベースが爆裂していた「GREED」、悠介(Gt)の紡ぐ繊細なディレイ・フレーズが映えた「KALEIDO」、晁直(Dr)の刻む律動が躍動していた「GALLOWS」、玲央のギター・ソロがドラマチックに響いた「MIRRORS」等、各時代を彩ってきた思い出深い楽曲たちが全編にちりばめられていたと言っていいだろう。

とはいえ、中でも特に印象的だったのは本編のラストで新曲「BRINGER」が提示された場面だったかもしれない。先立ってフロントマンの葉月が本誌インタビュー(※2025年9月号掲載)に対し"その一夜に向けて一緒に突き進んでいけるような曲にしたかった"と語っていた通り、2025年12月28日のためだけに作られたも同然の一曲。lynch.の楽曲たちをセルフオマージュするようなフレーズが織り込まれた音像然り、葉月が高らかに"命果て 途切れるまで 闇を奏でよう"と歌い上げた上で最後に"ALL THIS WE WILL GIVE YOU"と凄絶にシャウトしてみせたくだりも含め、それはまさにlynch.の生きる証そのものとして我々の胸へまっすぐに届いてきた。

"僕はこのlynch.を30歳のときに始めたんですよ。当時、周りからは心配もされましたし、批判するような声もありました。でも、ライヴをやって皆さんが喜んでくれたり、そもそも自分がこのバンドをやっていて楽しいという気持ちも強くて、48歳のときには(日本)武道館もやりました。そして、51歳になった今は21年目を迎えてこの大きな舞台にも立たせていただいています。遅咲きって自分で言っちゃいますけど(笑)、諦めなければ可能性はゼロにはなりません。時間をかけてでも一つ一つ夢を掴んでいくバンドがここにいるんだ、ということを知っていただけると嬉しいです"(玲央)

夢を描くのではなく、闇を奏でながら夢を掴んでいくlynch.の未来に幸あらんことを。

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