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LIVE REPORT

オメでたい頭でなにより

2020.08.29 @Streaming+

Writer 吉羽 さおり

新型コロナウイルスの影響で、予定していたツアー"ワンマンツアー2020 ~今 いくね くるね 2~"が、開催中止になってしまったオメでたい頭でなにより。6月から毎月"~配信だけど 今 いくね くるね~"と題して、オンラインならではの、且つオメでた(オメでたい頭でなにより)らしい趣向を凝らしたライヴを行ってきた。その3回目となる8月29日は記念すべきバンドの始動日ということで、"オメでたい頭でなにより ワンマンSHOW 4周年だヨ!全員集合!~配信だけど 今 いくね くるね~ 其の参"と銘打って、さらにスペシャルな内容で送るライヴとなった。今回のテーマは、この4周年で手に入れた強大なパワーを持つ"オメフォース"とはいったい何か、というもの。ステージの背景には、"OME4th(オメフォース)"と書かれた謎のオブジェのようなものが掲げられている。

1曲目「鯛獲る」から普段のステージ同様の爆発力で5人の音をぶつけ合い、"せっかくの4周年、なんで君らがここにおらへんのや"と赤飯(Vo)が叫び、画面越しでのライヴとなってしまったフラストレーションをぶつけるように、「あれこれそれどれ」のパンキッシュな音と温度とを上げる。でも、"配信でも関係ない。全力でいこうぜ"と「憂き浮きウォッチング」でうねりのあるアンサンブルで聴かせるなど、前半から凄まじい勢いのライヴとなった。ただこれだけでないのがオメでたで、中盤は仲間を巻き込んで祝宴を盛り上げる。打首獄門同好会や四星球からビデオ・コメントを貰ったり、ライヴハウス 高松MONSTER店長のケンタロック氏がビデオ通話で登場したりして、そのノリのいい盟友たちからのフリで「生霊の盆踊り」や「ダルマさんは転ばないっ」へと繋げていく。いつものライヴなら、会場を巻き込んで壮大な"だるまさんがころんだ"が行われる「ダルマさんは転ばないっ」は、今回は照明さんや、映像、ステージ・スタッフをも総動員だ。ネタや仕込みも満載で、フォースならぬ、ホース(馬)にまたがったミト充(Dr)の爽やかなイメージ・ビデオを背景に、「VIVA!ハピバ」ならぬ"VIVA!ハピ馬"や、赤飯のアイドル・ヴォイスと全員での振付が見どころの「推しごとメモリアル」では、そのダンス・パートで324(Gt)がフォースならぬホースを巻きつけられ、フォークでポークを食べるというやりたい放題の展開に。とにかく楽しんでもらおうというバンドの心意気で矢継ぎ早にネタを投下しまくっていく。

オメでたい頭でなによりを結成して初めてライヴでやった曲という「ふわっふー」からの後半は、中盤での笑いやドタバタとはまた違った5人の顔も見せてくれた。赤飯は"順風満帆に見えるけど、トラブルが多い4年間でした。その4年間をキュッと1日に凝縮したような、そんな配信になった"とMCをする。それもまた自分たちらしいと言って、さらに言葉を続ける。"ライヴを武器としてやっているバンドだから、こうしてライヴがやれないと忘れられちゃうんじゃないかなっていう不安は、ずっと心の中にあるんです。でも、忘れられないように、これからも何かしらの形でしっかりみんなに伝えていかなあかんなと思ってます。で、この4周年の配信で何を一番伝えたかったかって、オメフォースの力は怖いっていうそんなことじゃないんです。そんなことはどうでもいい。今日のこの配信を観て、俺らのライヴを楽しんでくれているみなさん、ほんまにほんまにありがとうございます。絶対また帰ってきます、俺たちがオメでたい頭でなによりです"。

ステージに掲げられていた"OME4th"のオブジェの謎が明かされ、オメでたい頭でなによりの象徴と言えるダブルピースが露わになって演奏されたのは、「オメでたい頭でなにより」。曲中にも、"絶対帰ってくるので待っておいてください"、"しっかり焼きつけておいてください"と叫ばれた「オメでたい頭でなにより」は、いつも以上にエモーショナルだ。ここで終えても十分に大団円だが、その予定調和的な型にハマらずラストの一撃となったのが、ユーモアやピースの原点にもなる、彼らの真髄に迫った「ザ・レジスタンス」。赤飯は先のMCに触れて、"ここから俺たちはこの悔しさ、あなたたちと4周年をこの場で祝えないこの悔しさを、倍返しにしてあなたたちと会えたときに爆発させます。それまで俺たちは、この感謝の気持ちを音で返さないといけないと思ってます。そう「音返し」をしないといけない。倍返し、音返ししていくからな。そんな俺たちの抵抗のスタートだ"と力強く発して、重厚なサウンドに乗せてそのメッセージを飛ばしていく。配信でも渾身の喜怒哀楽を見せ、手渡す、オメでたい頭でなによりのライヴとなった。

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