LIVE REPORT
ACME
2023.08.05 @GARRET udagawa
Writer : 杉江 由紀 Photographer:飛鳥井里奈
シズル感たっぷり......いや、もとい。鮮度抜群の絞りたて汁で満たされていくかのような、生きのいいバンドたちが放つ轟音は今宵GARRET udagawaの空間にとめどなく溢れ返っていくことになった。題して"ACME Presents『ザ・ラストワンショー2023 -ACME汁祭り VOL.3- supported by 激ロック』"。ACMEとSILHOUETTE FROM THE SKYLITによるこのイベントは、そのタイトル通り今年でいよいよ3回目を迎えることになった次第である。実にめでたい。
ちなみに、今回は単なるツーマンというだけにはとどまらず、オープニング・アクトとして今年10月で始動から1周年を迎えるSlyDoggyがまずは場の空気を一気に加熱させる役割を担って舞台へと登場。公式YouTubeチャンネルにMVがアップされている「RESIST」や「wokeness」などを含めた全7曲を、若気の至り感さえ漂う野心ギラギラなパフォーマンスをもって提示してくれた。
一方、そのバンド名よろしくガチの本気汁を音という形で力強く放って見せたSILHOUETTE FROM THE SKYLITは、冒頭の「Total Mistake」から容赦のない骨太バンド・サウンドで場内を軽く制圧。コアなファンからは普段から"汁"という愛称で親しまれているという彼らは、福岡発の渋谷を拠点するバンドとして実績を積んできているが、熱き血潮を滲ませたエモい音の根底にはいわゆる"めんたいロック"のDNAが見え隠れしているところもあるように感じられる。
"今年は暑いですし、みなさん今日は「ACME汁」をたっぷり1リットルくらい出してもらうことになってますので(笑)、水はなんなら2リットルくらい飲んでくださいね。あと、ライヴハウスに久々に来たよという人がいるかどうかはわかりませんが、我々は出す音が大きいので、耳が弱いは気をつけつつ楽しんでいってください!!"(SeshiroX/Vo)
なお、佳境で演奏された「Emperor Time」ではACMEからCHISA(Vo)がゲストとして乱入することになり、ここではよりエモさに拍車のかかったステージングが繰り広げられたことは言うまでもないだろう。
"「ACME汁」楽しんでますか! ブチ上げていくぞ!!"(CHISA)
もちろん、このあとトリを務めたACMEもライヴ・バンドとしての手腕は極めて高く、コロナ禍においてもいち早く2021年から北米ツアーを再開したくらいに肝っ玉の据わっている面々のため、この夜のステージングも向かうところ敵なしなフル・スロットル状態。
"「ACME汁祭り」も3回目ということで、このジャンル・ミックスで異種格闘技な感じはやっぱりいいですね。みなさんにとっても新しい出会いとか、発見があるんじゃないかと思うんで、僕としてはすでに来年もまたやりたいなと思ってます!"(CHISA)
"1回目と2回目はコロナでいろいろ大変だったけど、今回はコロナも明け始めてきてね。これも俺のオーガナイザーとしての頑張りのおかげかな(笑)"(HAL/Dr)
もとを辿るとHALは以前ARTEMAに在籍していた当時からSeshiroXと懇意にしていたそうで、そこからの縁がこの"ACME汁祭り"に繋がったのだという。ということで、今度は逆にSeshiroXがACMEの面々と共に「GIFT」をプレイするという胸熱なひと幕もあり、両者の絆がまたさらに深まったことは間違いない。
ここは生きのいいバンドたちが集う次回"ACME汁祭り"にも期待したいところだ。
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