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LIVE REPORT

オメでたい頭でなにより

2022.04.04 @LIQUIDROOM ebisu

Writer 吉羽 さおり Photo by ゆうと。

オメでたい頭でなによりメジャー・デビュー4周年企画のライヴ"オメコンベストテン とちょっと 2022"が4月4日LIQUIDROOM ebisuで開催された。今回のライヴは、リスナーによる楽曲リクエスト投票でベスト10入りした曲を披露するという内容。それが、ただのリクエスト・ライヴで終わらないのがオメでたい頭でなにより。某ランキング番組を彷彿させる映像でベスト10が発表され、また途中にはゲスト(?)も登場するなど賑やかなことこの上ない。

ライヴ本編前に開催される"オメコンボチケット"購入者に向けてのライヴでは、ランキング番組映像に登場する3キャラクターのリアル版がステージに登場して進行役を務めた。3面にキャラクター、1面にヴォーカル 赤飯が描かれた箱を被り、"キン肉マン"で言うところのアシュラマン状態でキャラクターに合わせた声色を達者に操るのは、赤飯。このオメコンボでは、惜しくもトップ10には入らなかった曲「憂き浮きウォッチング」、「ザ☆キュ~ティクルピーポー」、「We will luck you」+「湯冷ます」が、投票をしてくれたファンのメッセージとともに披露されたが、本編を前にしてフロアは高い盛り上がりを見せた。特に1曲ごとに箱を被りキャラクターとして進行する赤飯は、肩で息をする全力投球ぶり。約30分ほどのこのオメコンボだが、全力で観客を楽しませる発想と練られたエンターテイメント性に、ちょっとユルい人力ならではのユーモアが混じる絶妙なさじ加減が効いた、オメでたい頭でなによりの旨味が凝縮されている。

そしていよいよ本編がスタート。今回はリクエスト投票によるランキングということで、例えば普段のようなライヴでの流れであるとか、起承転結であるとかは一切なし。まずは10位から8位、「あられ雛DANCE!!」、「スーパー銭湯~オメの湯~」、「ザ・レジスタンス」の3曲からスタートしたが、その曲が来るかという先の読めない展開と、アッパーでラウドな曲の連投でのっけからクライマックス感が高い。バキバキなミト充のバスドラが響く「スーパー銭湯~オメの湯~」では、ミト充~mao(Ba)~324(Gt)とソロを繋ぎフロアを沸かせる。まだまだコロナ禍でのライヴということもあって、観客はシンガロングしたりやフロアでもみくちゃになったりはできないが、手拍子やコブシを振り上げたり、ジャンプをしたりと、"ライヴ"ならではの熱量が帰ってきているのを感じる。続くゲスト・コーナーでは、ドームからの生中継(風)でDJデンジャー◎ティガー feat. ザ・そふとたっち(赤飯、ぽにきんぐだむ(Gt/Vo))が「SIX ON THE PACK」を披露。"今のみんなの気持ちは、何を見せられているんだろう、じゃないか"とぽにきんぐだむは語るが、中盤となる7位から4位はさらにカオスで、ヘヴィでうねりのあるミクスチャー「チャイルドプレイ」でぽにきんぐだむと赤飯がラップで攻めたかと思うと、間髪入れずに「推しごとメモリアル」で赤飯がアイドル・ヴォイスでメンバーがダンス。ちなみに通常、「推しごとメモリアル」での324のギター・ソロはエアギターでのパフォーマンスだが、今回は3年ぶりにリアルなギター・ソロで魅せた。スペシャルなライヴだからこその、レアなシーンだ。そしてこのアイドル・チューンから急転直下でメタルコア「HELL"O"」~多ジャンル入り混じりプログレッシヴに展開する「サイレンとジェラシー」と続く怒濤の流れで観客の心をかき乱す。それぞれにタイプの違うハイカロリーな曲ばかりで、バンドにとってはタフな時間だっただろう。

トップ3発表を前に再びのゲスト・コーナーで映像に登場したのは、2018年、懐かしいデビュー時の衣装を着たオメでたい頭でなにより。その映像からこのLIQUIDROOM ebisuのステージへとタイム・ワープして演奏したのは、メジャー・デビュー曲である「鯛獲る」、そして「海老振り屋」。ちなみに「鯛獲る」はランキングでは21位、「海老振り屋」は12位だったという。そしていよいよ後半戦のトップ3。3位になったのは、"オメでたい頭でなにより"というバンド名が発表される以前にリリースした、2015年のEP『Free Mosh License』収録の「大河アッパーカット」。久しくライヴでも披露していない曲で、アレンジもし直したそうだが、こうした曲が多くの票数を獲得しているところにしっかりとコアなファンが盛り上げているのを感じる。2位となったのも同EP収録の「あれこれそれどれ」。そして今回リクエスト投票第1位となったのが、メジャー・デビュー後の曲「四畳半フォークリフト」(2019年リリースのシングル『乾杯トゥモロー』、2020年リリースのアルバム『オメでたい頭でなにより2』収録)と、新旧の曲が並んだのはオメでたい頭でなによりとしても嬉しいところではないかと思う。そしてこのトップ10を締めくくるエンディング・テーマとして演奏されたのが、「オメでたい頭でなにより」。"壮大な茶番に付き合ってくれてありがとう。この光景が、オメでたい頭でなによりです"と赤飯が叫び突入した「オメでたい頭でなにより」では、フロアにたくさんのピース・サインが掲げられた。いつもとは違うセットリストで、シンプルに不安だったと語り、つらい曲が続くセクションは死ぬかと思ったという5人。また、今回のVTR動画はmaoが頑張って作ったり、ファンが投票してくれたりと、みんなで作り上げたイベントだったと強調。そしてオリジナル曲を作ること、2022年も飽きさせないように頑張ることを宣言し、"みんながいるからこそバンドを続ける、ライヴを続ける。また遊ぼうぜ"(赤飯)と結んだ。

今回のメジャー・デビュー4周年ライヴに続き、5月には先日リリースしたカバー・アルバム『オメでたカバー横丁~一番街~』を引っ提げ、"他人の曲しかやらない"(!?)ライヴ"オメでたカバー劇場"を大阪、東京で開催する。コロナ禍でも楽しめる趣向を凝らしたショー、それも観客参加型で一体となって楽しめるライヴ作りは、オメでたい頭でなによりならではだと思える一夜になった。


[Setlist]
【オメコンボ】
1. 憂き浮きウォッチング
2. ザ☆キュ~ティクルピーポー
3. We will luck you
4. 湯冷ます

【本編】
1. あられ雛DANCE!!
2. スーパー銭湯~オメの湯~
3. ザ・レジスタンス
4. チャイルドプレイ
5. 推しごとメモリアル
6. HELL"O"
7. サイレンとジェラシー
8. 鯛獲る
9. 海老振り屋
10. 大河アッパーカット
11. あれこれそれどれ
12. 四畳半フォークリフト
13. オメでたい頭でなにより

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