LIVE REPORT
オメでたい頭でなにより
2021.08.29 @USEN STUDIO COAST
Writer 吉羽 さおり Photo by ゆうと。
オメでたい頭でなによりの結成日である2016年8月29日から5年を迎えた同日、スペシャルなライヴ"5周年だョ!全員集合"がUSEN STUDIO COASTで開催された。その始まりのライヴ映像や数々のMVが流れるオープニング映像でスタートし、バンドのロゴが大きく映し出されると会場から大きな拍手が沸き起こった。5年前はまさか、コロナ禍となってなかなかライヴができない、またこの日のようにSTUDIO COASTのフロアに椅子が並ぶ光景は想像していなかったが、それでも5人は変わることのない"オメでたい頭でなにより"の精神と笑顔を生み出すライヴを行った。ヘヴィなリフと赤飯(Vo)の迫力あるロング・シャウトで始まる「ふわっふー」でスタートしたライヴは、頭からメンバーそれぞれのソロ・パートなど、見せ場がふんだんに盛り込まれ、観客は大きな手拍子を送り、その場でジャンプや拳でアグレッシヴな音に応える。"お待たせしました、STUDIO COAST。「5周年だョ!全員集合」始めて参りましょう"(赤飯)という言葉に続いたのは「日出ズル場所」、そしてメジャー・デビュー曲「鯛獲る」と連投する。久しぶりのワンマン・ライヴということもあり、赤飯は"覚えてますか、我々のこと?"と問う。観客はもちろんと言わんばかりに前のめりで拍手や拳で応える。このライヴを待ちに待った観客の熱っぽさが随所で伝わってくるが、それはステージ上も同様でこの日はMCも飛ばし気味。いつもの饒舌さに輪がかかって脱線していく赤飯は、メンバーに"浮き足立ってる"とたしなめられたりつっこまれたり、あるいは時にメンバーも道連れ状態になったりと、そのスラップスティックなステージが楽しい。
中盤では某有名番組に似た"オメでたい陸"のVTRが流れ、ローラースケートの練習に勤しむ5人の姿が映し出される。そこから続く「推しどこメモリアル」に観客は待っていましたとばかりにカラフルなペンライトを振り、赤飯、ぽにきんぐだむ(Gt/Vo)、324(Gt)、mao(Ba)、ミト充(Dr)は楽器をローラースケートに替えステージ上を華麗に......いや、今回はややへっぴり腰だったが(だいぶ練習を重ねたそうだが)、それぞれ歌と滑りで魅せる。続けて「推しごとメモリアル」ではキュートなアイドル・ダンスで盛り上げる。かと思うと"この5周年を迎えるために作ったと言っても過言でない"とプレイしたのは「金太の大冒険」。観客は大いに振り回される展開だ。"冗談はさておき、こんな感じで5周年も好き放題させてもらってます"とぽにきんぐだむ。コロナ禍で日常が大きく変化し、窮屈でネガティヴなことも多いけれど、そんななかでもいつものようにくだらないことで笑い合える、幸せを分かち合えるかけがえのない時間。オメでたい頭でなによりのライヴの真髄を一段と濃くしていったのが、エネルギッシュなミクスチャー・ロックによる新曲「NO MUSIC NO LIFE」から、後半へという流れだ。昨年4月の2ndアルバム『オメでたい頭でなにより2』の1曲目を飾り、まさに今とこれからへのアンセム感が日を追うごとに強まっている「頑張っていきまっしょい」、またそこに続いた1stアルバム『オメでたい頭でなにより1』からの曲「ザ・レジスタンス」は、臨機応変に物事に対応しながら、バンドの信念はより鮮やかに輝かせる今のオメでたい頭でなによりの気迫が映る。観客はこの曲で力強く掲げたダブル・ピースをそのまま、次の「オメでたい頭でなにより」で軽やかに振る。まさにピースな光景に赤飯は、"心が折れそうになったこともある"と正直にその心の内を語り、また"君らがいつでも帰ってくる場所を守るために、ライヴを続けていこうと思う"と、高らかに宣言した。そして最後の曲は"乾杯トゥモロー/くだらないことで 笑い合える今"と歌う「乾杯トゥモロー」に。今は祝杯はあげられないが、フロアやステージ袖でもスタッフ総出でエールを送るようにフラッグを振って、大事なこの居場所をパワフルな音で祝福した。ライヴのエンディングには、ライヴを続けていくという名言どおり、11月から恒例のツーマン全国ツアー"真剣2マン遊VIVA!"開催を発表。6年目も賑やかに始まりそうだ。
[Setlist]
OP. オメでたい後光が射すとき
1. ふわっふー
2. 日出ズル場所
3. 鯛獲る
4. VIVA!ハピバ
5. ピーマン
6. 推しどこメモリアル
7. 推しごとメモリアル
8. 金太の大冒険9. NO MUSIC NO LIFE
10. あれこれそれどれ
11. 頑張っていきまっしょい
12. 生霊の盆踊り
13. スーパー銭湯~オメの湯~
14. ザ・レジスタンス
15. オメでたい頭でなにより
16. 乾杯トゥモロー
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