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LIVE REPORT

オメでたい頭でなにより

2017.11.05 @CLUB CITTA'川崎

Writer 吉羽 さおり

オメでたい頭でなによりが、11月5日にCLUB CITTA'川崎で"オメでたい頭でいっぱいです!~ザ・ベストライブ~"を開催した。ワンマンとしては、8月の下北沢GARDENでのアルバム『○』のレコ発(※8月13日に行われた"レコ発「○」ワンマン~夏の大宴会~")以来だが、そのライヴでは、会場のあまりの熱気でセットリストを全うすることができなかった悔しさもあったゆえ、今回のライヴにはそのときの気持ちも乗っかっている。ワンマンとしてはバンド史上最大規模の会場でもあり、さらに既存曲全曲披露プラス新曲もありと告知されていただけに、場内の熱気も相当に高い。ステージの熱量とフロアの熱量が衝突するエネルギーは、1曲目の「えんがちょ!」から凄まじく、のっけからフロアにヘドバンとジャンプの荒波を起こし、シンガロングから赤飯(Vo)のシャウトとともにウォール・オブ・デスまでも発生させるパワフルさだ。オメでた(オメでたい頭でなにより)のライヴでは、例えば観客がネタとシャリ(時にわさびの人、寿司職人姿の人もいる)とに分かれてクライマックスでぶつかり合い、大きなサークルを生み出す「wosushi ~ウォールオブ寿司~」など、曲によってさまざまな楽しみ方があるが、フロアでは初めて来た人も楽しめるようにと、常連さんたちが率先して場を作り上げていて、その光景はなんとも楽しげ。もちろん自由に楽しんでもいいし、じっくりとステージを観たい人には"デリケートゾーン"という安全地帯も用意されている。ラウド系のライヴのフロアとして、明るく楽しいノリだ。赤飯は、"今日は初見さんもいると思うけど、知らなくてもなんとなく楽しかったでしょ? これが2時間続きます"と言い、序盤からガンガン飛ばしていく。「wosushi ~ウォールオブ寿司~」から、タオルを振り回す「海老振り屋」、そしてフロアがふた手に分かれシコを踏むようにゆっくりとぶつかり合う"シーコーモッシュ"で盛り上がる「ぼよよんラウド」などで一体感を掴むと、「ダルマさんは転ばないっ」へ突入。まるで"ダルマさんが転んだ"のように、演奏のブレイクダウンと同時に観客もピタリと動きを止める、"ダルマさんブレイクダウン"の息もぴったりだ。曲中には、超超ショート・チューン「湯冷ます」も盛り込まれボルテージも最高潮に。フロアが思い切り遊べるのも、重厚でドライヴ感溢れるアンサンブルと、とことんキャッチーさに磨きをかけた曲だからこそ。その旨味を、存分に発揮している。

中盤には赤飯いわく"最初に作った曲"だという「大河アッパーカット」から始まる初期曲メドレー(「大河アッパーカット」、「P.R.P.」、「Fight for your Right」)を披露。このメドレーでは、ミト充(Dr)がビートを刻むなか、赤飯、ぽにきんぐだむ(Gt/Vo)、324(Gt)、 mao(Ba)がフロアへと降りて、サイリウムを観客に"訪問販売"。続く、キュートなハイトーンからシャウトへという赤飯のミラクル・ヴォイスが冴える「さくらんぼ」のカバーや、キラキラとした切ないゾンビ・バラード「七夕リアン☆リターンズ」で、そのサイリウムが瞬く。そのほか、観客同士が曲に合わせて名刺交換をする「C'mon!!こいこい猪子課長」や、この日が誕生日の人をステージ前の特等席へと案内し、会場一体となって祝う「VIVA!ハピバ」(※この日は5人の観客が特等席へと迎えられた)など、次から次へとオメでたさを上乗せしていった。

8月13日のワンマンが悔しくも不完全燃焼となってしまったこと、それでもフロアは一生懸命楽しんでくれていたこと、その姿を見て改めて、オメでたの願いは"フロアのみんなが笑顔で帰ることができる素敵なライヴをすること"だと胸に刻み、そうして彼らが作った新曲が「スーパー銭湯~オメの湯~」だ。ライヴに先駆けてMVが披露されたこともあって、曲中のクラップも、"Go toフロア"のシンガロングもバッチリと決まる。フロアを沸かせて、嫌なことつらいことをさっぱりと流そうと歌うこの曲。オメでたとしては、これまでにもあったテーマではあるけれど、ここまでストレートにメッセージを発しているのは初めてとも言えるし、テクニカルなメンバー揃いの"バンド"をしっかりと見せる個々の見せ場がふんだんなサウンドで、"オメでたい頭でなにより"という存在を強烈に打ち出した内容だ。全曲披露のこのライヴで、1年間スピードを上げて突き進んできた集大成を見せると同時に、この先へ向かううえで改めてバンドのステートメントを打ち出している。

終盤は、フロアにひとつの巨大なサークルを生み出す「WAになってともに」、そしてメンバーがフロアへ降りて、観客にリフトされながらプレイする「生霊の盆踊り」、会場を笑顔のダブル・ピースと大合唱で埋め尽くす「オメでたい頭でなにより」で大団円を迎えた。
アンコールでは、"今日を迎えられて、本当に良かったと噛みしめている"と赤飯が語り、maoが"オメでたを始めて1年で、こんなに応援してくれる人が大勢いて感謝しています。全員を、てっぺんに連れていきたい!"と宣言。「ふわっふー」から「宴もたけなわプリンセス」の盛大な一本締めで、全20曲の"ザ・ベストライブ"の幕を閉じた。ライヴ後には2018年元旦にまとめ盤『オメコレクション』がリリースされること、そのレコ発のツーマン・ツアーが行われることがアナウンスされた。まだまだオメでたさは加速する。



[Setlist]
1. えんがちょ!
2. あれこれそれどれ
3. 憂き浮きウォッチング
4. wosushi ~ウォールオブ寿司~
5. 海老振り屋
6. ぼよよんラウド
7. ダルマさんは転ばないっ
8. 初期曲メドレー(「大河アッパーカット」、「P.R.P.」、「Fight for your Right」)
9. さくらんぼ
10. 七夕リアン☆リターンズ
11. SHOW-GUTS
12. あられ雛DANCE!!
13. C'mon!!こいこい猪子課長
14. VIVA!ハピバ
15. スーパー銭湯~オメの湯~
16. WAになってともに
17. 生霊の盆踊り
18. オメでたい頭でなにより
en1. ふわっふー
en2. 宴もたけなわプリンセス

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