INTERVIEW
Fear, and Loathing in Las Vegas
2023.07.21UPDATE
Member:Minami(Vo/Key)
Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ)
15年間応援してくれている人たちのおかげで、これだけ長くバンド活動を続けられたし、 2回目の武道館をやることができるので、その感謝を伝えたい
-ベガスのメンバーって、聴く音楽がバラバラなイメージなんですが、MinamiさんとTaikiさんは音楽趣向は近い感じですか?
Taikiさんは特にこういうコア系のバンドがめちゃくちゃ好きで詳しいですね。
-僕が最初に会ったときのイメージからあんまり変わらない感じですね。
一番バンドマンっぽいんじゃないですかね。最近そういうバンドマンっぽいところをすごく生かそうとしていて、ほかのバンドと積極的に関わるとか、そういうことを頑張ってくれていて。たぶん"MEGA VEGAS"とかツアーをするときに呼ぶバンドとか、そういうところにも生きてくると思うし、ほかのバンドの人からもTaikiが一番バンドマンぽいよねって言われます。
-バンドマンなんですけどね(笑)。
"THEバンドマン"みたいな、そういうふうに思ってもらえているのもすごくいいなと思います。
-Tetsuyaさんが"コミュ力羨ましいです"とSoさんについて書いていましたが、ほかのバンドと積極的に関わっているのはTaikiさんとSoさんでしょうか?
SoはSoでめちゃくちゃ明るい。それで好かれやすいですね。何も考えずノリだけで"うぇ~い"って言ってるような感じなんですけど、それが好かれる。バンドだけじゃなくてYouTuberとか、"なんでそんな人と繋がってんの?"みたいな人と繋がったりもしていて。顔が広いですね。
-Taikiさんは、対バンするときにしっかりコアなバンドを持ってきそうですが、Soさんは、YouTuberとかちょっと飛び道具的な方を連れてきそうですね。
もうちょっとそれをバンドに生きるようにやってくれたら......。
-なるほど(笑)。
Soは単純に自分が遊びたい人と遊んでるイメージです。でもSoの顔の広さを生かすみたいなことも、今後増えていくと思います。バンド内ではそういうノリでいける性格なのはSoだけなので、貴重です。
-"ラスベガスの一員じゃなかったらやりたかったことは?"というアンケートの回答ですが、Minamiさんが一番ふわっとしてますね(笑)。(※回答:何かしらステージに立つようなことはやりたかったのではないかと思います)
あまり思いつかなくて、もともとやりたいこともなかったんですよ。音楽を続けられたらいいなぐらいで。でも音楽が仕事になるとは思っていなかったですね。ただ昔から人前で何かやるのは好きで、ステージに立つことに対して憧れはあったので、ラスベガスじゃなくてもやりたかったことだろうなという感じです。
-じゃあ本当に天職ですよね。
あとラスベガスの俺の立ち位置というか、普段は喋らずに、ステージで一気に存在感を出していく、という見せ方がめちゃくちゃ合ってるなと思っていて。一番はまっていますね。
-そうですね。適役だと思います。
ほかのみんなも一番やりたかったのは音楽だったと思います。
-Tetsuyaさんは"コーヒー屋さんですね。
Tetsuyaはめちゃくちゃ多趣味で、コーヒーもそうですし、もともとアニメも好きだし、キャンプとかミニ四駆とか。多趣味なうえで一個一個を深掘りしている。コーヒーもコーヒー・ソムリエの資格みたいなものを持っていて。
-"コーヒー屋さんになりたい"じゃなくて、"お客さんに合わせてコーヒーを淹れたい"って玄人感が(笑)。
本当にオタクなんだなって思いますね。
-ほかのメンバーでコーヒー飲む人っているんですか?
俺もコーヒーは好きです。
-淹れてもらったことありますか?
淹れてもらったことはないんですけど、おすすめの豆を貰ったり。そういうオタク的な精神ってべースとかにも絶対生かせると思うので、それはすごいなと。
-TomonoriさんとTaikiさんがアンケートでちゃんとクロスしていて、Tomonoriさんは"車の中でTaikiと屁で会話してて車の中が臭さと笑いの渦になった記憶があります"と、Taikiさんは"名古屋の駐車場で自分とTomonoriで5~6回屁でキャッチボールしたとき"と回答してます(笑)。
屁で笑ったことは何回もあって。片方が話し掛けるように屁をこいてそれに相手も屁で答えるという、その時点ですごいんですけどそれが何往復も続いて。
-臭いもすごかった(笑)?
はい。Taikiさんはたまにヤバい臭いのやつがあるので、そうなったらもう笑うしかないというか。あとはTaikiさんは自分の屁の音を録音してサンプリングしたり。結局そういうしょうもないことが一番笑う。
-"過去最高のライヴの思い出をひとつ挙げてください"というアンケートに、ふたり(Minami、Tomonori)が新宿ACBでのライヴを挙げています。
東京でライヴできることになって、全員が"かまそうぜ"というテンションになっていて。演奏はめちゃくちゃだったと思うんですけど、気合だけはすごくて"パンチ見せようぜ"みたいな。もう勢いだけでやった感じだったと思うんですけど、やり切りました。メンバー全員がそういう方向を向いていたなっていうのはすごい感じていて。だからあのときの感覚が今でも残ってるというか。そういう感覚のことを俺らの中で"爆発した"というワードで言ってるんですけど、今でもその感じをまた出したい。演奏力は普段やってることがついてくると思うので、ライヴに出るときの感覚としては思い切り全員で"いこうぜ"みたいな感じ。それが原点になっている気がします。
-初期衝動的な感じですか。
そうですね。会場が大きくなってきたり、聴いてくれる人が増えたりすると、もっと演奏を大事にしないといけない、とかいろいろ考えることが出てくるんですけど、結局爆発したライヴが一番いいライヴだった、という感覚が自分たちの実感としてあるので、ずっと大事にしたいところですね。
-どっちを取るっていうものではないかもしれないですけど、少しクオリティを捨てでも初期衝動的な感じを出したいと?
演奏ももちろん大事なんですけど、"気にせずやったれ"みたいなテンションのほうがいいなと思って。ただ、メンバーによってそこの考え方は少し違っていて、Tomonoriさんは"まず自分のドラムが完璧じゃないと説得力がない"みたいな考えで、最近はより演奏に集中してるというか。Tetsuyaもたぶんそのバランスで悩んでいると思います。
-リズム隊は余計そういうところありますよね。
そうですね、そこがぐちゃぐちゃだと説得力がなくなるというか、逆にダサくなるということもあるので。だからクオリティも上げつつ、でも、マインド的には気にせずみたいな。俺はわりとテンション寄りというか、それで最近は自分のモニターの環境もそういう聞こえ方になるように作ったりしていますね。
-ほかのメンバーの回答で気になるものはありますか?
Soが言ってる、"ベガスの強みはふざけても成り立つところ"は俺も同じようなこと思っていて。最近いろんなバンドと一緒にやっていて感じるんです。例えばCrossfaithとかcoldrainは絶対パラパラはできないじゃないですか。ラスベガスはそれができるっていうことが強みだなと。
-ラスベガスの音楽性でそれができるってすごいですよね。
それも、ライヴでやってるときはおちゃらけてるっていう感覚ではなく、あくまで真剣にやっているので。結果的に面白いし、いい違和感になっていたりとか、そういう様子を観て"おもろいバンドやん"って気になってくれる人もいると思うので。そのバランス感でできるバンドは貴重かなと。
-ちなみにTetsuyaさんはベガスの強みを"全員野球感"と答えてます。
フロントマンひとりが引っ張るみたいな感じとか、MCや喋りで掴むようなタイプではなく、全員まとまってぶつかっていくみたいな、ずっとそういう感じでやっていて、"みんなが同じ方向を向いてやっていこうぜ"という感じで昔からやってきてはいるんですけど、最近になってそれプラスそれぞれの性格、性質とか役割みたいなのが重視されるようになっていってるなと思います。Soの明るいキャラクターとか、Taikiさんのバンドマンっぽい感じとか、それぞれのキャラクターが出てきている。どういうライヴがいいライヴかというところはみんなで足並みを揃えて全員野球でやりつつ、さらにそれぞれの良さや個性を生かしていくみたいな感じだと思います。
-なるほど。
最近はそれぞれをリスペクトして、できる部分を上手く生かして伸ばしていけたら、より個性が出てそれぞれのモチベーションも保てるのかなと感じています。
-先日2回目のワールド記念ホール・ワンマンを経験し、今回の武道館も次が2回目ということで、再び武道館で一度経験してるもの以上を作るという作業となります。2回目のワールド記念の経験が今回の武道館に繋がるかなと思うんですがいかがですか?
この間のワールド記念ホール・ワンマンも、いろいろ課題はあるなと思ったんですけど、1回目のときみたいにガチガチになるような感じではなかったので、そこは武道館でも大丈夫だといいなと思っています。"楽しませるぞ"という気持ちでやりたいなと思います。
-最後に、武道館に来られる方、行こうか迷っている方にコメントをお願いします。
15年間応援してくれている人たちのおかげで、これだけ長くバンド活動を続けられたし、2回目の武道館をやることができるので、やっぱりその感謝を伝えたいなと思うし、今の自分たちのすべてを曝け出すというか、全力でぶつけていきたいなと思っています。みんな観に来てほしいですね。俺らもどうやったらみんなを楽しませられるか、日々いろいろ考えながらライヴしていて、その集大成を見せる場でもあると思うので、ぜひ来てください。
Fear, and Loathing in Las Vegas 15th ANNIV., 15 ANSWERS