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INTERVIEW

Fear, and Loathing in Las Vegas

2021.06.25UPDATE

2021年07月号掲載

Fear, and Loathing in Las Vegas

Minami(Vo/Key)
マネージャー
インタビュアー:村岡 俊介(DJ ムラオカ)

-このコロナ禍でも"GR8 FEST."や"MERRY ROCK PARADE 2020"、"JAPAN JAM 2021"など、出演できたライヴがいくつかありました。しかし、日本全国細かく回ったり、毎週末フェスに出ていたりしたコロナ前と違い、本数が絞られた状況で、ライヴに対する心構えや気持ちに変化はありましたか?

Minami:この状況下で来てくれるお客さんもいろいろ不安があるなかで来てくれていると思うので、声を出したり暴れたりはできませんが、せっかく来てくれているなら思いっきり楽しませたいなと思ってやっていました。でも同時に、コロナ前のライヴとは全然違うな、ということも感じていて、お客さんが全然声を出せなかったり、俺らも客席に飛び込んだりなどできないので、そのなかでどうやってお客さんを煽れるのかと悩みました。どういう気持ちをぶつけていくか、みたいな話をメンバーともしてきましたが、コロナ前にやっていたライヴみたいに、お客さんと一体となって一緒に動くというのは難しいと感じました。振付とか、できることは今でもありますが、みんなで暴れるのは難しくなってしまったので、俺らがテンション・マックスで、全力でやっているところを観て、感じてもらう方向にシフトしていくようなことを考えています。とはいえ、結局俺らが全力でパフォーマンスをするというところは変わっていないので、そこは変わらず思いっきりやっています。

-やっていくなかで少しずつ手探りで軌道修正していく感じでしょうか?

Minami:そうですね、例えば最初"GR8 FEST."に出たときは手応えが全然違ったなと。

-やはり衝撃ですよね(笑)。

Minami:曲終わりでお客さんがシーンとしているのはすごいなって思ったんですけど、お客さんからのレスポンスを求めても仕方ないというか、できないことなので、割り切ってこっちのパフォーマンスを観てもらうという感じでやっていました。

-コロナの影響でお客さんが今までのような反応ができないということが、セットリストに反映されることはありましたか?

マネージャー:ありましたね。お客さんを歌わせるような曲は積極的にできません。例えば「SHINE」(2017年リリースのシングル表題曲)はお客さんに歌ってもらう前提の曲なんですけど、そういう曲はなかなか組み込めなかったり、「Love at First Sight」(2010年リリースの1stフル・アルバム『Dance & Scream』収録曲)などの観客とバンドが交互に歌う楽曲もなるべく避けたりしています。

-シンガロングありきの曲は難しいですね。

Minami:そうですね。手拍子とか、一緒に同じ動きをすることならできるので、そういうところで一体感を出しています。

-以前から徐々に増えていたパラパラ的な振付がある曲が、今となってみると"あって良かったな"と思いますね。

Minami:そうですね。マネージャーさんが提案してくれたり、俺やSoがライヴでテンションが上がったときにやっていたりした動きをふたりで合わせてやったのを、"お客さんにもさせてみよう"という流れで振付が増えていったと思うんですが、あれがあることでお客さんも楽しめてるというのを感じますので、やって良かったなと思います。

-ジャンルで括りづらいサウンドではありますが、ラスベガスをあえて括ると、ポスト・ハードコアやエレクトロニコアに分類されると思います。このジャンルでそういった振付やパラパラはすごく斬新ですよね。

Minami:そこはいいバランス感だと思っています。例えばコア系のバンドのライヴはいろいろ観てきましたが、かっこいいバンドというか、クールなバンドにはなかなかできないことをやっていると思うので、それはすごい強みだなとは思います。

-よく見るギター回しや、ATTACK ATTACK!のクラブ・スタンスのパフォーマンスなどはステージ上でやるもので、お客さんがやるものではないですよね。そう考えると、お客さんと一体となって振付で踊るというのは、世界的に見てもラスベガスが最初だったのではないかと思います。

マネージャー:客観的に見て、お客さんが振りに参加することによってフロアの完成度が上がった気がしたんです。雰囲気も含めて盛り上がりが加速されるというか。ハードコアでは暴れることで完成されるところが、ラスベガスの場合は変な振付で、という感じですね。

-フェスなどで後方で大人見してる、ラスベガスを知らない人でも、興味を持ってもらえる入口になりますよね。そういった間口を広げるという意味でも面白いなと思います。

Minami:そうですね。"なんだこのバンド"みたいな感じで思ってもらえたらおいしいので、そういう意味でもすごくいいなと思います。

-6月15日からは、KT Zepp Yokohamaを皮切りに["HYPERTOUGHNESS" Release Tour 2020→2021]が始まりますね(※取材は6月上旬)。

マネージャー:各地のガイドラインに沿ってキャパ設定をしているので、緊急事態宣言中でもできるキャパではあります。そもそも入場者をかなり制限しているので予定通り行う予定です。

-久しぶりのツアーですが、いかがですか?

Minami:待ってくれている人たちがいるところにライヴをしに行けるというのはすごく楽しみです。やはり観てくれる人がいるライヴは自分たちも一番テンションが上がります。今まで通りのライヴとは違うものになると思いますが来てくれる人もいろいろ悩んで、不安のあるなかで来てくれると思うので、ちょっとでも元気を与えて、いい思い出を作ってもらえるように全力でやりたいです。

マネージャー:アルバムのリリース・ツアーの振替公演なので基本的にアルバム中心のセットリストになりますが、各地でかなりセットリストを変えているので楽しみにしていてほしいですね。

Minami:ツアーを通してかなりの曲数をやる予定なので、今メンバーで日々スタジオに入ってリハーサルをして準備しています。

-公演ごとに変えていくのは非常に大変ですよね。

Minami:久しぶりにやる曲もいっぱいあって、結構忘れていたりしています。

-コロナ前のツアーでもやっていなかった曲ですか?

Minami:はい。それと『HYPERTOUGHNESS』自体ライヴでやるのが結構久しぶりなので。

-そのツアーの振替ですもんね。

Minami:そうですね。今は"身体に入れる"みたいな、そういうリハーサルをやっています。

-中止前の数本で観られたファン以外は、待ちに待った念願のライヴに行ける日がようやく訪れます。今までのCDを買ってツアーに行くというルーティーンでは味わえない喜びがあるでしょうね。

Minami:その期待にも応えたいです。

-今週には"SATANIC CARNIVAL 2021"、さらに"DEAD POP FESTiVAL 2021"や、"OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 20>21"への出演も決まっており、ようやくフェスができるようになりそうです。ワンマン・ツアーは100パーセント、ラスベガスのファンで埋まりますが、フェスにはファンではない人、曲は聴いたことあるけどライヴには行ったことがない層もたくさん来ます。

Minami:ほかのバンドのお客さんに向けてやるライヴも、燃えるところがあります。俺らのことを知らない人にも"このバンドヤバいな"とか"ライヴがかっこいいバンドなんだな"と思ってもらえるようにやっているつもりなので、何かしら引っ掛かってもらえたらいいなと思っています。