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INTERVIEW

Fear, and Loathing in Las Vegas

2017.10.16UPDATE

2017年10月号掲載

Fear, and Loathing in Las Vegas

Member:Sxun(Gt) So(Clean Vo/Prog)

Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ)

-Track.3の「Power of Life and Death」ですが、クリーン・ヴォーカル・レスの楽曲ですね。クリーン・ヴォーカルが入ってない曲といえば「Crossover」(2012年リリースの2ndフル・アルバム『All That We Have Now』収録曲)が思いつきます。「Crossover」はいかにもスクリームのみで構成されてそうな極悪なスタイルの楽曲ですが、「Power of Life and Death」は、アッパーでこそあれ、ダンサブルでキャッチーな楽曲ですよね。こういった楽曲でシャウト&スクリームのみで押し切る曲は今までになかったですし、想像もしていませんでした。ただ実際聴いてみると、シンガロングするクリーン・パートがないぶん、常に振り切れたアッパーな状態が途切れない超ドSな楽曲に仕上がっていると感じました。この曲の実際のコンセプトや、できた過程を教えてもらえますか?

Sxun:これは質問のとおりで、シャウト系のみの曲というのがテーマのひとつで、以前「Crossover」がバンド・サウンド主体の楽曲だったので、打ち込みサウンドを取り入れたコア系のダンス曲というイメージでした。この曲に限らず、今作はギター・パートもトラックのみの時点で、マネージャーさんとMinamiの作り込みでできているものがほとんどなんですが、打ち込みを取り入れつつもゴリっとしたリズム押しのギターリフとシンセ・サウンドや、生と電子音の交ざったドラムが聴きどころのひとつかと思います。

So:歌詞もオール・シャウトなので強い言葉とか内容が多くて、他の曲とは少し違う雰囲気になっていると思います。"生殺与奪権を誰かに委ねるな"というテーマで、人のせいにするな、甘えるな、すべて自分の責任にするからこそ面白いんだろ、というようなことを書いています。

-次の"Billboard HOT 100"で流れてもおかしくないパーティー・チューンから始まるTrack.4「LLLD」は、今までにない新しい感じで面白いですね(笑)。途中極悪に落としたり、最後はベガス節で終わるところも一筋縄でいかせない感じですし。

Sxun:この曲はラスベガスの曲の中でも新しい雰囲気に仕上がってると思います。ポップさとシンプルさを意識しつつ、BPMもゆったりめというか、新鮮さとライヴでノれるイメージで作られています。前半は構成もシンプルなので途中からは切り返してコア・パートが登場します。ここはとにかくライヴでは頭振りまくって、そして何事もなかったかのように後半パートに戻っていきます。

So:今までにない曲で僕も大好きです。1曲リピートで何回も聴きたくなるような感じです。

-ちなみにラップしてるのはどなたですか? またラップで苦労したことがあれば教えてください。

Sxun:ラップをしているのはMinamiです。マネージャーさんからの提案で、シャウト以外のアプローチということで、ラップしてみようとなりました。苦労した点は声の質感をどうやったらカッコよく聞かせられるかというところと、ラップ自体のリズムの心地よさを出せるかという感じだったと思います。シャウトの中に一瞬地声が入るみたいなパートは今まであったのですが、ラップとなるとシャウトとも歌ともまた違ってくるので、MinamiはひたすらEMINEMの動画とか見まくって研究していました。

-"LLD"は脚長差という意味がありますが(笑)、"L"のひとつ多い"LLLD"は造語でしょうか? どういった意味があるか教えてください。

Sxun:「LLLD」は"Limited Life, Limited Days(限りある命、限りある日々)"という意味です。歌詞のテーマは"いつかはなくなる、いつか死ぬ、ということを理解したうえで今日を前向きに生きる"となっていて、サビもあのゆるい感じで1行目は"僕らはいつか土に還る"と歌っています。でも前向きなことを歌っているのであの雰囲気と合っていて、僕は好きなサビです。

-Track.5の「To Catch the Right Way」はベガス流のエモーショナルなパワー・バラードですね。ベガスの楽曲にオーガニックなバイオリンやピアノの音色が入ってくるのもいいものですね。この楽曲のコンセプトを教えてくれますか。

Sxun:この曲もバラードという立ち位置で、歌を前面に押し出すイメージで作っていったのですが、メロだけで引っ張っていくような強さがなかなか出せず、トラックの工夫やリズムの特徴的なアプローチで今の形となりました。トラックに使われているシンセのストリングスの音色も新しいものを取り入れたり、バランスを考えつつ細かい音が配置されています。バラードだけど他の楽曲に負けない音圧や迫力みたいな部分は、作っている中で出たポイントでした。

So:歌詞は"正しくあり続けることは難しい。何が正しいのかを自分で考えることが大事だが、答えは常に変わり続けるので、考え続けることが大事"というテーマで書いています。サビに何度か出てくる"Every night, Every night"の部分で、毎夜探して考えている、ということを歌っているのですが、曲の雰囲気とメロがハマっている感じがして、好きです。