INTERVIEW
lynch.
2012.06.04UPDATE
2012年06月号掲載
Member: 葉月(Vo) 玲央(Gt) 悠介(Gt) 明徳(Ba) 晁直(Dr)
Interviewer:MAY-E
-KORNとRED HOT CHILI PEPPERSは、それぞれ昨年にアルバムをリリースしていますが、聴かれましたか?
明徳:はい、どちらも発売日に買いました。
-そのKORNの『The Path Of Totality』ではダブステップを取り入れるという大きな変化がありましたが、明徳さんの感想は?
明徳:最高だと思います。あのアルバムのJonathanのヴォーカル・パートって、ホテルのクローゼットの中で録っているんですよね!クレジットの中にホテル名が書いてあるのを見て、もう最高だなぁと(笑)。
-そうですね(笑)。では、悠介さんのバック・グラウンドは?
悠介:僕が一番、激ロック的なものと相反していると思います(笑)。U2とかRADIOHEADとか、いわゆるUKロックばかり聴いています。ギターが入っていないようなエレクトロなんかも良く聴くし、メロディが良かったり、聴いていて気持ちが良いものであれば何でも聴きます。最近だと、THE MARS VOLTAですね。『ゴリアテの混乱(原題:The Bedlam in Goliath)』っていうアルバムが大好きで。彼らの音楽って、いつ曲が変わったのか分からないような展開があったりするじゃないですか。そういうのにシビれます。
玲央:僕は、時期によって変わってはくるんですけど、NINE INCH NAILSとかKMFDMなんかのインダストリアルが好きですね。それと並行して、ニュー・ウェーブも良く聴いていました。BAUHAUSを出していた4ADっていうイギリスのインディー・レーベルのCDを買い漁っていましたよ。まったくかけ離れている音楽でも、ぜんぜん受け入れられます。レコード・ショップの店員さんに驚かれるような組み合わせでレジに持っていきますもん。この間もSiMと[Champagne]とSuperflyのCDを一緒に買ってきました(笑)。
-(笑)確かにあまりない組み合わせですね。
玲央:うん。不思議な人だと思われているんだろうなぁ(笑)。良いと思ったものは昔からなんでも聴くんですよ。今は昔と違って情報を得られる機会が増えたし、どこでも視聴できるような環境が整ってますからね。
-そうですね。それと同時に、違法も含めダウンロードという方法で音楽を入手するひとが増えてきて、アーティストにとっては“CDが売れない”という厳しい状況になってきてもいますね。
玲央:そういう現状を聞くと、やっぱりすごく残念に思います。違法ダウンロードに関しては完全にモラルの問題ですよね。違法でダウンロードしたものと正規の音源じゃ、圧倒的に音質も違いますし。僕ら作り手の思いとしては“良い音で録れたものは、良い音で聴いて欲しい”ということです。違法は止めて欲しいですね、本当に。
-そうですね。メンバー皆さんがこれだけ広いバック・グラウンドをお持ちだと、自身のバンドが“ヴィジュアル系”に括られることもきっと不本意なことなのだろうと思うのですが、実際いかがでしょうか。
葉月:僕自身はあんまり気にしていないんですよ。なんて呼ばれようが構わないと思っています。ただ、“ヴィジュアル系?じゃあ聴かない”っていうのだけは勘弁して欲しいですね(笑)。何をもってヴィジュアル系かっていうのも、人によって違うと思うし、僕自身も分かっていないし。ただ、何と呼ばれようが聴いてくれさえすれば大丈夫です。
-なるほど。DIR EN GREYは海外進出を成功させ、最近ではギルガメッシュがROTTENGRAFFTYやcoldrainらと共演したりと、ヴィジュアル系と呼ばれるバンドとラウドロック・バンドの垣根や洋楽と邦楽の垣根がなくなりつつあり、私自身はとてもいい傾向にあると思うのですが、今のヘヴィ・ミュージック・シーンについて思うことがあれば教えてください。
葉月:うん、だんだん面白くなってきていると思いますね。僕が一番関心を持っているのは、いわゆるヴィジュアル系じゃないロック・バンドの人たちが、どんどんメイクをするようになってきていることです。SiMなんかもそうですよね。こうやって垣根がなくなってきて、ここからどうなっていくのかが楽しみです。
-そうですね。lynch.も海外で十分通用するバンドだと思うのですが、海外進出などは考えていますか?
葉月:良いお話があればいつでも、とは思っています。ただ、なかなかタイミングが合わなくて未だに行ったことはないですね。海外に行けば勝ちではないと思っているので、ただ行けばいいものではないですしね。日本と一緒で需要があればいいですけど、待っていてくれている人がいるのであればぜひ行きたいです。