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LIVE REPORT

SCREAM OUT FEST 2011

2011.02.19 @恵比寿LIQUIDROOM

THE WORD ALIVE

THE WORD ALIVEは、BLESS THE FALLのCraigが一時在籍し、現ヴォーカルのTylorは、GREELEY ESTATES、EMAROSA、IN FEAR AND FAITHと、あらゆるスクリーモバンドに在籍していた経験を持つ。そのサウンドの基盤はメタルとスクリーモにあるが、凝った構成力は若手の中でも群を抜いている。頼もしいルーキーと言えるのは間違いないだろう。そして今回、SCREAM OUT FESTで待望の初来日だ。 メンバーは終始高いテンションを保ち、特にキーボードの上で倒立をかましたりするDustyの動きは派手で、私はステージに釘付けになった。グッと腰を落としたブレイクダウンで盛り上げることが出来るのも彼らの武器。しかし、肝心の演奏面で言うと、彼らの実力が遺憾なく発揮されていたかどうかは疑問だ。技術的な面においてはもちろん上手いのだが、彼らの楽曲の持つドラマティックなスケール感をライヴで演出するのに最も必要な表現力という面においては、このライヴに限って言うと、まだ実力が追い付いていないのではないかと感じたのが正直なところだ。Tylorの声があまり出ていなかったということも大きな要因だろう。せっかく志の高い音楽をやっているのだから、彼らの音楽を知らない人にもわかりやすく咀嚼させつつ、圧倒させるような表現力があれば、数倍素晴らしいライヴになるはずだ。未知数の可能性を感じさせるバンドなだけに、今後への期待が高まる。

(KAORU)


ASKING ALEXANDRIA

ASKING ALEXANDRIAが去年リリースしたアルバム『Stand Up & Scream』は、ゴリゴリのヘヴィネスとエレクトロ・サウンドの交差が特徴的な作品だった。とは言っても、ヘヴィ+エレクトロ・サウンドが隆盛しまくっているこのご時勢に、何故彼らが特に人気を博したのか?それは、彼らのスピリットの軸とも言える、人を食ったような感性にあるのではないだうか。わかりやすいようで、扱いにくく、反感を持つはずなのに、何故か惹かれてしまう。そもそも賛否の分かれる彼らのサウンドを、そんな風に感じているのは私だけではないはずだ。そもそも、新EPが何故SKID ROWのカバー?いやはや、何とも不思議なバンドだ。 SCREAM OUT FESTにおいて、彼らのライヴは予想通り異彩を放っていた。揃った動きとブレイクダウンを巧妙に使って盛り上げるのはヘヴィネス・バンドの定型だが、全体を通して曲の繋ぎ目がミックスされていたりするのは、クラブ・ミュージックを通過してきた彼らならではと言えるだろう。時にBACK STREET BOYSをサンプリングしたり、突然ドラムンベースが響き渡ったり、コロコロと展開が変わっていく。オーディエンスを退屈させないよう、若しくは、自分たちが退屈しないよう???よく練り込まれた展開だ。演奏は安定感に欠けるが、その分迫力で蹴倒していく。なかなか見応えのあるステージだ。ヴォーカルのDannyはメンバーに絡みまくり、おふざけと捉えられてもおかしくはない動きをするが、もう、楽しくて仕方がないという表情が印象に残った。 ラストの「The Finale Episode」まで、あっという間に駆け抜けた数十分。「!」と「?」が交差しまくり、まだまだ掴みきれはしなかったものの、このバンドは大真面目に見るのではなく、面白がって見るのが正しいのだということは判った。いつの時代も、知恵のある悪ガキが文化を面白くしていくものだが、彼らも今後、シーンを大きく掻き回すような、そんな存在になるのかどうか?注目して見ていたいところだ。

(KAORU)


BLESSTHEFALL

『SCREAM OUT FEST 2010』の強豪ラインナップの中で、オーディエンスの多くに"この日一番のライヴ・パフォーマンス"と言わしめていたのが、このBLESSTHEFALLだ。昨年の出演から新作はリリースしていないが、その巧みな演奏力(とルックス)を再び目の当たりに出来るのだから、ファンとしてこれほど嬉しいことはありません。 『SCREAM OUT FEST 2011』のトレーラーにも使用されている、2ndアルバム『Witness』の冒頭を飾る「2.0 」のイントロが鳴った瞬間、観客が一気に前方に押し寄せた。そのまま「What's Left Of Me」をプレイし、爆発的に盛り上がる。 BLESSTHEFALLはメンバー全員がイケメンっていう、まぁズルいバンドです。中でも、まるでファッション誌から飛び出してきたようなスレンダーなルックスのBeau Bokan(Vo)が、客席に食らいつくような激しいパフォーマンスに、一同釘付けなのだが、スクリーミング・ヴォーカルのJared Warth(Ba)も、また良い仕事をしているのだ。 1曲1曲のパワーも凄いが、「God Wears Gucci」「Hey Baby, Here's That Song You Wanted」とたたみ掛けるように曲をプレイ。曲間もほぼ休みなしだ。"サワゲ!"、"キョウハ、マツリダ!"といった日本語のMCも飛び出し、渦を巻く客席を更に煽っている。 ひとしきり盛り上げた後、サポート・ギタリストのElliott Gruenbergをファンに紹介。Elliottは、元BEFORE THEIR EYESのギタリストで、つまり昨年の激ロックFES VOL.4にも出演している人物だ。サラサラのブロンドヘアと天使のような笑顔を持つナイスガイである。この時点ではあくまでサポート・メンバーだけど、是非このまま正式メンバーになって欲しいなぁ。 「Rise Up」「Guys Like You Make Us Look Bad」といった1stアルバム『His Last Walk』の人気曲もしっかりプレイしていた。ちょっと驚いたのは、ショウのラストにプレイした「Higinia」。海外のショウでも最近はあまりやっていないし、何より、前任ヴォーカルのCraig Mabbittのイメージが強い曲である。インタビューでは"昔からのファンのためにプレイした"と言っていたが、Eric Lambert(Gt)は同時に"今後は、この曲はもうやらないかも"なんてことも仄めかしていた。ひょっとしたら、Beauが歌う「Higinia」を聞くことができたのは、これが最後だったのかもしれません。 「Wittness」ではBeauが客席に歩み寄り、ファンの手を強く握り締めて歌っていた。ダイナミックなパフォーマンス。息の合った演奏力。そして、見惚れるようなルックス......。もう、何度見てもかっこいいのですよ、BLESSTHEFALLは。

(MAY-E)


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