DISC REVIEW
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前作『From Death To Destiny』(2013年リリース)が全米チャート5位を奪取、名実共に世界的な人気を得た英国メタルコア若手代表格による最新作。カリスマティックな存在感を持った前任ヴォーカリスト、Danny Worsnopの脱退後は初となる音源だが、恐らくはDannyの音楽的志向が特に強調されていたのであろう前作に見られた80年代風のヘヴィ・メタル色は多少残しつつも、初期の作風に回帰した印象だ。新たに加入したDenis Shaforostov(ex-MAKE ME FAMOUS)は器用な歌い手で、ヘヴィなメタルコアからエレクトロ風の音を取り入れたスクリーモ、美麗なバラードに至るまで、そつなくこなしている。優等生すぎるきらいもあるが、バンドとしての地力の高さを見せつけた1枚である。 井上 光一