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INTERVIEW

オメでたい頭でなにより

2020.04.28UPDATE

2020年04月号掲載

オメでたい頭でなにより

Member:赤飯(Vo) ぽにきんぐだむ(Gt/Vo) 324(Gt) mao(Ba) ミト充(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

これを機に、ルーツをちゃんとディグって聴いてほしい


-だからこそ、オメでたい頭でなによりとしてはきっちりと結果を残したいところですし、「哀紫電一閃」はアニメのOP主題歌にもなりましたから。

ぽにきんぐだむ:ちなみに「SIX ON THE PACK」はテレビ朝日系"ワールドプロレスリング"の4、5月の"ファイティングミュージック"にもなってます。

-この「哀紫電一閃」は主題歌としては挑戦的じゃないですか。まず歌い方からして、日本語を英語っぽく歌ってて。

324:耳を引く感じが向こうとしても良かったのかなっていうのはありましたね。

ぽにきんぐだむ:中西に曲を発注するときはINSOLENCEっぽくっていうリファレンスで、それに乗っかってこういう不思議なAメロにはなってますね。

赤飯:サビはLINKIN PARKの「Crawling」のあの感じがやりたくてしょうがなくて。そうなるように言葉もはめてますね。英語っぽくやりたかったんです。ホルモン(マキシマム ザ ホルモン)方式じゃないですけど、パッと聴いた感じが英語っぽくなるように。でもなんとなく日本語の意味も通じるようにと整えていった曲でしたね。

ぽにきんぐだむ:で、間奏はLIMP BIZKITとRAGE AGAINST THE MACHINE。洋楽の名だたるバンドの詰め合わせみたいになってて。

324:これを機に、ディグってほしいですね。ルーツをちゃんとディグって聴いてほしい。

-「週末ゥッッッ★トビマ~ス!!」はまた別の意味でネタの宝庫ですね。欽ちゃん(萩本欽一)や、コント55号のネタが散りばめられてある。

赤飯:気づいてくれましたか。ネタもあるけどメッセージ性としては反骨精神もありつつ、ポジティヴな感じになっていますね。最初は欽ちゃんの歌にしかなっていなくて、止められて。書き直しましたけど。

324:止められてというか、赤飯のオリジナリティがなかったからさ。

赤飯:ちゃんとやれって言われて(笑)。もともと昭和の空気感が大好きなので、"飛びます、飛びます"はいつか言いたいなと思っていて。今回上がってきたデモが、ダイブが起きそうな曲だねっていうところから、じゃあみんなに飛んでもらう曲にしよう、"飛びます"しかねぇというところで、欽ちゃんの歌詞をブワーッと書いていったら、ボツ食らって。手直ししました。

ぽにきんぐだむ:でも最初はトビウオの曲だったよね。

ミト充:赤飯がトビウオの生態に関して、すごい調べてたもん。

赤飯:トビウオって生き残るために進化を遂げて、天敵から逃げるために飛ぶようになったんですよ。毎日、通勤通学で、満員電車でぎゅうぎゅうになってて死にそうってなってる人たちが、ライヴハウスで飛ぶっていうのが重ねられたらいいかなって、お恥ずかしながら思っちゃいました。

324:そういう要素は今もふわっと入ってるよね。

-そして、熱いライヴ曲になっている。

赤飯:ライヴ曲ですね。若い子にコント55号を知ってもらう曲(笑)。ブレイクダウンでちゃんと、"なんでそうなるの"って言ってますから。

ミト充:しかも、2回もな。

-"Numb dead soul...not a No..."、"南無で僧なるの"っていう英語と日本語ですね(笑)。飛びますも、歌詞では"To be a mess"になってます。

赤飯:はい、"To be a mess"で無茶苦茶になるっていうね(笑)。

ぽにきんぐだむ:あとは歌詞には、HOOBASTANKとかも入ってますね。

赤飯:他にも"ブリングミートゥザ土日"とかもバンド名をもじっていたりして。2号店(赤飯がヴォーカルを務めるコロナナモレモモ ※マキシマム ザ ホルモン2号店)魂じゃないですけど、ダイスケはん(キャーキャーうるさい方)っぽいところも入れて、ダイスケはんと亮君(マキシマムザ亮君/歌と6弦と弟)みたいな絡みもイメージして組み立てているところもありますね。

-オマージュがすごいな(笑)。

ぽにきんぐだむ:段々と入れ方は巧妙になってきたよね(笑)。コツを掴んできた感がある。

ミト充:やればやるほどね。

赤飯:言わなきゃ気づかれないくらいにね。狡猾になりましたよ。

324:パクリではダメなんだよね。わかる人がニヤってしてくれるのがいいかなっていうものだから。ちゃんとリスペクトを込めて、自分なりに消化しないといけなくて。

赤飯:でもこうやって好きなものを入れられるのは嬉しいんですよ、その嬉しさもまた曲に入るので(笑)。

-そして最後が324さんの曲「ピーマン」で、グッといい曲で締めています。ロカビリー調でもあり、最後にはホーンなどで分厚いサウンドになっていく、賑やかな曲です。

324:好きですね。赤飯がわりと合ってる感じもしていて。

赤飯:いい曲です。324君の歌詞はすごくいいので。僕は324君みたいな歌詞は書けないし、彼だから書ける歌詞というのがあるので。オメでたい頭でなによりの尖ってる部分以外の、人情の部分みたいなところを324君は詩的に表現してくれるので。そういうところも表現できていいなと思います。

mao:メッセージも詰まってますしね。

-そういうことで2ndアルバムとしても丸くなることなく、むちゃくちゃやってやるぜっていう勢いやバンドの姿勢がものすごく出ていますが。ところで、取材が始まるときから赤飯さんが持っているその笛は?

赤飯:これは「今いくね」で入ってる篠笛の音があるじゃないですか。それを練習しろと言われて、スタジオでプレゼントされて。今、練習してるんですよ(と吹き始める)。

ミト充:いや、ここ会社だから!

mao:でも普通に街中とかでも吹いて歩いてるからね。

赤飯:ライヴでできるくらいまでなりたいなということで、常に運指の練習をしてるんですけど。

-2月からスタートしていた"ワンマンツアー ~今 いくね くるね 2~"が途中から新型コロナウイルス禍もあり延期となってしまっていて、今もなおこの先がどうなっていくのかが見えない部分はありますが。こうして新しいアルバムが完成して、また新しい景色も広がりそうな曲が増えたことは楽しみでありますね。

ぽにきんぐだむ:そうですね。ツアーの延期分については、ありがたいことにスタッフさんが迅速に振替公演の計画を立ててくれているので。それもできるかどうかはまだわからないですけど、とはいえまだまだ希望はあるので、待っていてほしいですね。