INTERVIEW
オメでたい頭でなにより
2018.10.09UPDATE
2018年10月号掲載
Member:赤飯(Vo) ぽにきんぐだむ(Gt/Vo) 324(Gt) mao(Ba) ミト充(Dr)
Interviewer:吉羽 さおり
-赤飯さんとしては、こうやってまっすぐに熱い想いを書くことは、逆に難しさがあるものなんですか。
赤飯:9回くらい書き直しましたね。
ぽにきんぐだむ:結構難しかったね、これは。
324:ストレートに表現することに慣れてないから。
ミト充:これまで照れ隠しの表現ばっかりだったからね。
324:バンドのスタンスとしてもね。
赤飯:それで9回ラリーして、7回目のやつが採用されました。
324:それ、めっちゃ根に持ってるよね。
mao:最後の2回は無駄だったって(笑)。
ぽにきんぐだむ:でも新しい引き出しが開けられた感じがするよね。ふざけるところはふざけるところで開けられるし、ストレートに言う場所も作れたかなっていう。
赤飯:ZeppのMCでも喋っていたんですけど、この2年の活動を経て、僕自身に自然と意識の変化が生まれていたので、それが形としてきちんと出せたと今は思ってますね。
-バンドにとっていい2年間だったと。
赤飯:いい2年間でしたね。濃かったなぁ。
ぽにきんぐだむ:ただバンドをやっているだけではなかったんだなっていうね。関わっている人だったり、お客さん、スタッフ、対バンのバンドだったりから、知らない間にうちらはいろんなものを貰っていて。いろんなことを伝えたくなっていたんだなっていう2年間でしたね。
赤飯:砂利道を無我夢中で"ウオー!"って走っていったら、いつの間にか花が咲いてたっていうかね(笑)。
-曲作りやライヴをしっかりしてきたからこその濃さだと思いますね。そこをリスナーのみんなもちゃんと見てくれていたというか。じゃないと、辿り着けない歌だと思うんです。ここでもっとひねくれちゃっててもおかしくないですから。
mao:ひねくれるパターンもありますよね(笑)。
赤飯:どんどんこじらせていくっていうね。
mao:で、どんどん隠れてアングラになるパターンもあると思うし。
赤飯:でもちゃんと伝えたいことがあって、目の前の人に幸せになってもらいたいという気持ちをちゃんと伝えようと思うと、ずっとちょけていても難しいので(笑)。締めるべきところは締めるというのは、この2年間で学びましたよね。
-この曲はサウンドとしても直球でいこうという思いはあったんですか。
赤飯:ここにはあまり重たい、歪んだ音は必要ないよねっていうのはあった。
ぽにきんぐだむ:その選択ができるようになったのも成長かもしれないですね。前までは"とりあえず重たいものを入れよう"っていう感じだったのが、"いらないよね"っていう選択ができるようになった。
赤飯:だから、"全然ラウドじゃないじゃん"って言われたら、"はい、そうです"っていう。
ミト充:うん、この曲に関してはね。
赤飯:ラウド・ロック・バンドという暖簾は下げてますけど、あくまで"オメコア"、"オメでたい"をコアに持っているということで。アティテュードですからね。
ぽにきんぐだむ:チューニングだけがラウドじゃないぜ、と。
-今いろんなライヴやイベントで披露していて、その反応はどうですか。
赤飯:手応えあるよな。
mao:やるたびに成長している感じもあるしね。
赤飯:この曲知らんわっていう人でも、最終的には手を上げて歌ってくれるようになってるので。それだけわかりやすい曲を作れた、刺さる曲を作れたっていう手応えはめっちゃありますね。やっぱり会場の雰囲気が変わるよな。
ぽにきんぐだむ:変わる。この間も"氣志團万博(2018)"で、ものすごい雨だったんですけど、この曲がすごい響いたというか。
赤飯:エモかった。
ぽにきんぐだむ:"TOKYO CALLING(2018)"のときも、パンパンだったんですけど、その息苦しくてつらい状況がこの曲と重なって、高揚感に繋がったりとか。特別感が出せる曲で、うちらのテンションもガッと上がるし。
-あえて、この曲を表題曲としてリリースしようという考えはなかったんですね。
ぽにきんぐだむ:これは脇役でいいんです。誰かの人生にそっと寄り添うだけでいい(笑)。これを一番に押し出すと、それが幸せの押し売りになっちゃうかなと思うので。
324:いてくれるだけでいいんです。
赤飯:これで表題曲になっちゃうと僕が照れちゃいますから。