LIVE REPORT
ACME
2023.05.27 @SHIBUYA CYCLONE
Writer : 杉江 由紀 Photographer:RINA ASUKAI
旅から戻ってきた彼らは、やはりまたたくましくなっていた。レトロフャーチャーの空気感を詰め込んだ新機軸シングル『洗 脳』を今年2月に発表したあと、4月にはLAやミネソタなどでのUSA行脚を果たしてきたACMEが、5月に入って開催した国内での"ACME 6th Anniversary Live Tour 2023「閃光と洗脳」"は、彼らのアニバーサリーを祝うめでたい場であったと同時に、ACMEの辿ってきた成長の軌跡を、ライヴ・パフォーマンスというかたちで確認することのできる空間でもあったのではなかろうか。
"今日のセットリストはメンバーみんなでいろいろ考えて決めたんだけど、俺からするとこれは解散ライヴ並みのすごい曲並びなのよ(笑)"(将吾/Gt)
"たしかに! ACME、もう今日でやめんのかな? っていうくらいのボリューム感と濃さだもんね。でも、やめないんでそこは安心してください(笑)"(CHISA/Vo)
2017年夏にACMEの初シングル表題曲としてリリースされた「SENKOU」が、まず1曲目に選ばれていたところから始まって、新旧の楽曲を目いっぱいに詰め込んだ2時間半、全25曲にわたった今回のライヴは、まさに現時点でのACMEを全方位的に堪能できる、満漢全席的なフル・ボリュームのセトリになっていたと言えよう。
"毎回これは思うんですけど、僕はツアーをするたびにメンバーのことが好きになるし、来てくれるお客さんたちのこともどんどん好きになっていってる気がします。これから先も7年、8年と言わず10年、20年と続けていくなかでもっともっとみんなのこと、メンバーのことを好きになっていきたいです。よろしくお願いします!"(RIKITO/Ba)
「Enchanted」のようにR&Bテイストの漂うセンスフル・チューンもあれば、CHISAがギター&ヴォーカルとして聴かせたロック・チューン「ラストワンショー」、はたまた現在のACMEが得意とするラウドなサウンドが炸裂した「Resisted temptation」、最新シングル曲のモダンでいてクールな「洗 脳」と、ACMEの音楽的な懐の深さを感じさせる様々な楽曲たちは、どれもこの夜まばゆい光を放っていた。
また、かつてはそれが大定番であったはずの「Barguest」で、ウォール・オブ・デスが数年ぶりに復活した場面も実に感慨深く、ACMEとファンが共にコロナ禍をサヴァイヴしてきたからこそ"奪還"できた、尊い光景がそこには生み出されたのである。
"このバンド、最高じゃない? ほんとに嘘じゃなく、今日が今まで6年間やってきた中で最高のライヴになってる気がする。ここまで積み重ねてきて、6年後にこれだけいいライヴができてるなんて想像できてなかったし、まさかアメリカでライヴをやるようなバンドになるとも思ってなかったけど、その時々でACMEは成長をし続けてこられたんだろうね。俺らは6年前より数倍もかっこ良くなってると思います! ここまでやってきたことは間違ってなかったんだよ! そして、すべてはこうして応援してくれるみんなの力があったからこそです。一時はコロナ最悪! とか思ってたけど、ずっと活動を止めずに来たからこそ今日があります。ほんとにありがとう!"(HAL/Dr)
フロアからシンガロングの声が湧いた「テバナシライダー」でダブル・アンコールを締めくくったあとには、ツアー("ACME Live Tour 2023")の決定を映像告知にて情報解禁し、そればかりか夏にも何かしらの動きがあるという"匂わせ"をしたACME。彼らの繰り広げる果てなき絶頂は、ここからさらなる昂ぶりを更新し続けていくことになるはずだ。
[Setlist]
1. SENKOU
2. MONSTER
3. ROTTEN ORANGE
4. ADVENTURE TIME
5. RISING SUN
6. Come Back to You
7. ゴールデンタイム
8. CALL MY NAME
9. Replay
10. Enchanted
11. 月光浴
12. 放課後の飼育
13. ラストワンショー14. Resisted temptation
15. 洗 脳
16 . WALK
17. Barguest
18. WONDERFUL WORLD
19. 絶唱謳歌
20. Kagaribi
En1. GIFT
En2. Re:
En3. MELODY
W En1. マグロ解体チェーンソー
W En2. テバナシライダー
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